『その家、売る気あります?買う気あります?』 ~不動産屋が現場で見た、売主さんと買主さんのすれ違い物語~
不動産の仕事をしていると、毎日がドラマです。
契約書を書いて終わり。
鍵を渡して終わり。
そんな単純な仕事ではありません。
特に仲介会社に勤めていた頃は、
居住中の住宅の案内を山ほど経験しました。
大阪市旭区、城東区、都島区、東成区、生野区、西成区。
東大阪市や尼崎市、四條畷市まで。
振り返ると、「そんなことある?」
という出来事ばかりです。
現在は買取再販が中心ですが、仲介時代に経験した
数々の内覧エピソードは今でも忘れられません。
今回はそんな現場で実際によくあった、
売主さんと買主さんのすれ違い
についてお話ししたいと思います。
売主さんにとって内覧日は運動会
居住中の住宅を売却される方にとって、
内覧の日は一大イベントです。
特に奥様。
朝から大忙しです。
普段以上に掃除をする。
窓を拭く。
トイレを磨く。
玄関を掃除する。
ソファのクッションまで整える。
中には前日から気合いを入れる方もいます。
一方、ご主人。
ソファに座ってテレビ。
奥様に怒られる。
これは大阪でも尼崎でも東大阪でも同じです。
「アンタも手伝ってや!」
という声が聞こえてきそうです。
しかし売主さんの気持ちはよく分かります。
人生で何回も家を売るわけではありません。
少しでも良く見てもらいたい。
少しでも高く売りたい。
当然の気持ちです。
そして始まる「3分内覧事件」
そして当日。
買主さん到着。
玄関。リビング。キッチン。
終了。
「ありがとうございました。」
滞在時間3分。
いや、本当にあるんです。
売主さんもビックリ。
私もビックリ。
買主さんだけ普通。
案内後。
電話が鳴る。
「買う気ない人は連れてこんといてくださいよ。」
仲介営業経験者なら
一度は言われたことがあるのではないでしょうか。
しかし営業マンも好きで
連れて来ているわけではありません。
事前に資料を見て、住宅ローンも確認して、
真剣に検討している方です。
ただ現地を見て、「思っていたのと違う」
という結論が3分で出ただけなのです。
買主さんも意外と真剣
ここで誤解してはいけません。
3分で帰る人も本気です。
むしろ真剣だからこそ早い。
例えば、前面道路。
写真では広く見えた。
実際は狭かった。
日当たり。明るそうだった。
実際は暗かった。
近所の雰囲気。
思っていた感じと違った。
こうしたことは現地でしか分かりません。
だから買主さんも決して冷やかしではないのです。
売主さんも負けていない
しかし逆に、「売る気あります?」
と言いたくなる売主さんもいます。
ある日のこと。
大阪市旭区の住宅へお客様をご案内しました。
事前連絡済み。日時も確認済み。
当然準備万端だと思っていました。
ところが玄関を開けると・・・
靴。
靴。
靴。
靴。
靴。
まるで靴屋さん。
子供の靴。
お父さんの靴。
お母さんの靴。
長靴。
サンダル。
運動靴。
全部集合。
お客様も固まる。私も固まる。
売主さんだけ普通。
「どうぞどうぞ。」
いや、まず足の置き場を探さなあかんのです。
浴槽満タン事件
さらに衝撃だったのが浴室です。
浴室を見ようとしてドアを開ける。
すると・・・
浴槽にお湯満タン。
しかも湯気付き。
どうやら直前まで入浴していたようです。
私は思いました。
「売る気あります?」
もちろん生活感があるのは悪いことではありません。
居住中ですから。
しかし内覧30分前に入浴しなくても・・・
という気持ちはあります。
買主さんもなかなか読めない
仲介時代に学んだことがあります。
それは、買う人ほど分からない。
ということです。
質問100個。
メモびっしり。
住宅ローン相談。
学校区確認。
リフォーム相談。
近隣調査。
営業マン。
「これは決まる。」
結果。
買わない。

逆に。
無口。
質問なし。
10分で終了。
翌日。申し込み。
本当に分かりません。
家を見に来たのか近所を見に来たのか
実は買主さんが
一番見ているのは家ではありません。
近所です。
「隣の人どんな人ですか?」
「自治会あります?」
「ゴミの日は?」
「小学校まで遠いですか?」
「この辺って洪水あります?」
家の中10分。
近所散歩40分。
そんな方もいます。
特に旭区や城東区。
東大阪市や四條畷市ではよくありました。
不動産営業マンが怖い言葉ランキング
仲介営業には恐怖の言葉があります。
第5位
「ちょっと考えます」
第4位
「他も見てみたいので」
第3位
「親に相談します」
第2位
「主人が帰ってから決めます」
そして堂々の第1位。
「また連絡します」
営業マンの心の声。
「終わったか・・・。」
しかし不思議なことに、
こういう方が翌日申し込むこともあります。
だから最後まで分からない。
売主さんも不安
実は売主さんも不安です。
本当に売れるのか。
安くないか。
もっと高く売れるのではないか。
買主さんも不安です。
ローンは大丈夫か。
失敗しないか。
近所は大丈夫か。
営業マンも不安です。
契約まで行くのか。
白紙にならないか。
住宅ローンは通るのか。
つまり、
全員不安なのです。
だから面白い
売主さんは高く売りたい。
買主さんは失敗したくない。
営業マンは無事に契約してほしい。
みんな真面目。
みんな本気。
だから時々すれ違う。
そして時々笑い話になる。
仲介会社時代は本当にこんな話が山ほどありました。
今は買取再販が中心ですが、
あの頃の経験が今でも仕事に活きています。
不動産売買とは建物の取引ではありません。
人と人との物語です。
今日もどこかで営業マンは思っています。
「その家、売る気あります?」
そして次の瞬間。
「その家、買う気あります?」
Q&Aコーナー
Q1. 内覧前はどこまで掃除したらいいですか?
A. 完璧である必要はありません。
玄関、水回り、リビングを中心に
整理整頓するだけでも印象は大きく変わります。
Q2. 内覧時間が短いと購入の可能性は低いですか?
A. 必ずしもそうではありません。
10分以内で申し込みになるケースもあります。
時間よりも内容が重要です。
Q3. 買主さんはどこを見ていますか?
A. 建物だけでなく、周辺環境、道路状況、
学校区、買い物施設なども重視しています。
Q4. 生活感がある家は売れませんか?
A. そんなことはありません。
居住中の家は生活感があって当然です。
ただし整理整頓は大切です。
Q5. 仲介時代、一番多かった売主さんのセリフは何ですか?
A. 間違いなくこれです。
「買う気ない人は連れてこんといて。」
営業マンも毎回、本気で案内しているんですけどね(笑)
Q6. 一番印象に残っている内覧は?
A. 靴だらけの玄関や浴槽満タン事件など色々ありますが、
実際の現場では予想を超える出来事が日常的に起こります。
Q7. 不動産売買で一番大切なことは?
A. 結局はご縁です。
売主さん、買主さん、そして不動産会社が
誠実に向き合うことで良い取引につながります。
不動産売買には契約書には
書かれていない人間ドラマがあります。
だからこそ、
この仕事は難しくて面白いのかもしれません。🏠✨
- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
どんな物件買取もお任せ下さい!
若い時にはリフォームの仕事も経験済。
売主様には査定時に買取価格を算出します!
家の買取や売却のご依頼・ご相談は
ワンちゃんと古い家が大好きな白髪交じりの私・松本が全てご対応いたします!
