「事故物件ちゃう?」妻の一言から始まった… 大阪で理想のマイホームを見つけるまでのリアルストーリー

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「なぁ、この家なんで600万円も安いん?」

 

中古一戸建て。ガレージ付き。

できれば大阪市内。

 

それが夫婦の希望でした。

 

家探しを始めて約3か月。

 

平日は仕事。

夜になると二人でソファに座り、

不動産ポータルサイトを見るのが日課になっていました。

 

「この家ええやん。」

「駅まで10分やって。」

「駐車場2台いけるんちゃう?」

 

気になる物件はお気に入りへ登録。

週末になると必ず内覧へ。

 

でも…

 

「なんか狭いな。」

「収納が少ない。」

 

「前の道路がちょっと…。」

「やっぱり予算オーバーか。」

 

何件見ても決め手がありません。

「もう理想の家なんか無いんちゃう?」

 

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少し諦めかけていた、ある日の夜でした。

ご主人の指が止まります。

 

「……。」

 

「なぁ。」

「この家なんで600万円も安いん?」

 

奥さんがスマホを覗き込みます。

 

大阪市内。4LDK。

ガレージ付き。リフォーム済み。

 

室内写真を見る限り、新築と見間違えるほどきれいです。

 

価格は2,380万円。

 

「これやったら普通2,980万円くらいするやろ。」

何度見ても安い。

 

「どこか欠陥でもあるんかな。」

 

二人で物件情報を見続けます。

その時でした。

 

奥さんが小さくつぶやきます。

「事故物件ちゃう?」

 

「えっ?」

 

慌てて画面を下へスクロールすると…

 

そこには小さく、『心理的瑕疵あり』の文字。

 

「ホンマや…。」

二人とも黙ってしまいました。

 

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それでも諦めきれへん…

 

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一度スマホを閉じました。

 

でも。5分後。

 

また開きます。

 

間取りを見る。

写真を見る。

 

価格を見る。

そしてまた閉じる。

 

その繰り返し。

 

「こんな条件の家、もう出えへん気がする。」

ご主人が静かに言いました。

 

奥さんも同じ気持ちです。

 

事故物件・・その言葉は引っ掛かる。

 

でも、駅まで徒歩圏内。ガレージ付き。リフォーム済み。

しかも予算内。

 

「見るだけ見てみる?」

ご主人が言いました。

 

奥さんは少し考えます。

「……。」

 

「見るだけやで。」

 

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その日の夜。

夫婦は不動産会社へ電話をしました。

 

「今週末、内覧できますか?」

担当者は明るく答えます。

 

「もちろんです。」

予約はすぐ取れました。

 

電話を切ったあとも、奥さんは少し不安そうです。

「夜、なんか夢見そう…。」

 

ご主人は笑います。

「まだ住むって決めたわけちゃうやん。」

 

「まずは見に行こ。」


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「事故物件」のイメージが変わった瞬間

 

週末・・現地へ到着。

夫婦は少し緊張していました。

 

「思ってたより普通やな。」

 

外観はきれい。庭も手入れされています。

 

事故物件と聞いて勝手に想像していた

雰囲気とはまったく違いました。

 

玄関を開けます。

「どうぞ。」

 

担当者に案内され、中へ入ると…

「えっ!」

 

奥さんが思わず声を上げます。

「めっちゃきれいやん!」

 

広々としたリビング。新品のシステムキッチン。

真新しいフローリング。白を基調にしたクロス。

 

窓から差し込む光で室内はとても明るく見えます。

 

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ご主人は心の中で思いました。

「今まで見た中で、一番ええ。」

 

奥さんも小さくうなずきます。

「家だけ見たら100点やな…。」

 

でも・・

二人とも、まだ聞けていないことがありました。

 

『心理的瑕疵って、一体何があったんやろ。』


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「心理的瑕疵って…何があったんですか?」

 

リビングを一通り見終えたあと、

ご主人が担当者に声を掛けました。

 

「一つ、お聞きしてもいいですか?」

 

「はい、もちろんです。」

 

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「この物件…心理的瑕疵って書いてありましたけど、

何があったんですか?」

 

担当者は少し間を置き、

落ち着いた口調で話し始めました。

 

「前の所有者様が浴室でお亡くなりになりました。」

 

夫婦は静かに耳を傾けます。

 

「病死で、事件性はありません。

 

ご家族が異変に気付き発見されるまで、

およそ10日ほど経過していました。

 

そのため、この物件は心理的瑕疵として

ご説明させていただいております。」

 

