【物件対決・前編】大阪市内2,980万円!「裏がJR大阪環状線の家」VS「前が広~い墓地の家」あなたならどっち?

久しぶりにやってまいりました。
物件対決!
今回リングに上がるのは、なかなかクセの強い2軒です。
赤コーナー!
「家の裏がJR大阪環状線の高架!」
そして青コーナー!
「家の前が広~い墓地!」
「どっちも嫌や!」
まあ、そう言わんと最後まで聞いてください。
大阪市内で中古一戸建てを探している人なら、
意外と真剣に悩む勝負かもしれません。
なぜなら今回の物件、
平成15年建築・ガレージ付き・価格2,980万円。
今の大阪市内で探していると、
「ちょっと見てみよか」となる価格なんです。
そして今回、この2軒の間で悩むことになったご夫婦が、
また絶妙なお二人でした。
結婚10年目。「そろそろ家買おか?」

ご夫婦は結婚して約10年。
ご主人の年収は約800万円。
奥さんはパート勤務で年収約120万円。
合わせると約920万円です。
住宅ローンだけを考えれば、
もう少し高い物件も十分検討できそうです。
ところが、このご夫婦。
堅い。
「家のためだけに働くんは嫌やな」
「これから子どもも欲しいし」
「余裕持って払えるくらいにしよう」
そこで二人が決めた予算が、3,000万円以内。
借りられる金額いっぱいまで借りるのではなく、
自分たちが余裕を持って返せる金額で探す。
私はこういう考え方、ええと思います。
主人「マンションは嫌」妻「ワンちゃん欲しい!」

ご主人には譲れない条件がありました。
「マンションは嫌や。一戸建てがええ」
理由はいろいろあるのでしょうが、
とにかくマンションには興味なし。
そして奥さんにも、
一戸建てにこだわる大きな理由があります。
ワンちゃんです。
「一戸建て買ったら、犬飼いたいんです!」
昔からの夢だったそうです。
そろそろ子どもも欲しい。
一戸建てを買って、子どもがいて、ワンちゃんがいる。
ええやないですか。
ところが奥さん、さらに続けます。
「ワンちゃん飼ったら、
私、仕事辞めようと思ってるんです」
……。
私は一瞬、
子どもができたらちゃうんかいな?と思いました。
「だって、一人で留守番させるの
かわいそうやないですか~」
なるほど。
ワンちゃん中心の人生設計です。
ただ、ご主人の年収が約800万円あります。
2,980万円程度の住宅なら、奥さんがパートを辞めても、
無理のない返済計画を立てやすい。
だからこそ二人は、「3,000万円以内は守ろう」
と決めていました。
ところが大阪市内の中古戸建て……高いやん!

さあ、物件探し開始です。
大阪市内。
中古一戸建て。
できればガレージ付き。
予算3,000万円以内。
最初は二人とも、
「3,000万円出したら、それなりにあるやろ」
と思っていました。
ところが探してみると――なかなかない。
「これ、ええんちゃう?」3,000万円後半。
「こっちキレイ!」また3,000万円後半。
条件を少し良くすると、
あっという間に4,000万円が見えてきます。
そしてある日、夫婦が
かなり気に入った一戸建てが出てきました。
場所もいい。室内もキレイ。ガレージもある。
奥さんなんかリビングを見ながら、
「ここにワンちゃんのケージ置けるなぁ~」
もう住んでます。
まだ買ってへんで。
そして価格を見ると――4,500万円。
……高い。
当初予算から、1,500万円オーバー。
ご主人も気に入っている。
奥さんも気に入っている。
こういう時が一番危ないんです。
「月々にしたら何万円か増えるだけやし……」
住宅購入で、この魔法の言葉が出てきたら要注意です。
ご主人が我に返りました。
「俺ら、3,000万円までって決めてたよな?」
奥さん。「……決めてた」「帰ろか」「……うん」
二人は4,500万円の家から逃げるように帰りました。
4,500万円の家から逃げて、なぜかペットショップへ

ところが帰り道。
奥さんが立ち止まります。
ペットショップ。
さっきまで4,500万円の一戸建てを見ていた人が、
今度は子犬の前から動きません。
「かわいい~~!」
「この子めっちゃかわいい!」
「ワンちゃん欲しい~~!」
ご主人からすれば、
家から逃げたら犬につかまった。
奥さんは言います。
「早よ一戸建て買おうや!」
ご主人。「だから探してるがな!」
この夫婦、家を買いたい理由の半分くらい、
ワンちゃんちゃうか?
そんな気さえしてきます。
ついに出た!平成15年築・ガレージ付き2,980万円

そんな二人の前に、ようやく気になる物件が現れます。
大阪市此花区あたりの中古一戸建て。
平成15年建築。ガレージ付き。
そして――2,980万円!
奥さん、「出た!」
ご主人、「予算内や!」
これまで「ええな」と思った家は3,000万円後半。
本当に気に入った家は4,500万円。
そこへ2,980万円です。
もちろん多少の欠点があることくらいは想像できます。
中古住宅ですから、
100点満点の物件なんてそうそうありません。
「とりあえず見に行こ!」
夫婦のテンションが上がります。
さあ、ここから本日の物件対決。
ゴングです!
第1ラウンド!裏がJR大阪環状線の家

