『外国人は日本で家を買えた。でも税金は誰がどう払う?【前編】~現場で見えてきた”納税管理人”という盲点~
近年、日本の不動産を購入する外国人は年々増えています。
大阪でも、投資用マンションだけでなく、自宅として
戸建てやマンションを購入するケースも珍しくありません。
日本では外国籍であることを理由に
不動産の購入が制限されることは基本的になく、
海外に住みながら日本の不動産を所有することも可能です。
そのため、売買契約や所有権移転登記が終われば、
一連の手続きは完了したように感じるかもしれません。
しかし、不動産会社の現場では「契約が終わったあと」
に初めて見えてくる課題があります。
それは、「税金の通知は、誰が受け取るのか。」
という、とてもシンプルですが重要な問題です。
外国人でも日本の不動産は購入できる
外国人のお客様からよくいただく質問の一つが、
「日本に住んでいなくても家は買えますか?」
というものです。
答えは「はい」です。
海外に住みながら日本の不動産を所有することは可能ですし、
実際に中国本土や台湾をはじめ、
多くの国や地域のお客様が日本で不動産を取得しています。
しかし、不動産を取得すると、
所有者にはさまざまな税金や行政手続きが発生します。
例えば、不動産を取得した際に課税される不動産取得税。
そして、所有している間は
毎年固定資産税・都市計画税が課税されます。
ここまでは、多くの方がご存じかもしれません。
ところが、「その通知書を誰が受け取るのか」という点まで
理解されているケースは決して多くありません。
「納税管理人」という制度をご存じですか?
海外に住みながら日本の不動産を所有する場合、
日本国内に住所等を有する人を
納税管理人として届け出ることがあります。
納税管理人は、行政から送られてくる
税金に関する書類を受け取り、納税手続きが
円滑に進むようにするための窓口です。
ここで誤解されやすいのですが、
納税管理人は税金を代わりに負担する人ではありません。
あくまでも、行政との連絡役としての役割を担います。
この制度自体は以前からありますが、
海外在住の購入者にとってはもちろん、
日本人であってもあまり耳にする機会はありません。
そのため、契約が終わってから
初めて制度を知るというケースも少なくないのです。
固定資産税と不動産取得税は、実は窓口が違います
ここで、もう一つ知っておきたいポイントがあります。
不動産を取得したあとに
関係する税金は、一つではありません。
例えば大阪府内では、不動産を取得した際に課税される
不動産取得税は大阪府(府税事務所)が担当します。
一方で、毎年課税される固定資産税・都市計画税は、
市町村(市役所や市税事務所)が担当しています。
つまり、同じ「不動産に関する税金」でも、
担当する行政機関が異なるのです。
一般の方にとってはもちろん、海外のお客様にとっては
さらに分かりにくい仕組みといえるでしょう。
「契約が終われば終わり」ではない時代へ
不動産会社の仕事は、
契約を締結し、物件を引き渡せば終わり。
そう思われることもあります。
しかし、海外のお客様との取引では、
その後の税務手続きや行政手続きまで見据えた
サポートが求められる場面も少なくありません。
特に、日本の制度を初めて知る方にとっては、
「納税管理人」という言葉自体が初耳ということもあります。
だからこそ、不動産を購入する前の段階から、
購入後に必要となる手続きについて丁寧に説明することも、
これからの不動産会社に求められる役割の一つではないでしょうか。
次回予告|制度はあっても、それだけでは解決しない現実
納税管理人制度は、海外在住者が
日本で不動産を所有する際に重要な仕組みです。
しかし、実際の現場では**「制度がある」だけでは
解決できない課題**も見えてきます。
実際に自治体へ問い合わせた際に分かったこと、
海外へ送られる納税通知書の実情、そして
外国人のお客様が直面しやすい「見えない壁」とは何なのか。
後編では、不動産会社だからこそ気付いた
現場の課題について、実務経験を交えながら
詳しくご紹介します。
- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
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