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さらに担当者は続けます。

 

「浴室はすべて解体し、新しいユニットバスへ交換しています。

建物の構造や安全性に問題があるわけではありません。

 

ただ、このような経緯を気にされる方もいらっしゃいますので、

私たちは必ず事実をご説明しています。」

 

ご主人は新品のユニットバスをもう一度見ました。

 

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さっきまで気付かなかったことがあります。

「ちゃんと隠さず説明してくれるんや。」

 

その一言だけで、少し安心できた気がしました。


 

「事故物件」って聞いただけで怖がってたんかもしれん

 

家を出たあと、近くの喫茶店へ入りました。

 

注文したコーヒーが運ばれてきても、

しばらく二人とも無言です。

 

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先に口を開いたのは奥さんでした。

「家は、ほんまに良かったな。」

 

「うん。」

 

「今まで見た中で一番好きかも。」

 

ご主人も同じ気持ちでした。

「せやろ?」

「価格も予算内やし。」「ガレージもあるし。」

「リフォームもきれいやった。」

 

でも奥さんは、まだ少し迷っています。

「でもな…。」

 

「やっぱり事故物件って聞くと、ちょっと引っ掛かるねん。」

 

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その言葉に、ご主人は静かに答えました。

「俺も最初はそう思った。」

 

「でも今日ちゃんと話聞いたやん。」

 

「知らんまま買うんやったら怖いけど、何があったか

分かった上で考えるんやったら、また話は違うんちゃう?」

 

奥さんは黙ってコーヒーを一口飲みます。

「確かに…。」

 

「私、事故物件が怖かったんじゃなくて…。」

 

少し笑いながら続けました。

「”事故物件”っていう言葉が怖かっただけなんかもしれん。」

 

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実は「心理的瑕疵あり」でも内容はさまざま

 

ここで少し、

心理的瑕疵について整理しておきましょう。

 

心理的瑕疵とは、建物に雨漏りやシロアリ被害のような

物理的な欠陥があるという意味ではありません。

 

過去に起きた出来事によって、

購入をためらう人がいる可能性がある事項を指します。

 

例えば、

  • 病死
  • 自殺
  • 他殺などの事件
  • 火災による死亡事故

 

など、内容はさまざまです。

 

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そのため、「心理的瑕疵あり」という

言葉だけで判断するのではなく、

 

  • 何があったのか
  • いつ起きたことなのか
  • 建物の状態はどうなのか
  • リフォームは行われているのか

 

こうした点を確認した上で判断することが大切です。

 

事故物件と一言でいっても、

すべてが同じではありません。

 

だからこそ、気になることは遠慮せず担当者へ質問し、

自分自身が納得できるかどうかを大切にしましょう。

 

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「もし、この家を他の人が買ったら…」

 

喫茶店を出て車へ向かう途中。

 

ご主人がふと口にしました。

「もし今日、この家を見に来てなかったら。」

 

「たぶん誰か別の人が買うんやろな。」

 

奥さんは少し立ち止まりました。

 

もう一度、家の外観を見つめます。

「…なんか取られたくない。」

 

その一言を聞いて、ご主人は笑いました。

「ほんなら、答え出てるやん。」

 

奥さんも照れ笑いを浮かべます。

 

「まだ最後に一個だけ確認したいことある。」

 

「将来、この家を売る時ってどうなるんやろ。」

 

その疑問が、夫婦の最後の確認事項でした。

 

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「将来、この家を売る時ってどうなるんですか?」

 

夫婦はもう一度、不動産会社へ戻りました。

「最後に一つだけ教えてください。」

 

奥さんが担当者へ尋ねます。

 

「もし将来、この家を売ることになったら…

やっぱり普通の家より売れにくいんですか?」

 

担当者はうなずきながら答えました。

 

「正直に申し上げると、影響がまったくないとは言えません。」

 

「心理的瑕疵がある物件は、一般的な物件と比べると

購入をためらう方もいらっしゃいます。」

 

「ただ、それだけで売れないというわけではありません。」

 

担当者は続けます。

 

「今回のように価格設定が適正で、

建物の状態が良く、立地条件も良ければ

購入を希望される方は十分いらっしゃいます。」

 

「大切なのは、事実をきちんと伝えたうえで、

ご納得いただける方へお譲りすることです。」

 

その言葉を聞いて、

奥さんの表情が少し柔らかくなりました。

 

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「私、この家に住みたい。」

 

帰り道。

 

夫婦はもう一度、その家の前へ立ち寄りました。

 