家そのものは悪くありません。
築年数も許容範囲。ガレージもある。
室内も、「これくらいやったら十分やな」という感じ。
ご主人も、
「2,980万円やったら、ええんちゃう?」
ところが――家の裏側へ行くと、
ガタンゴトン……。ん?
また、ガタンゴトン!
JR大阪環状線です。
しかも高架が近い。
ご主人は意外と平気です。
「俺、これくらいやったら気にならへんけどな」
ところが奥さん、顔が曇っています。
実はこの奥さん、かなり音に敏感。
小さな生活音でも気になることがあり、
特に寝る時は静かでないと落ち着かないタイプ。
そこへ、ガタンゴトン……!
また来ました。

奥さん「私、ここ無理かも……」
ご主人、
「そのうち慣れるんちゃう?」
奥さん、
「慣れへんかったらどうするん?」
ごもっとも。
こればっかりは住んでみないと分かりません。
しかも奥さん。
ワンちゃんを飼ったらパートを辞める予定です。
ということは、この家に一番長くいるのは――
奥さん。
朝から、ガタンゴトン。
昼も、ガタンゴトン。
夕方も、ガタンゴトン。
奥さんの頭の中では、もう電車が一日中走っています。
赤コーナー、
「裏が大阪環状線の家」早くも大ピンチです。
第2ラウンド!今度は前が広~い墓地

「それなら、もう一軒見てみましょう」
次に見た家。
こちらは――静か。
奥さんの顔が一気に明るくなります。
「こっち全然違う!」前も開けています。
日当たりも期待できそう。
室内にいても電車の音はしない。
奥さんの頭の中では早くも、
ワンちゃんがリビングを走り回っています。
「ここええやん!」
ご主人も最初は悪くない反応です。
そして窓の外を見る。広々しています。
目の前に大きな建物が
ドーンと建っているわけでもありません。
ところが――墓。
右も、墓。左も、墓。前一面、
広~い墓地です。
奥さんも最初は、「うわっ!」となりました。
ところが、しばらく眺めていると、
「……私、別にええけど」意外です。
「静かやし」確かに静かです。
「前も開けてるし」それもそう。
「環状線より、こっちの方がええわ」
奥さんの中では、墓地前物件、圧勝。
ところが――。
「俺……ここアカンかもしれん」

さっきまで普通に話していたご主人が、妙に静かです。
窓の近くで外を見たまま動きません。
奥さんが聞きます。
「どうしたん?」
ご主人。「……俺、ここアカンかもしれん」
「なんで?」
「いや……なんか……」
奥さん、「何なん?」
しばらく黙ったあと、ご主人が言いました。
「俺な、昔から霊感強いねん」
……。
それ、今言うんかい!
音に敏感な妻VS環状線!霊感の強い夫VS墓地!

なんという組み合わせでしょう。
せっかく見つけた2,980万円クラスの中古一戸建て。
一軒目は、
裏がJR大阪環状線。
そして奥さんは、音に敏感。
二軒目は、
前が広~い墓地。
そしてご主人は、霊感が強い。
よりによって夫婦それぞれの苦手なものが、
一軒ずつ付いていました。
奥さん、「私は絶対お墓の方がええ!」
ご主人、「俺は環状線の方がマシや!」
「電車ずっと走ってるんやで!」
「墓はずっとそこにあるやろ!」
「墓は静かや!」
「静かとか、そういう問題ちゃうねん!」
「ほんなら何の問題なん?」
ご主人。「それを説明したら余計怖なるやろ……」
奥さん。「言わん方が怖いわ!」
もう物件選びなのか夫婦漫才なのか分かりません。
さて、あなたならどちらを選びますか?

条件のいい家を探せば3,000万円後半。
本当に気に入った家は4,500万円。
でも、この2軒なら2,980万円。
価格を優先して、
「裏が環状線」を受け入れるのか。
静かさを優先して、
「前が墓地」を受け入れるのか。
それとも、予算そのものを上げるのか。
あるいは、今回は家を買うのをやめるのか。
音に敏感な奥さん。
霊感の強いご主人。
二人の意見は完全に真っ二つです。
この時点では、私もどちらに転ぶのか分かりません。
ところが――
この物件対決。
最後に決着をつけることになるのは、
奥さんでもありません。
ご主人でもありません。
もちろん、不動産会社でもありません。
思いもよらないところから、
この2,980万円の家を決める「ひと言」が飛んできます。
その話は――明日の後編で。

- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
- 宅地建物取引士
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若い時にはリフォームの仕事も経験済。
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ワンちゃんと古い家が大好きな白髪交じりの私・松本が全てご対応いたします!
