借地物件の勉強
今月の上旬に借地物件の査定にお伺いしました。
伺う前にお話をお聞きしましたが
本来、地主さんに支払う地代(土地代)は元々の家主さんに支払っているとの事・・。
名義変更料や新地代の事をお聞きしても返答があいまいでした。
とりあえず査定時に詳しいお話をお聞かせください・・との事で行きました。
建物は1/4戸建ての端家で所々リフォームをされているので
少し手直しすれば十分住める家でした。
今までの経緯をお聞きすると
元々その長屋を建てた方がまとめて地主さんに地代を支払っているらしく
今回の売主さんの親御さんが昔、建てた方から建物を購入したとの事でした。
しかし地代に関してはその建てた方経由で
地主さんに4軒分まとめて支払うという形を今でも引き継いでいたそうなのです。
・・という事で基本的に地主さんとの接点がないとの事でした。
今までの借地物件と違うケースでした。
新地代や名義変更料などは弊社が直接、地主さんに確認するとの事で
その場を離れました。
そして数日後、地主さんを紹介してもらい連絡を入れました。
【〇〇さんから売却の依頼を受けました不動産会社のものでございます】
『お話は伺っていますが第三者に売却されては困ります!』
『安い地代でまた何十年も土地を拘束されてはたまりません』
【・・・】
この地主さんは将来的にすべての建物所有者に立ち退いてもらい
土地を返却してほしいという意向の地主さんだったのです。
本来、借地を返す場合は建物を解体し、更地にして返却するのが通例です。
しかしこの地主さんは更地にしなくても現状のままでいいので返却してほしいとの事でした。
【建物の登記がありますのでそれはどう致しましょうか?】とお聞きすると
『当方はお金を出すつもりはないので
建物所有者の〇〇さんに費用を負担してもらって私(地主)の名義にしてもらえれば結構です』
こういう返答でした。
私は初めてのケースでした。
今回の売主さんからすれば解体費用が掛からず、
宅内を片付け、そんなにかからない登記費用を負担するだけでよければ
売れなくても特に問題はありません。
基本的にややこしい借地物件を息子さんの代まで引きづるのが嫌なのと
高い解体費用をかけてまでは厳しいので・・という売却理由だったのですぐに納得されました。
この時点で弊社の出る幕はありません。
最後に遺品整理の業者さんをご紹介して今回の件は終わりました。
しかし今回の物件査定は商売にはなりませんでしたが
いい勉強をさせて頂いたような気がしています。