『大阪で40代以下の世帯が増えている町はどこ?若者が集まる中心部と、子育て家族が選ぶ町は全然違った!』
「大阪で若い世帯が増えている町はどこですか?」
こう聞かれたら、
皆さんはどこを思い浮かべるでしょう。
梅田に近い北区、タワーマンションが増えた中央区、
若い家族に人気の吹田市。
それとも北大阪急行が延伸した箕面市でしょうか。
ところが、「若い世帯」とひとまとめにすると、
少し話がおかしくなります。
20代の一人暮らし、30代の共働き夫婦、
小学生の子どもがいる40代夫婦では、
選ぶ町も必要な家の広さも、出せる住宅価格も違うからです。
今回は、世帯主が40代以下の世帯に注目しながら、
大阪で若い人が集まる町と、
若い家族が定着する町の違いを考えてみます。
まず知っておきたい「最新ランキング」の落とし穴

国勢調査では、市区町村ごとに
世帯主の年齢を5歳刻みで調べられます。
しかし、2025年国勢調査は、
現時点では人口と世帯総数の速報が中心で、
世帯主の詳しい年齢別結果はまだ公表されていません。
そのため、「2025年に40代以下の世帯が増えた町ベスト10」と
断定することはできません。
そこで今回は、2020年国勢調査の世帯主年齢データを土台に、
2025年の人口増減、近年の転入傾向、出生率、
鉄道や住宅開発の動きを重ねて見ていきます。
中央区・北区・浪速区――若者は増えるが、家族とは限らない

大阪市中心部には、20代から40代の世帯が
集まりやすい条件がそろっています。
職場へ近い。電車が便利。飲食店や買い物にも困らない。
そして、ワンルームから2LDK程度の賃貸マンションが豊富です。
中央区や北区では、若い単身者だけでなく、
子どもを持つ前の共働き夫婦も増えています。
浪速区は難波へ近く、比較的コンパクトな賃貸住宅が多いため、
若い単身世帯や外国人世帯も入りやすい地域です。
ただし、「40代以下の世帯が増えている」ことと、
「子育て世帯が増えている」ことは同じではありません。
1LDKに住む30歳の一人暮らしも、
3LDKに住む夫婦と子ども二人も、統計上は同じ一世帯。
単身、夫婦、子育て世帯まで分けなければ、
本当の姿は分かりません。
福島区・西区――便利さを諦めたくない共働き夫婦

結婚しても大阪市内から離れたくない。
夫婦とも通勤時間を短くしたい。
休日は徒歩や自転車で買い物や食事へ行きたい。
そんな30代から40代の共働き世帯に選ばれやすいのが、
福島区や西区です。
ただし、便利な分だけマンション価格は高い。
若い世帯なら誰でも住める町ではなく、夫婦二人の収入を
前提に住宅ローンを組める世帯が中心になります。
大阪市の2024年出生率を見ると、
中央区が24区で最も高く、福島区が2番目でした。
単純に「子育てしやすさランキング」とは言えませんが、
中心部に若い成人層や子どもを持つ世帯が
集まっている一つの表れでしょう。大阪市「大阪市の出生」
城東区・鶴見区――大阪市内で家族向けの広さを探す

「北区や福島区は高過ぎる。
けど大阪市内からは出たくない」
そこで候補になるのが城東区や鶴見区です。
大阪都心部へ通勤しやすく、中心部より戸建てや
ファミリー向けマンションを探しやすい。
鶴見緑地のような大きな公園もあり、
東大阪市や守口市に実家がある人にも便利です。
2024年の出生率は、鶴見区が大阪市平均を上回り、
城東区も比較的高い水準でした。
もちろん出生率だけで町の価値は決まりませんが、
子どものいる世帯が暮らす姿を想像しやすい地域です。
ただし、城東区も鶴見区も、すでに
「大阪市内では手頃」と簡単に言えない価格になりました。
若い世帯が集まって価格が上がったのか。
価格が上がった結果、
共働きで返済能力のある若い世帯だけが残ったのか。
これは鶏が先か卵が先かのような話です。
吹田市・茨木市――子育て世帯が現実的に選びやすい北摂

