相続登記義務化のお話
今回は相続登記の義務化のお話です。

今月26日から開かれる秋の臨時国会で
法案が出されるとの事です。
相続登記の義務化がなぜ、為されようとしているのか?
それは弊社が率先して取り組んでいる
『空き家問題』と所有者不明の土地面積が拡大している為。
また色々な面で弊害が出ているとのことから・・。

うちでもこんな案件がありました。
極めてレアですが相続を長期間放置していたため、あまりにも相続人が増えてしまい、相続ができない・・というケース。
相続をするためにまず戸籍を
確認して相続人を確定させます。
また被相続人(お亡くなりになられた方)の
原戸籍(旧戸籍)なども必要になります。

弊社であった実際にあったケースはこんな感じ。
少しややこしいですが・・・
土地建物の名義(被相続人)は祖父の方で
相続登記をしようとしているのはお孫さんのご主人。
お孫さんは奥さんでご両親も亡くなっていました。

すると祖父から祖母、奥さんの父親、その父親の兄弟、そしてその父親の兄弟の子供などかなり多くの相続人が存在。
その中でまず祖父から腹違いのお子さんが・・。
そして父親の兄弟が4人。
そのうち既に亡くなっている方が3人・・。
今回依頼の奥さんの従弟はどこに住んでいるか
わからないとの事でした。

まず遺産分割相関図をつくるだけでも一苦労です。
相続人の全体図ですね。
また全員の戸籍謄本が必要になるため、
司法書士に依頼しても収集するだけでも大変。
また費用面もばかになりません。
最終、その司法書士もお手上げ状態で
少なくとも行方不明な方が3人はいたそうです。
目的は相続をしてその土地建物を売却することです。
しかし相続が出来なければ売ることもできません。
最終、あきらめられて弊社もお役御免となりましたが
その後、どうなっていることやら・・。

さて話は戻り、相続登記義務化の続きです。
義務化が決まってから相続をしないケースには
罰則もあるかもしれないとの事です。
しかし中々、罰則までは難しいのではないでしょうか?

いくら義務化と言っても人様の財産のお話です。
義務化になってもしない人はしないような気がしています。
いくらでも言い訳がたつような気もしています。
空き家でも良心から進んで売却されるような方が
お身内にいらっしゃれば幸いです。
中々売れないような物件の後始末を
自ら名乗り出てすることは大変なことです。
弊社にご相談に来られる相続人の方達はいつも素晴らしい方だと尊敬の念を持つこともあるくらいです。

義務化になるかならないかはまだ分かりません。
しかし相続が必要な方に一定の意識の向上があれば
それはそれで非常に意義のあることだと考えます。
新型コロナの件で少しお仕事が減った司法書士の先生方も
相続登記の義務化を期待されているのではないでしょうか?
