『ここ住みた~い!を連発する子供たち。売主さんニコニコ・・居住中の家を売却するときの「内覧あるある」』

 

 

中古一戸建てを住みながら売却する場合、

避けて通れないのが「内覧」です。

 

知らない人が自分の家へやって来て、リビングを見て、

キッチンを見て、2階へ上がって、収納を見て……。

 

売主さんにとっては、結構気を使うものです。

 

ましてや、なかなか内覧が入らない物件ならなおさら。

 

今回は大阪市内にあった、

築35年ほどの一戸建てのお話。

 

売りに出して半年。なんと内覧客は――

たった1組でした。


半年間待ち続けた「内覧入ります!」の電話

 

 

売主さんは年配の女性。

 

この家を売却したあとは、

娘さん夫婦と一緒に暮らすことも決まっていました。

 

価格も決して高く設定しているわけではありません。

 

ところが、なぜか問い合わせが少ない。

1か月……。2か月……。3か月……。

半年経って、内覧1回。

 

これは売主さんも寂しい。

 

そんなある日、仲介会社から電話が入ります。

「今度の日曜日、ご家族4人で

内覧したいというお客様がおられます」

 

来た!

 

しかも幼稚園児と小学3年生くらいの

お子さんがいる4人家族。

 

売主さんにとっては、お孫さんと同じくらいの年齢です。

 

「そうなん!子供さんも来るの!」

 

もう嬉しくなってしまいました。

 

前日から掃除機をかける。

 

玄関を片付ける。

余計なものを押入れへ放り込む。

 

普段なら「まあええか」と

思うところまで一生懸命掃除します。

 

ひょっとしたら、

この家を買ってくれる家族かもしれない。

 

半年間待った売主さんですから、期待するのも当然です。

 


「子供さんも、ゆっくり見てね~」

 

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そして内覧当日。

 

ご夫婦と子供2人がやって来ました。

 

玄関を入った瞬間から子供たちは元気いっぱい。

ダダダダダッ!

「こら!走ったらあかんよ!」

 

お母さんが注意します。

 

ところが売主さん。

「ええよ、ええよ(笑)。子供さんもゆっくり見てね~」

……。

 

後になって考えれば、

 

この「ゆっくり見てね」が

余計やったかもしれません(笑)。

 

子供たちは1階を見て、階段を駆け上がって2階へ。

 

そして、

「ママ~!ここ住みた~い!」出ました。

 

子供の必殺技です。

 

売主さん、ニコニコ。

「そうか~、気に入ってくれたん(笑)」

 

しばらくすると、また、「ここ住みた~い!」

売主さん、またニコニコ。

 

そりゃ期待しますよ。

半年間でたった1組の内覧客。

 

しかも子供が何回も、「ここ住みたい!」

と言ってくれる。

 

心の中では、「もしかして……決まるんちゃう?」

となってきます。


ところが子供たち、だんだんエンジン全開

 

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最初は微笑ましく見ていた売主さん。

 

しかし子供のテンションは上がる一方です。

 

部屋から部屋へ走る。畳に寝転がる。

あっちを触る。こっちを触る。そして和室へ。

 

ビリッ!

 

……。

 

障子が破れました。

 

お母さんは平謝り。

 

売主さんも、「まあまあ、子供さんやから……」

半年待った内覧客です。

 

しかもさっきから、「ここ住みた~い!」

を連発している。

 

障子くらいなら……。そう思ったのでしょう。

 

ところが次は洋室です。

 

実はその部屋。

壁にちょっとした穴がありました。

売主さんは、その上からポスターを貼っていました。

 

 

すると子供が、「これ何?」

 

ペラッ。

 

「あっ!ここ穴あいてる~!」

……。

 

売主さん心の声。

 

そこは発見せんでええねん。(笑)。

 

ちなみに売却する家の不具合をポスターで

隠してはいけませんので、

売主さんにも一応ツッコんでおきます。

 


それでも「ここ住みた~い!」

 

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障子は破られた。

 

隠していた穴まで発見された。

 

家の中は子供たちの運動場状態。

それでも売主さんは怒りませんでした。

 

なぜなら最後まで、「ここ住みた~い!」

と言ってくれていたから。

 

買ってくれるなら嬉しい。

 

この家にも、また小さな子供たちが住んでくれる。

自分は娘夫婦の家へ行く。

 

何となく、いい引き継ぎになるような

気さえしていたのかもしれません。

 

そして家族4人は帰っていきました。


「昨日のお客さん、どうでした?」

 

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翌日。

 

売主さんは気になります。

 

仲介会社へ聞きました。

「昨日のご家族、どうやった?」

 

返ってきた答えは――。

「まだ家を探し始めたところみたいです」

「うん……」

 

「今回はいろんな家を見ている段階で、

まだ決める感じではありませんね」

 

つまり、見るだけ。……。えっ!?

