「手撒き」は時代遅れ?それでも私が不動産営業の原点だと思う理由

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私が不動産仲介会社に勤めていた頃、

営業の基本中の基本が「手撒き」でした。

 

今の若い営業マンに「手撒きって知ってる?」

と聞いたら、首をかしげる人もいるかもしれません。

 

手撒きとは、一軒一軒のポストへ

売却募集のチラシを投函していく営業活動です。

 

野球で言えば素振り。

サッカーならリフティング。

 

どんな仕事にも基礎がありますが、

不動産営業では、この「手撒き」がまさに基礎でした。

 

朝会社へ行くと、チラシを輪転機で刷ります。

 

「今日は300枚。」

「今日は500枚。」

 

夏は汗だく、冬は手がかじかみながら、

とにかく歩く。

 

歩いて、歩いて、また歩く。

 

今思えば、よくあれだけ毎日歩いていたものです。


高級住宅街ほど営業マン泣かせ

 

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意外かもしれませんが、

一番しんどかったのは高級住宅街でした。

 

一軒配る。

 

次の家まで数十メートル。

 

また一軒。

また歩く。

 

マンションなら一棟で何十枚も配れるのに、

高級住宅街では300枚配るだけで

一日が終わりそうになることもありました。

 

営業というより、ウォーキング大会です。

 

「今日は営業したんか、散歩したんか分からんな。」

 

そんな日もありました。


ノルマがあると、人はいろいろ考える

 

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当時は「今日は何枚配ったか」が

評価になる会社もありました。

 

だから人はいろいろ考えます。

 

賃貸マンションへまとめて配る人。

効率よく枚数を稼ぐ人。

 

中には車のトランクにチラシを

積みっぱなしにしている社員もいました。

 

もちろん褒められることではありません。

 

でも、毎日何百枚配っても電話一本鳴らない日が続けば、

心が折れそうになる気持ちも今なら分かります。


ゴミだったチラシが宝物になる瞬間

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一番面白いのは、受け取る側の心理です。

 

家を売る予定がない人にとって、

不動産会社のチラシはほとんどゴミです。

 

ポストから取って、そのままゴミ箱。

 

ところが、家族で「そろそろ売ろうか」と話が出た瞬間、

それまで見向きもしなかったチラシが急に気になります。

 

「この地域でお探しのお客様がいます。」

 

「〇〇小学校区限定で探されています。」

 

そんな文言を見ると、

「一回聞いてみようかな。」

となるわけです。

 

もちろん、チラシの表現や営業方法は

会社ごとに異なりますが、人は必要になった瞬間に初めて

広告を見るという心理は、昔も今も変わりません。


時代は変わっても、営業の本質は変わらない

 

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今では営業マン自身が

手撒きをする会社は少なくなりました。

 

多くはポスティング会社へ依頼し、集

客の中心はホームページやSNS、

インターネット広告へ移っています。

 

それでも私の自宅近くで

営業マンらしい人が配っている姿を見ると

 

「あぁ、まだ頑張ってる会社があるんや。」

そう思うことがあります。

 

ただ、今の時代はチラシ一枚で

会社を決める人は少ないでしょう。

 

まずホームページを見て、

口コミを調べ、何社か比較する。

 

時代は確実に変わりました。


手撒きは営業マンを育てる「素振り」だった

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効率だけを考えれば、

手撒きは決して優れた営業方法ではありません。

 

それでも私は、

この経験を無駄だったとは思っていません。

 

何百枚配っても反響ゼロ。

 

翌日もまた歩く。

またゼロ。

 

それでも歩く。

 

その繰り返しの中で、

忍耐力を覚え、辛抱強さを身につけました。

 

一本の問い合わせが入った時の喜びは、

今でも忘れられません。

 

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野球で言えば素振り。

 

派手ではない。

でも、素振りをしなければホームランは打てません。

 

手撒きも同じです。

 

営業マンを育てるための

基礎練習だったのだと思います。

 

そして独立した今、

その頃を振り返ると一つだけ後悔があります。

 

歩き回る生活の積み重ねもあってか、

後に痔の手術を受けることになりました。

 

営業力は鍛えられましたが、

お尻まで鍛えられる必要はありませんでした(笑)。

 

今となっては、それも笑って話せる

不動産営業時代の思い出です。

 

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よくある質問(Q&A)

 

Q. 手撒き(ポスティング)は

今でも行われているのですか?

 

はい。以前に比べると営業マン自身が配るケースは

減りましたが、現在でもポスティング会社へ委託して

チラシを配布している不動産会社は多くあります。

 

地域密着型の会社では、今でも重要な集客方法の一つです。

 

Q. 「この地域でお探しのお客様がいます」というチラシは本当ですか?

 

会社によって営業手法は異なります。

 

実際に購入希望者がいるケースもあれば、

地域への関心を持ってもらうための

定型的な表現として使われる場合もあります。

 

気になる場合は、そのまま鵜呑みにするのではなく、

「どのようなお客様なのか」

「どのような販売方法なのか」を確認すると安心です。

 

Q. チラシだけで不動産会社を選んでも大丈夫ですか?

 

チラシは会社を知るきっかけの一つです。

 

しかし、実際に売却を依頼する際は、査定額だけで判断せず、

販売実績や担当者の対応、口コミなども含めて

比較することをおすすめします。

 

Q. 手撒きは本当に反響があるのですか?

 

あります。

 

ただし、多くの人は家を売ろうと思っていない

タイミングではチラシを見ません。

 

逆に売却を考え始めた瞬間、それまで気にも留めなかった

チラシが役立つ情報へ変わることがあります。

 

これは今も昔も変わらない消費者心理と言えるでしょう。

 

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編集後記

 

昔は毎日のようにチラシを抱えて町を歩いていました。

 

当時は「こんなことに意味があるのかな」と思う日も

ありましたが、今振り返ると、営業マンとしてだけでなく、

一人の社会人として成長できた時間だったように感じます。

 

営業方法は時代とともに変わります。

 

これからはAIやインターネットが

ますます中心になっていくでしょう。

 

それでも、お客様と誠実に向き合い、

信頼を積み重ねることだけは昔も今も変わりません。

 

そして、私にとって「手撒き」は、

その原点を教えてくれた忘れられない経験です。

 

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筆者松本 親幸
  • 不動産キャリア29年
  • 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
個人的には今までの不動産業経歴において1,500件超のお取引に関わっております。
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若い時にはリフォームの仕事も経験済。
売主様には査定時に買取価格を算出します!

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