「リフォームしたら別の家になります!」優柔不断夫婦のために“完成後の家”まで見せた新人営業マンの結末

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今では、不動産会社が中古住宅を買い取り、

リノベーションを完成させてから販売する物件が増えた。

 

新品のキッチン、ピカピカの浴室、

きれいなフローリング。

買主は完成した状態を見て判断できる。

 

しかし少し前までは、

「リフォーム渡し」という売り方もよくあった。

 

販売中はボロボロでも、契約後に売主側がリフォームし、

きれいな状態で引き渡すのである。

 

言葉で聞けば悪くない。

 

ところが、目の前にあるのは黄ばんだ壁紙、

擦り切れた畳、油で茶色くなったキッチン……。

 

「リフォームしたら別の家になります!」

 

そう言われても、別の家どころか、

今の家が強烈過ぎて完成後を想像できへんのである。

 

新人営業マン、初契約のチャンス到来!

 

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今回の担当者は、

入社したばかりの新人営業マンだった。

 

先輩の案内に同行したことはあるが、

自分が最初から接客するのは、

ほぼ初めて。

まだ一件も契約したことがない。

 

そんな新人の前に現れたのが、30代の夫婦だった。

 

予算はそれほど多くない。

しかし駅から近く、間取りも悪くなく、

夫婦の希望条件にかなり近い中古住宅が見つかった。

 

問題は、見た目である。

 

玄関を開けた瞬間、奥さんの顔が止まった。

 

妻「……ここ、ほんまにリフォームするんですよね?」

 

新人「はい!壁紙、床、キッチン、浴室などを交換して、

きれいな状態でお引き渡しします!」

 

ご主人が古いキッチンを見ながら聞く。

 

夫「このキッチンが新品になるんですか?」

新人「なります!」

 

妻「このお風呂も?」

新人「もちろんです!」

 

夫「この畳も?」

新人「そこも全部きれいになります!」

 

そこまで説明しても、夫婦の表情は晴れない。

 

妻「きれいになるって言われてもなぁ……」

夫「今がボロボロ過ぎて、全然想像つかへんな」

 

新人営業マンは焦った。

 

条件は合っている。価格も予算内。

 

夫婦が引っかかっているのは、

完成後を想像できないことだけ。

 

あと一押しのはずだった。

 

不動産版・どこでもドアを出した!

 

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そこで新人は思い出した。

 

少し離れた場所に、

同じ売主がリフォームした完成物件がある。

 

間取りや広さは違うが、床や壁紙、

キッチンなどの仕様はかなり近い。

 

新人「今から、リフォーム完成後のイメージに

近い物件を見に行きませんか?」

 

妻「そんな家があるんですか?」

新人「あります!実際に見てもらうのが一番早いです!」

 

新人営業マン、渾身の一手である。

 

ボロボロの家から車で移動し、

リフォーム済み物件へ向かった。

 

気分はドラえもんの「どこでもドア」。

 

扉を開けたら、さっきまでの昭和感たっぷりの家が、

令和のピカピカ住宅に変わっている……はずだった。

 

「うわっ、全然ちゃうやん!」

 

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完成物件の玄関を開けた瞬間、奥さんの声が響いた。

 

妻「うわっ、全然ちゃうやん!」

 

白い壁紙、明るいフローリング、新品のシステムキッチン。

浴室も洗面台もきれいになっている。

 

ご主人も感心していた。

夫「リフォームだけで、ここまで変わるんやな」

 

新人営業マンは、心の中で小さくガッツポーズをした。

「決まった!」

 

おそらく頭の中では、初契約の報告をする

自分の姿まで見えていただろう。

 

先輩から「やったやないか!」と肩をたたかれ、上

司からも褒められる。

 

ところが事務所へ戻る車内で、夫婦会議が始まった。

夫「どうする?ええんちゃう?」

妻「ええとは思うねんけど……」

 

夫「ほんなら買う?」

妻「買うって言われたら、ちょっと怖い」

 

夫「ほんならやめる?」

妻「でも、やめるんももったいない気がする」

 

新人営業マンの心の声は一つだった。

「どっちやね~ん!」

 

完成後まで見せても結論が出ない!

