長屋は空き家の3000万円控除の対象外?「なんで長屋はあかんのや!」大阪の長屋と制度のギャップを徹底解説【後編】
前編では、長屋だから空き家の3,000万円特別控除が
使えないのではなく、建物の登記が区分所有建物かどうかが
大きなポイントになることをお伝えしました。
では、実際に確認しないまま
売却するとどうなるのでしょうか。
大阪の長屋では、売却後になって初めて
「控除が使えない」と気付くケースもあります。
今回は、実際に起こり得る事例をもとに、
売却前に知っておきたいポイントをご紹介します。
「税金はかからへんと思ってたんです。」
長屋の売却では、
こんなケースが起こることがあります。
相続した長屋を建売業者へ売却。
買主は建物を解体し、新しい住宅を建築する予定でした。
売主の方は、「空き家の3,000万円控除があるから、
税金はそんなに心配せんでも大丈夫やろ。」
そう考えていました。
売却代金を受け取り、相続登記の費用や引っ越し費用、
生活費などに充て、残ったお金も
今後の生活のために使い始めました。
ところが後になって確認すると、
建物は区分所有建物。
つまり、空き家の3,000万円特別控除は
利用できませんでした。
その結果、想定していなかった譲渡所得税などを
納める必要が生じることになったのです。
もちろん、これは制度が急に変わったわけでも、
誰かがミスをしたわけでもありません。
ただ、「使えると思い込んでいた。」
それだけだったのです。

売却価格だけ見ていると見落としてしまうことがあります
不動産を売るとき、多くの方が気になるのは、
「いくらで売れるか。」です。
もちろん、それはとても大切です。
しかし、本当に大切なのは、
「最終的に手元にいくら残るのか。」
ということです。
例えば、
- 仲介手数料
- 相続登記などの費用
- 測量費
- 解体費(売主負担の場合)
- 譲渡所得税
これらを差し引いた金額が、実際の手取りになります。
そして、その中でも譲渡所得税は
金額が大きくなることがあります。
だからこそ、「3,000万円控除が使えるかどうか。」
これは売却価格と同じくらい重要なポイントなのです。
「長屋やから大丈夫」と思い込まないことが一番大切
大阪には、本当にさまざまな長屋があります。
築100年近いものもあれば、
昭和後期に建てられたものもあります。
一戸建てのような登記の長屋もあれば、
区分所有建物として登記されている長屋もあります。
見た目だけでは、その違いはほとんど分かりません。
だからこそ、
「長屋やから控除は使える。」
あるいは、
「長屋やから絶対に使えへん。」
どちらも思い込みです。
大切なのは、売却を進める前に建物の謄本を確認し、
自分の長屋がどのような登記になっているのかを把握することです。
制度と現場には、少しギャップがあると感じます
空き家の3,000万円特別控除は、
空き家の流通を促し、地域の活性化に
つなげることを目的とした制度です。
そのため、区分所有建物が対象外と
されている理由にも、一定の考え方があります。
一方で、大阪の長屋を見続けていると、
「昔から地域に残ってきた長屋まで、
同じような扱いになるんやな。」と感じることがあります。
実際には、見た目がほとんど同じ長屋でも、
建物の登記が違うだけで制度の適用が分かれるケースがある。
これは制度が悪いという話ではありません。
ただ、現場では、
「そんな違い、一般の人には分からへん。」
という声が多いのも事実です。
だからこそ、売却を考え始めた段階で建物の謄本を確認し、
税金まで含めた資金計画を立てることが大切なのです。
長屋が悪いわけではありません
この記事で一番お伝えしたかったことがあります。
それは、
長屋が悪いわけではありません。
区分所有建物であることが悪いわけでもありません。
本当に避けたいのは、
「売却が終わってから初めて知ること。」です。
「控除が使えると思っていた。」
「税金はかからないと思っていた。」
そんな思い込みが、
売却後の資金計画を大きく変えてしまうことがあります。
だからこそ、
価格だけで売却先を決めるのではなく、
「手元にいくら残るのか。」
という視点で考えることも、とても大切です。
まとめ
大阪の長屋は、一軒一軒本当に違います。
見た目が同じでも、
- 建物の登記
- 接道状況
- 境界
- 再建築の可否
- 税制上の取り扱い
そのどれもが異なることがあります。
だからこそ、
「長屋やから大丈夫。」
「長屋やから無理。」
そう決めつけることはできません。
もし相続した長屋や空き家の売却を考えているのであれば、
まずは建物の謄本を確認することから始めてみてください。
その一つの確認が、売却後の
「知らなかった」を防ぐ第一歩になるはずです。
長屋・空き家の売却でお悩みの方へ
相続した長屋や空き家は、建物の状態だけでなく、
登記や税制など確認すべきポイントが数多くあります。
特に大阪の長屋は、見た目では分からない違いが多く、
思わぬところで売却後の手取り額に影響することもあります。
売却を急ぐ前に、一度建物の謄本を確認し、
現在の状況を整理しておくことをおすすめします。
不動産会社や税理士など、それぞれの専門家に相談しながら
進めることで、安心して売却を進めやすくなるでしょう。

不動産売買等でのよくある質問
建物の謄本はどこで取得できますか?
法務局で取得できるほか、
オンラインで請求できる場合もあります。
不動産会社へ相談する際に取得してもらえるケースもあります。
「専有部分の表示」があれば空き家の3,000万円特別控除は利用できませんか?
「専有部分の表示」がある建物は区分所有建物です。
空き家の3,000万円特別控除では区分所有建物は対象外となるため、
制度を利用することはできません。
その他の要件も含めて確認するようにしましょう。

長屋ならすべて同じ登記になっていますか?
いいえ。同じように見える長屋でも、
一戸建てとして登記されているものと、
区分所有建物として登記されているものがあります。
まずは建物の謄本を確認することが大切です。
売却前に税金の相談もできますか?
はい。不動産会社や税理士へ早めに相談することで、
売却価格だけでなく、税金や最終的な手取り額も
含めた資金計画を立てやすくなります。
長屋は、何十年も家族の暮らしを支えてきた大切な住まいです。
だからこそ、最後の売却でも「知らなかった」と後悔することなく、
納得して次の世代へつないでいただきたい。
この記事が、そのきっかけになれば幸いです。

- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
どんな物件買取もお任せ下さい!
若い時にはリフォームの仕事も経験済。
売主様には査定時に買取価格を算出します!
家の買取や売却のご依頼・ご相談は
ワンちゃんと古い家が大好きな白髪交じりの私・松本が全てご対応いたします!