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夕日に照らされた外観を見ながら、

奥さんがぽつりと話し始めます。

 

「最初は”事故物件”っていう言葉だけで怖いと思ってた。」

 

「でも今日、一つひとつ説明を聞いて、自分で見て、

自分で考えられた。」

 

「何も知らずに買うのは不安やけど、ちゃんと知った上で

選ぶんやったら、それは自分たちの判断やもんね。」

 

ご主人は笑顔でうなずきます。

 

「俺もそう思う。」

 

「家って、値段だけでも、見た目だけでも決められへん。」

 

「最後は、自分たちが納得できるかどうかやな。」

 

奥さんは家を見上げながら、小さく笑いました。

「私、この家に住みたい。」

 

その一言で、ご主人も笑顔になりました。

 

「よし。」

「この家に決めよか。」

 

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あれから一年。

 

季節はまた春になりました。

 

休日の朝。

ご主人はガレージで洗車をしています。

 

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リビングでは奥さんがコーヒーを淹れています。

 

窓から差し込む朝日。静かな住宅街。

 

聞こえてくるのは子どもたちの笑い声。

「あの時、この家を見に行って良かったな。」

 

ご主人がそう言うと、

奥さんは笑いながら答えました。

 

「うん。」

 

「最初は不安もあったけど、

ちゃんと自分たちで考えて決めた家やもん。」

 

「今では、この家が一番落ち着く場所になったわ。」

 

事故物件という言葉だけで諦めていたら、

この暮らしはありませんでした。

 

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事故物件だからではなく、「内容」を知ることが大切です

 

事故物件という言葉には、

どうしてもマイナスなイメージがあります。

 

しかし、実際には物件ごとに事情は異なります。

 

病死によるものなのか、事故なのか、

それとも事件性があるのか。

 

また、リフォームの状況や建物の状態、立地条件、

価格とのバランスなど、判断材料は一つではありません。

 

今回の夫婦のように、「事故物件だからやめる」と

決めるのではなく、「何があったのか」「現在の状態はどうなのか」

を確認し、自分たちが納得できるかどうかで判断することが大切です。

 

住まい選びに正解はありません。

 

だからこそ、大切なのは誰かの価値観ではなく、

ご自身やご家族が安心して暮らせると思える

選択をすることです。

 

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気になる物件があれば、まずは事実を確認しましょう

 

「価格が安いから不安。」

 

「心理的瑕疵って書いてあるけど、

実際はどうなんだろう。」

 

そんな時は、一人で悩まず、

不動産会社へ率直に質問してみてください。

 

事故物件は、内容によって評価も大きく異なります。

 

気になる点を一つずつ確認し、ご自身やご家族が納得したうえで

住まい選びを進めることが、後悔しないマイホーム購入につながります。

 

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不動産売買等でのよくある質問

 

Q1. 病死でも事故物件(心理的瑕疵物件)になりますか?

 

状況によっては、買主へ説明が必要となるケースがあります。

 

亡くなられた経緯や発見までの期間など、

個別の事情によって判断されるため、

気になる場合は不動産会社へ確認しましょう。


Q2. 事故物件でも住宅ローンは利用できますか?

 

多くの場合、住宅ローンの利用は可能です。

 

ただし、金融機関ごとに審査基準が異なるため、

事前に相談しておくと安心です。


Q3. 将来売却するときに価格は下がりますか?

 

心理的瑕疵の内容や市場環境によって影響を受けることがあります。

 

ただし、立地や建物の状態、価格設定など総合的な条件に

よって購入希望者が見つかるケースも少なくありません。


Q4. 心理的瑕疵とは何ですか?

 

建物の雨漏りやシロアリ被害などの物理的な欠陥ではなく、

過去に起きた出来事によって購入をためらう方がいる

可能性のある事項を指します。

 

内容は物件によって異なるため、

事実を確認することが大切です。


Q5. 事故物件は購入しない方がいいのでしょうか?

 

一概には言えません。

 

事故物件にもさまざまなケースがあり、価格や立地、建物の状態、

心理的瑕疵の内容などを総合的に判断することが重要です。

 

ご自身やご家族が十分に説明を受け、納得したうえで

判断することが後悔しない住まい選びにつながります。

 

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筆者松本 親幸
  • 不動産キャリア29年
  • 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
個人的には今までの不動産業経歴において1,500件超のお取引に関わっております。
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若い時にはリフォームの仕事も経験済。
売主様には査定時に買取価格を算出します!

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