『雨の日の内覧、止めて~~!・・・いや、やっぱり見に来てください。』 不動産歴30年の売主業者社長が語る、梅雨時期だけの本音(前編)
梅雨である。
大阪も毎年この時期になると
天気予報とにらめっこする日が続く。
旭区も、都島区も、平野区も、豊中市も、東大阪市も。
朝からどんよりした空。
昼から雨。
夕方には本降り、そんな季節だ。
ところが不動産業界というのは
不思議なもので、なぜか雨の日ほど案内が入る。
もちろん偶然なのだろう。
しかし私のように中古住宅を仕入れてリノベーションし、
売主として販売している人間からすると、
「よりによって今日かいな・・・」
と思うことがある。
まず最初に誤解のないように言っておきたい。
私は内覧を止めたいわけではない。
むしろ見ていただきたい。
家は見てもらわないと売れない。
見なければ分からない。
比較しなければ判断できない。
だから内覧は大歓迎である。
ただ・・・
今日は不動産歴30年の売主業者社長として、
雨の日だけに感じる少し複雑な気持ちを書いてみたいと思う。
リフォーム完成の日は、売主業者にとって小さな卒業式である
一般の方はあまり知らない。
しかし中古住宅のリノベーションと
いうのは想像以上に大変である。
私たちはまず物件を買う。
しかし買った瞬間からお金が増えるわけではない。
そこからが本番だ。
大工さん、クロス屋さん、設備屋さん。
電気屋さん、塗装屋さん、美装屋さん。
たくさんの職人さんが現場に入る。
毎日のように現場へ行く。
壁紙の色を決める。
床材を決める。
設備を決める。
時には追加工事も発生する。
予算との戦いになる。
「ここまでやるべきか?」
「ここは残すべきか?」
そんな判断を何度も繰り返す。
そして最後にハウスクリーニング。
窓ガラスも磨かれる。
玄関も綺麗になる。
キッチンも輝く。
その瞬間。
「よし、やっと完成や。」
売主業者としては本当に嬉しい瞬間である。
正直に言う、少し感動する。
ボロボロだった家が生まれ変わる。
これは何回経験しても嬉しい。
写真撮影の日はだいたい晴れている
これも不思議な話だ。
なぜか写真撮影の日は晴れていることが多い。
青空、明るいリビング。
気持ちのいい日差し。
カメラさんも上機嫌。
「ええ感じですね~」
こちらも嬉しい。
「今回は早く売れるかもしれんな。」
そんな期待が膨らむ。
そしてポータルサイトへ掲載。
販売開始。
ここまでは最高なのである。
翌日、大雨
ところが人生はそう甘くない。
翌朝、スマホを見る。
降水確率100%
大雨警報級
そして仲介会社からメール。
13時案内
15時案内
17時案内
ありがたい。
本当にありがたい。
しかし・・・
本音を言うと・・・
「昨日の晴れの日に来てくれたらもっと良かったのに・・・」
である(笑)
売主業者が一番気になる場所
それはリビングではない、キッチンでもない
浴室でもない
実は玄関である。
雨の日の玄関は売主業者の心を試す
玄関というのは家の顔である。
特にリノベーション物件の場合、
最終クリーニングの後は本当に綺麗だ。
タイルも光っている。
サッシも綺麗、ドアもピカピカ。
ところが雨の日。
傘からポタポタ。
靴も濡れている。
これは仕方ない。
当たり前である。
お客様は悪くない。
しかし売主業者の頭の中では、
「後で拭こう」
という言葉が自動的に浮かぶ。
傘問題
これも業界人なら分かる。
玄関を開ける、室内へ入る。
そして傘。
新品タイルの上へ。
ポン。
もちろん悪気はない。
でも昨日クリーニングしたばかりである。
売主担当者の心。
「そこじゃなくても・・・」
しかし言えない。
絶対言えない(笑)
仲介会社によって全然違う
ここは30年やっているとよく分かる、
本当にできる営業マンは細かい。
タオル持参。
傘をまとめる。
靴の向きまで整える。
帰る時には玄関まで確認する。
こういう営業マンはお客様からも信頼される。
一方で・・・
若い営業マン。
びしょ濡れ。
傘開いたまま。
「この家めちゃくちゃ綺麗ですね!」
いや・・・
まず傘閉じようか(笑)
もちろん悪気はない。
しかし売主業者には全部見えてしまうのである。
駐車場確認大会が始まる
そして始まる。
恒例行事。
「車入りますか?」
当然の質問だ。
確認しないと買えない。
だから私もぜひ確認してほしい。
しかし・・・
ここからが長い(笑)
前進。
バック。
切り返し。

また前進。
再びバック。
さらに切り返し。
売主業者の心拍数はどんどん上がる。
「門柱だけはやめて・・・」
「外壁だけは当てんといて・・・」
「植木鉢だけは勘弁・・・」
内心ずっと祈っている。
販売初日のお客様あるある
これも本当に多い。
若いご夫婦。
「今日初めて家を見に来ました。」
住宅ローン?これから。
エリア?まだ検討中。
比較物件?今日が最初。
あるあるである。
しかし私はそれでいいと思う。
住宅購入は人生最大級の買い物。
焦る必要はない。
何軒も見てほしい。
比較してほしい。
悩んでほしい。
その中の一軒として私たちの物件を見ていただけるだけでもありがたい。
ただ経験上・・・
その日に決まることはほぼない(笑)
それでも内覧は大歓迎です
ここを勘違いしてほしくない。
私は雨の日の内覧を否定しているわけではない。
むしろ来てほしい。
本気でそう思っている。
なぜなら家は見てもらって初めて価値が伝わるからだ。
実は雨の日だから分かることも多い。
ベランダ排水。
雨樋。
道路の水はけ。
周辺環境。
湿気。
晴れの日には見えないことが見える。
だから本気で検討している方には、
むしろ一度は雨の日に来ていただきたいと思う。
ただ・・・
もし少しだけ余裕があったら。
玄関の傘だけ。
靴の水滴だけ。
少し気にしていただけると嬉しい。
大阪のどこかで売主業者の社長が静かに喜んでおります(笑)
(後編へ続く)
後編では、
「子供さんの内覧あるある」
「新築分譲会社の営業マンはもっと大変?」
「雨の日だから発見できた重大欠陥」
「売主業者が感動した買主さんの話」
など、不動産歴30年で見てきた
本当の話を書いてみたいと思う。🏠☔✨
- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
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