『相続人50人…この空き家、一体誰が片付けるん?大阪の長屋買取が得意な不動産屋が本気で法律を考えてみた!【前編】』
「相続人は約50人います。」
初めてこの話を聞いた人は、おそらくこう思うでしょう。
「えっ、そんなこと本当にあるんですか?」
あります。
しかも大阪では決して珍しい話ではありません。
私は30年近く大阪で不動産業に携わり、長屋や借地、
空き家の買取や売却相談を数え切れないほど受けてきました。
その中で年々増えていると感じるのが、
**「相続人が多すぎて誰も動けない不動産」**です。
最近は相続登記が義務化され、
住所変更登記も義務化されました。
国が「所有者不明土地・空き家問題」を本気で
解決しようとしていることは、
現場にいる私にもよく伝わってきます。
これは決して悪いことではありません。
むしろ必要な制度だと思います。
しかし…。
現場で仕事をしていると、法律だけでは
解決できない現実が見えてくるのです。
「誰が相続人なん?」
昔は家督相続の時代もありました。
ところが時代が流れ、兄弟姉妹、
その子ども、さらにその子ども…。
何十年も名義変更をしていない土地や家では、
相続人が雪だるま式に増えていきます。
「売りたい。」
そう思っても、まず相続人全員を
調べるところから始めなければなりません。
戸籍を取り寄せ、
亡くなった方をたどり、
さらにその子どもを探し…。
大阪に住んでいる人だけではありません。
東京、北海道、沖縄。
海外に住んでいる方が相続人というケースもあります。
そして全員に事情を説明し、
同意をいただき、印鑑をいただく。
言葉にすると簡単ですが、
実際には気の遠くなるような作業です。
プロでも諦める案件がある
先日、土地の仕入れを専門にしている
不動産業者さんと話をする機会がありました。
私が空き家の話をしていると、
その方がこんなことを話してくれました。
「前に相続人が30人近くいる
土地を仕入れようと思ったんですよ。
でも途中で諦めました。
時間も費用も途方もなくかかりますから…。」
私は思わず、「やっぱりそうですか。」と答えました。
一般のお客様が難しいと思うのは当然です。
しかし、土地を仕入れて商売をしている
プロの不動産会社ですら、採算が合わないと
判断して手を引く案件が現実にあるのです。
この話を聞いて改めて感じました。
問題は家そのものではありません。
相続人の多さが、不動産を動かなくしているのです。
大阪の長屋は、この問題と隣り合わせ
私がよく相談を受ける大阪の長屋。
築60年、70年という建物も珍しくありません。
親御さんが亡くなり、
そのまま誰も住まなくなり、
気が付けば草が伸び、
郵便受けにはチラシがたまり、
近所の方だけが心配している…。
そんな光景を何度も見てきました。
しかも長屋は借地であることも多く、
話はさらに複雑になります。
地主さんとの関係。
切り離しの問題。
隣家との兼ね合い。
そこへ相続人が何十人も加われば、
話が進まないのも無理はありません。
「売ればいいやん」は簡単。でも…
「そんな家、売ればええやん。」
そう言われることがあります。
確かに、その一言で済めば誰も苦労しません。
しかし現実は違います。
相続人全員の意思確認。必要書類。印鑑証明。
連絡が取れない相続人。認知症になっている方。
亡くなってさらに相続が発生しているケース…。
一つ進んだと思ったら、また次の壁が現れる。
それが現場です。
だから私は、お客様から
「どうしてこんなに時間がかかるんですか?」
と聞かれるたびに、
「家を売ることより、
相続人を整理するほうが大変なんです。」
と説明しています。
法律は前へ進んでいる
相続登記義務化。
住所変更登記義務化。
どちらも必要な制度です。
これまで何十年も放置されてきた問題を考えれば、
大きな一歩だと思います。
しかし現場を見る限り、
本当に困っている空き家は、そのさらに先にあります。
相続人が2人、3人の話ではありません。
20人。
30人。
50人…。
そんな不動産を前にすると、
「この家は一体いつ動くんやろう」と
考えてしまうことがあります。
私は最近、こんなことを考えるようになりました
私は法律の専門家ではありません。
大阪で長屋や借地、空き家を
見続けてきた一人の不動産屋です。
だから法律を批判したいわけでもありません。
むしろ、ここまで制度を整えてきたことは
素晴らしいと思っています。
でも…。
現場にはまだ、法律だけでは動かない空き家
が数多く残っています。
だから最近、
「もし私が法律を考える立場だったら、
どんな制度を提案するやろう。」
そんなことを考えるようになりました。
その考えを書こうと思ったのですが…。
少し長くなりそうです。
そこで後編では、
私なりに『こんな制度があれば、
日本の空き家は少し減るかもしれない。』
そう思う一つの提案を書いてみたいと思います。
その中では、最近話題になっている国が管理する
土地の売却についても、現場の不動産屋として
感じたことを率直にお話ししたいと思います。
【後編へ続く】
- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
どんな物件買取もお任せ下さい!
若い時にはリフォームの仕事も経験済。
売主様には査定時に買取価格を算出します!
家の買取や売却のご依頼・ご相談は
ワンちゃんと古い家が大好きな白髪交じりの私・松本が全てご対応いたします!