 

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最初の物件では、

「完成後が想像できない」と悩んでいた。

 

そこで完成後に近い物件まで見せた。

それでも決められない。

 

奥さんは床の色が少し気になると言い、

ご主人は日当たりが気になると言う。

 

妻「最初の家も、ほんまにこれくらいきれいになるんかな?」

新人「同等の仕様でリフォームする予定です」

 

夫「でも、家の向きは違いますよね?」

新人「それは違いますけど……」

 

妻「キッチンの色は選べます?」

新人「基本的には指定された色になります」

 

夫「一晩だけ考えてもいいですか?」

 

もちろん考えるのは自由である。

家は大きな買い物。即決できないのも理解できる。

 

しかし、この夫婦の場合、

一晩考えても答えは出なかった。

 

翌日、新人営業マンの携帯電話が鳴った。

 

いよいよ申し込みか!

 

期待して電話に出ると、

ご主人から思いがけない提案があった。

 

「一回、親にも見てもらっていいですか?」

 

新人は一瞬固まったが、断る理由はない。

 

「もちろんです!ご都合のよい日を教えてください!」

これで三度目の案内が決まった。

 

最後の決定は、親に丸投げ!

 

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後日、夫婦は親御さんを連れてやって来た。

 

新人営業マンは、

これまで以上に気合いを入れて説明した。

 

駅からの距離、周辺環境、リフォーム内容、

住宅ローンの返済額。

親御さんから聞かれそうなことも、

事前に全部準備していた。

 

親御さんは玄関から各部屋を見て回り、

古いキッチンや浴室を確認した。

 

新人は力を込めて説明する。

 

「今はこの状態ですが、壁紙や床を張り替え、

キッチンと浴室も交換します。

先日は、完成後に近い別の物件も見ていただきました!」

 

説明は完璧だった。

 

あとは親御さんから、

「二人が気に入ったんやったら、ここにしなさい」

その一言が出れば、初契約である。

 

しかし親御さんは、ボロボロの室内をもう一度見渡したあと、

夫婦に向かって言った。

 

「頭金2,000万円出してあげるから、新築にしとき!」

 

夫婦「えっ、ほんまに!?」

 

 

新人「…………」

 

頭金2,000万円。

 

そんな巨大な切り札があるなんて、

一度も聞いていない。

 

ご主人が申し訳なさそうに新人へ言った。

 

「すみません。新築も含めて、もう一回探してみます」

 

新人営業マンの初契約は、

木っ端みじんに吹っ飛んだ。

 

どこでもドアまで出して、完成後の家も見せた。

三度も案内し、親御さんへの説明まで完璧にこなした。

 

しかし最後に開いたドアは、頭金2,000万円を持った

親御さんによる「新築へのドア」だったのである。

 

チャンチャン。

 

リフォーム渡し物件のQ&A

 

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Q1.リフォーム渡しとは、どんな売り方ですか?

 

契約後、売主側が決められた範囲のリフォームを行い、

完成後に買主へ引き渡す売り方です。

 

工事範囲、設備のメーカーや色、

完成予定日を契約前に確認しましょう。

 

Q2.完成前に契約しても大丈夫ですか?

 

完成後のイメージ写真や仕様書だけでなく、

可能なら同じ施工会社が手がけた

完成物件を見せてもらいましょう。

 

「全部きれいになります」だけでは、

買主と売主で想像する“きれい”が違うことがあります。

 

Q3.親に相談してから決めてもいいですか?

 

もちろん構いません。

 

ただし親から資金援助を受ける可能性があるなら、

物件探しを始める前に相談しておきましょう。

 

予算そのものが変われば、探す物件も

中古から新築へ変わるかもしれません。

 

そして担当営業マンの心を守るためにも、

頭金2,000万円の話は、

できれば一回目の案内前にお願いします!

 

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筆者松本 親幸
  • 不動産キャリア29年
  • 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
  • 宅地建物取引士
個人的には今までの不動産業経歴において1,500件超のお取引に関わっております。
どんな物件買取もお任せ下さい!

若い時にはリフォームの仕事も経験済。
売主様には査定時に買取価格を算出します!

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