所在不明の未登記建物
7月に売却依頼があった物件のお話です。
東大阪市内の山手にある中古一戸建で
名義は亡くなられたお父様で依頼主はその相続予定の娘さんでした。
その土地の地目が畑でしたが市街化区域に属していたため、
地目を宅地にするために農業委員会への4条申請が必要な物件でした。
査定時に物件のカギを預かり、後日間取りと室内写真を撮りに行きました。
間取りは3DKでガレージはなし、トイレは汲み取りです。
最寄りの近鉄奈良線の瓢箪山駅までは歩いて20分ほどかかる場所です。
依頼主の方のご意向は売れたお金で経費をすべて賄うという事と
先行でお金が掛からないようにしてほしいというものでした。
ただ建物の登記がされていない物件なので建物の面積がわかりません。
土地家屋調査士に事前に建物測量をしてもらう費用のみは
売れる売れないとは別にかかりますと理解いただき話は進んでいきました。
宅内には家財が多く残っており、先に撤去したほうが売れやすいのですが
費用面からそのままの状態での売却スタートと考えていました。
弊社の仲介手数料、建物登記の費用、家財撤去の費用などを考えて
逆算して売却費用を考えていましたが一つ気になる点がありました。
土地が飛び地の二筆になっておりその点が引っかかっていました。
法務局の地図が間違っているのか現地が間違っているのか・・!?
最終、建物測量をして面積がわかった段階で売却開始と思っていましたが
その前に隣地の人にその飛び地のことを聞いてみようと日曜日に伺いました。
物件のお向かいの方はその飛び地の間の土地の所有者です。
ピンポーン!【〇〇さんの件で聞きたいことがあるのですが・・】
『少しお待ちくださ~い』
【お向かいの〇〇さんの土地が飛び地になっているのですがご存じですか?】
『〇〇さんの固定資産税を何十年もうちが払っているのですよ 👿 』
【???】
最初はよくわかりませんでした。
詳しくその方のお話を聞いてみると
未登記の建物(今回売ろうとしていた物件)は
その隣地の方所有の土地上に建っており、
そのため固定資産税はその方がずっと支払っていたという事でした。
また今回の依頼主所有の土地上にはなにも建っておらず更地(本当に畑)で
固定資産税がかかっていないというのも理解できてきました。
昔からご近所の仲が良かったみたいでなぁなぁでやっていたそうです。
※なぁなぁでも中々できる話ではありませんが・・・
『その〇〇さんが亡くなったのでこれを機に一度話をしないといけないと思っていたのです』
とその隣地の方が言われました。
他人の土地上に勝手に建てた家?
本来は土地を借りているので(借地)土地代を払わないといけないはずですが
更に地主さんが固定資産税まで払ってくれていた状態・・・。
本来なら固定資産税を返金して建物は解体し土地をお返ししないといけない話ですね。
過去にもあまり聞いたことがない話で売却する以前の話になってしまいました。
その隣地の方には【その旨〇〇さんにはお伝えいたします】といって別れました。
弊社の出番がなくなってしまったのですが
その後、どうなっていることやら・・。