『昭和40年代の中古マンションは30年後どうなる?建て替え・資産価値・修繕費の未来を本気で予想したらこうなった!?【第2巻】』
【フォローウィンドコーポレーション 不動産未来予想シリーズその②】
~建て替えは夢か現実か?マンション最大の壁は「建物」ではなく「人」だった~
前回、第1巻では「昭和40年代の中古マンションが
一斉に築80年時代へ向かう」というお話をしました。
そして私が一番気になるのは、
コンクリートの寿命ではなく、マンションを
支える人たちの高齢化だということもお伝えしました。
今回は、その続きをお話ししましょう。
大阪で30年近く中古マンションを見てきた私が思うのは、
これから先、本当に難しくなるのは
「建て替え」そのものではありません。
建て替えを決めるまでの道のりなのです。
「古くなったら建て替えたらええやん」
お客様から、時々こんな言葉を聞きます。
「マンションも古くなったら
建て替えたらええんちゃうの?」
確かに一戸建てなら話は簡単です。
自分の家ですから、お金さえあれば建て替えられます。
しかしマンションは違います。
例えば50戸あるマンションなら、
50人それぞれに生活があります。
80代で年金暮らしのご夫婦。
子育て真っ最中の30代。
相続したけれど住んでいない人。
賃貸として貸しているオーナー。
海外に住んでいる相続人。
全員の事情はまったく違います。
「建て替えましょう。」
この一言で話がまとまるなら、誰も苦労しません。
「あと10年住めたら十分や」
これは実際に査定へ行った時、
お客様から聞いた言葉です。
「私はもう80歳やから、このマンションが
あと10年持ってくれたらそれで十分や。」
その方にとっては、本当にそうなのでしょう。
しかし40代で住んでいる人は違います。
「子どもに残したい。」
「住宅ローンもまだ20年残っている。」
考え方はまったく違います。
マンションには正解がありません。
だから話し合いが難しいのです。
相続が始まると話はさらに複雑になる
ここから先の30年で、
私が特に増えると思っているのが相続です。
昭和40年代にマンションを購入した世代が
80代、90代になると、当然ながら相続が発生します。
子どもは大阪に住んでいない。
東京にいる。
名古屋にいる。
福岡にいる。
あるいは海外に住んでいる。
兄弟3人で共有。
いや4人かもしれません。
そのうち1人とは何年も連絡を取っていない。
こうなると、修繕の話ひとつ
進めるだけでも時間がかかります。
まして建て替えともなれば、
全員の意見をまとめるのは簡単ではありません。
私は大阪市内でも、相続が終わらず何年も
空き家になっているマンションを何件も見てきました。
これからは、その数がさらに増える可能性があります。
建築費は昔とは別世界
もう一つ見逃せないのが建築費です。
私が業界へ入った頃と比べると、
本当に驚くほど高くなりました。
職人さんは不足。
資材は高騰。
設備機器も値上がり。
エレベーターも昔ほど安く交換できません。
外壁工事も、防水工事も、給排水管の更新も、
何をするにも大きなお金が必要になります。
つまり30年後は、
「建て替えたくても、お金が合わない」
というマンションが今よりもっと増えるかもしれません。
大阪でも「建て替えられるマンション」と「難しいマンション」に分かれる
私は将来、この差が今以上に大きくなると思っています。
例えば梅田、本町、天王寺、京橋、難波など、
土地の価値が非常に高いエリア。
こうした場所では、建て替えによって
土地の価値を最大限に活かせる可能性があります。
一方で、郊外や駅から離れたマンションでは
事情が違います。
建て替えに何十億円とかかる一方で、
販売価格がそこまで伸びない。
そうなると、事業として
成立しにくいケースも出てくるでしょう。
もちろん立地だけで決まる話ではありません。
管理状態や敷地条件、法規制など、
さまざまな要素があります。
それでも私は、不動産の世界はこれまで以上に
**「立地」と「管理」の差が
結果に表れる時代**になると感じています。
「建て替えない」という選択肢も増えていく
これまで建て替えというと、
「古くなれば新しくする」というイメージがありました。
しかし30年後は、違う景色になっているかもしれません。
建て替えるのではなく、
大規模修繕を繰り返しながら住み続ける。
設備を少しずつ更新しながら延命する。
管理組合が知恵を出し合い、住民全員で建物を守る。
そんなマンションが大阪では増えていくような気がします。
昭和40年代に建てられたマンションは、
高度経済成長を支え、多くの家族の思い出を育んできました。
だからこそ、単純に
「古いから壊す」という時代ではないのです。
~最終巻へ続く~
30年後、大阪の中古マンション市場は
二極化しているかもしれません。
資産価値を維持し続けるマンション。
そして、残念ながら
価値を大きく落としてしまうマンション。
その違いは一体どこで生まれるのか。
最終巻では、不動産歴約30年の経験をもとに、
「30年後に勝ち組となるマンションの条件」と、
これから中古マンションを購入する方・売却を考える方への
アドバイスを交えながら、このシリーズを締めくくります。
- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
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