古い木造住宅の解体補助金の話
空き家の解体はするべき?
大阪市内でも古い木造住宅の解体補助金制度があります。
『狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度』です。
これは大阪市が指定している密集地にある老朽化住宅の解体に対して補助金が出る制度です。
どんな内容なのでしょう?
解体補助金の内容
これは対策地区と重点対策地区に指定された木造住宅に対して解体の補助金を定めた制度です。
対策地区では幅員4m未満道路に面し、昭和25年以前建物。
重点対策地区では幅員6m未満道路、昭和56年3月31日以前の建物が対象となっています。
いずれも補助率と補助限度額があり、対策地区は1/2で限度75万円、重点地区が2/3で限度100万円。
これはいずれも戸建て住宅です。
ただこの金額で解体費用が賄えるのでしょうか?
答えはNOです。
まず昭和25年以前の建物で1戸建は大阪市内ではまず少ないです。
基本、長屋になっている可能性が高く75万円で解体は出来ないでしょう。
・・という事は自己資金も必要です。
ボロボロの家は解体した方がいい?
重点対策地区においてはより密集度が高いことから補助金も大きくなっています。
しかし補助金が出るからといって必ず解体したほうがいいのでしょうか?
私の今までの経験から言えば全ていいとは言えません。
なぜならその土地の形態によって分かれるからです。
大阪市内ではありませんが過去にこういう売却査定依頼がありました。
その敷地は約150坪。かなり広い敷地です。
大阪市内ではありませんでしたがお住まいの親御さんが亡くなられて空き家のまま放置するのは危ないということで解体更地にされました。
しかしその物件は再建築ができない接道だったのです。
解体しない方がいいケース
再建築のできない広い更地の土地になりました。
その状態であちこちの不動産会社に買取や売却のご相談をされました。
すると・・どこもけんもほろろに『売れません』という返事。
いわゆる畑用地といった感じで使い道がありません。
更に土地の固定資産税が跳ね上がりました。
建物が建っていると土地の固定資産税も減税になるために分かりませんでしたが解体したために固定資産税が年額20万円を超えました。結果、解体していなければ建物をリフォームするなりして売却は容易だったことが想定されます。
大阪市内でこんな広い土地に建っている老朽化住宅は少ないでしょう。
しかし市内であれば狭小地ゆえに現実的に再建築できないというケースが出てきます。
このケースも長屋であっても一戸建であっても解体はお勧めしません。
いくらボロボロでも建物があれば値段がつきます。
しかし狭小地の更地はガレージ用地や畑用地くらいです。
そうなると売りたくても需要が少なく売りづらくなる事にもなるでしょう。