 

あれだけ、

「ここ住みた~い!」「ここ住みた~い!」

「ここ住みた~い!」言うとったやないか~い!

 

しかも、障子一枚破って帰っとるがな!(笑)

 


翌朝、売主さんは散歩へ行かなかった

 

 

でも売主さんには、これが結構こたえたようです。

 

半年待った。

 

やっと内覧が入った。

前日から一生懸命掃除した。

 

子供たちが来るのを楽しみにしていた。

障子を破られても我慢した。

 

それでも「ここ住みたい」と言ってくれるのが嬉しかった。

 

ところが――見るだけだった。

 

いつも朝になると散歩へ出掛けていた売主さん。

その翌朝は、散歩を休んだそうです。

 

障子一枚が原因ではないと思います。

 

半年間、家を売り続けてきた疲れ。

内覧が入らない寂しさ。

今回こそ売れるかもしれないという期待。

 

それが一気に切れてしまったのでしょう。


「もう3年以内でええで。値段も任せるわ」

 

 

その後、売主さんはこの家を空き家にして、

娘さん夫婦のところへ移りました。

 

しばらくゆっくりすることに。

 

家の売却については娘婿さんへ任せました。

 

そして最後に言ったのが、

「もう3年以内でええで、売るのは……」

 

さらに、「値段も任せるわ」

あれほど内覧客を楽しみにしていた売主さんが、です。

 

家を売るというのは、

金額や条件だけの話ではありません。

 

特に居住中の家を売却する場合、

知らない人を何度も自宅へ入れること自体が

売主さんの負担になることがあります。

 


居住中の家を内覧するとき、ちょっとだけ売主さんのことも考えて

 

 

中古住宅の内覧では、

当然ながらじっくり家を見るべきです。

 

収納も確認したい。部屋の広さも確認したい。

家族で話しながら見たい。

 

子供が喜んで走り回りたくなることもあるでしょう。

 

でもモデルハウスと違って、

居住中物件にはまだそこで生活している人がいます。

 

子供が走り回りそうなら少し注意する。

勝手に物を触らせない。

 

そして、障子は破らない(笑)。

 

これだけでも売主さんの気持ちはずいぶん違います。

 

逆に売主さんも、

壁の穴をポスターで隠すのはやめましょう。

 

子供は妙なところを見つけますから(笑)。

 


よくある質問

 

 

Q.居住中でも家は売却できますか?

 

もちろんできます。

中古一戸建てでは、売主さんが住みながら

売りに出している物件も珍しくありません。

 

Q.内覧前は家中を完璧に片付けないとダメ?

 

完璧である必要はありませんが、玄関やリビング、

水回りなどを整理しておくと印象は良くなります。

 

Q.子供連れで内覧しても大丈夫?

 

もちろん大丈夫です。ただし居住中なら、

まだ「誰かのお家」です。走り回ったり、

物を傷つけたりしないよう親御さんが見てあげてください。

 

筆者の独り言

 

 

不動産営業をしていると、内覧中に子供から、

 

「ここ住みた~い!」が出ると、

「おっ!」と思うものです。

 

今回なんて何回も出ました。

 

売主さんもニコニコ。

これは期待するでしょう。

 

でも忘れてはいけません。

 

家を買うかどうかを最終的に決めるのは、

お父さんとお母さんです。

 

子供の「ここ住みた~い!」。威力はあります。

 

ただし今回――

障子を破る威力の方が強かったようです(笑)。

 

筆者松本 親幸
  • 不動産キャリア29年
  • 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
  • 宅地建物取引士
個人的には今までの不動産業経歴において1,500件超のお取引に関わっております。
どんな物件買取もお任せ下さい!

若い時にはリフォームの仕事も経験済。
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