大阪府全体では人口減少が続いています。
それでも2025年国勢調査の速報では、
吹田市は2020年から約8,900人増加し、
大阪市を除く府内市町村で増加数が最多でした。
吹田市の強みは、江坂のような都会的な町と、
千里山・山田・南千里などの住宅地が同じ市内にあることです。
独身時代、結婚、出産と生活が変わっても、
市内で住み替えられます。
一方の茨木市は、JRと阪急が使え、
大阪方面にも京都方面にも動きやすい。
駅前マンションから少し離れた戸建てまで選択肢があり、
吹田市より価格を抑えられる物件が見つかる場合もあります。
「北摂に住みたい。でも吹田の希望エリアは高い」
そんな若い家族が茨木市へ目を向ける流れは、
不動産の現場でも理解しやすいものです。
箕面市――電車が延びたら、若い世帯もやって来た

箕面市は、2020年から2025年の人口増加率が2.72%。
大阪府内でも高い伸びでした。
大きな理由の一つが、2024年3月の北大阪急行延伸です。
箕面船場阪大前駅と箕面萱野駅が誕生し、
新大阪・梅田・本町・難波方面へ乗り換えなしで
移動できるようになりました。
これまで「環境はええけど、車がないと不便」と
思われていた地域に、鉄道という強い武器が加わったのです。
ただし、新築マンションや新しい戸建ては
決して安くありません。
箕面市へ集まるのは、若い世帯の中でも、ある程度の
世帯年収や自己資金を持つ層になりやすいでしょう。
若い世帯は町を選んでいるのか、価格に選ばれているのか

若い単身者は中央区や浪速区へ。
共働き夫婦は福島区や西区へ。
大阪市内で広さを求める家族は城東区や鶴見区へ。
さらに住環境を重視する世帯は吹田市、茨木市、箕面市へ。
こう見ると、皆が自分の好きな町を
自由に選んでいるように思えます。
しかし実際には、通勤先、子どもの人数、実家との距離、
住宅ローンの借入可能額によって、
住める町を振り分けられている面もあります。
「人気の町だから買う」のではなく、
自分たちが無理なく暮らせる町の中から選ぶ。
それが一番現実的です。
若い世帯が集まる理由は、
おしゃれな店や新駅だけではありません。
結局は、通勤時間、住宅の広さ、価格。
この三つのバランスです。
よくあるご質問

Q1.40代以下の世帯が最も増えている町はどこですか?
2025年国勢調査の世帯主年齢別結果が
まだ公表されていないため、最新の正確な順位は出せません。
現時点では、2020年の年齢別世帯データに、
2025年の人口増減や近年の転入・出生の動きを
重ねて判断する必要があります。
Q2.人口が増えていれば、子育て世帯も増えていますか?
必ずしもそうではありません。
若い単身者や外国人世帯の転入、
新築ワンルームの増加でも人口と世帯数は増えます。
15歳未満人口、出生数、世帯構成なども
併せて見る必要があります。
Q3.若い家族が家を買うなら、人気地域を選ぶべきですか?
人気だけで決める必要はありません。
共働きを続けやすい通勤時間、必要な間取り、実家の援助を
受けやすい距離、無理のない返済額を優先してください。
人気地域でも、住宅ローンに追われて
生活が苦しくなれば本末転倒です。
筆者のひとり言

不動産価格が上がった今、若い世帯の町選びは、
昔より難しくなりました。
けれど、都心の新しいマンションだけが正解ではありません。
少し駅から離れる、築年数を広げる、中古戸建ても見る。
それだけで選択肢は変わります。
若い世帯が集まる町を調べることは大切です。
しかし最後に住む家を決めるのは、
ランキングではなく、その家族の暮らし方です。
- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
- 宅地建物取引士
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