【長屋の買取依頼を何社も断られた方へ】 諦める前に知ってほしい“売却できる”現実と対処法
■ はじめに:何社にも断られても「売れない」とは限らない
「長屋を売りたいのに、どこに相談しても断られてしまう」
──そんな声を、大阪市内でも本当に多く耳にします。
築年数が古く、再建築ができない。
火災や老朽化で修繕が必要。
さらに「連棟(れんとう)住宅※」のため、
単体で売りにくい──。
こうした理由から、何社にも「取り扱いできません」
と言われてしまうケースは珍しくありません。
※連棟住宅とは…壁や構造を隣の家と共有している住宅のこと。いわゆる「長屋」形式。
しかし結論から言えば、「断られた=売れない」ではありません。
この記事では、
- なぜ断られるのか?
- それでも売却できるケースとは?
- 大阪市内の長屋市場の実情をデータと事例から整理し、「次に何をすべきか」を具体的に解説します。

■ 1. 「長屋の買取を何社にも断られた」という相談が増えている現状
● 再建築不可・連棟構造がネックに
大阪市の中心部では、古くからの住宅街に
「長屋」や「連棟住宅」が多く残っています。
これらは敷地が狭く、道路に接していない「再建築不可」物件も多いため、通常の不動産業者では「再販売できない=利益が出ない」と判断され、断られることが多いのです。
● 老朽化・災害履歴など物理的リスク
築50年以上の長屋も多く、シロアリ・雨漏り・ボヤ跡
などがあれば修繕コストが大きくなります。
そのため、「買取=赤字になる」と見なす業者がほとんどです。
● 採算性と法規制の問題
再建築不可・連棟は融資(ローン)が通らないため、
一般の買主が現れにくい物件です。
不動産会社としても「買っても転売が難しい」ため、
買取を避ける傾向があります。

■ 2. 大阪市内の長屋売買市場の現状と背景(データ重視)
● 大阪市における長屋の現存数と老朽化率
大阪市建築局の調査によると、2024年時点で
市内に残る長屋は約6万2,000戸とされています。
そのうち**築50年以上が全体の約80%**を占め、
老朽化が深刻化しています。
特に生野区、西成区、東成区、此花区、旭区などでは、空き家化した長屋が密集しており、一部地域では空き家率が20%超に達しています。
参考:大阪市建築局「老朽建築物実態調査(2024)」より

● 行政の動き:長屋再生・除却促進の両輪政策
大阪市では「長屋再生支援事業」「空き家除却補助制度」などを通じて、老朽長屋の安全対策と再利用を両立する方針をとっています。
特に2018年以降、耐震性の確保や外壁修繕に対する補助金制度が整備され、「再利用(リノベーション)」による長屋再生プロジェクトが民間でも増加傾向にあります。
一方で、老朽が進み危険と判断された長屋については、「除却(取り壊し)」を促す方針も並行して進められています。
● 市場の二極化:「再利用できる長屋」と「解体前提の長屋」
2025年現在の大阪市市場では、
長屋は次の二極化が進んでいます。
| タイプ | 特徴 | 売却可能性 |
|---|---|---|
| 再利用可能型 | 立地が良く、耐震補修・リノベで活用可 | 中古再販・リノベ業者が購入 |
| 老朽・再建築不可型 | 接道・共有壁などで再建築不可 | 解体・土地活用型業者が買取対象 |
このうち、買取を断られやすいのは後者。
しかし、土地再生・収益再利用に強い業者であれば、
現状のまま引き取り可能なケースも多いのです。

● なぜ今、「断られる人」が増えているのか
- 老朽化物件の増加:築70年以上が増え、修繕コストが上昇
- 人口減少エリアの拡大:空き家率上昇で需要が減少
- 大手不動産の参入減少:採算性低下により、長屋は「対象外」扱い
こうした背景から、「どこに相談しても断られる」
という方が年々増えています。
■ 3. 「断られた=売れない」ではない。長屋でも買取可能なケースとは
① “現状のまま”買取できる専門業者が存在する
老朽・火災・再建築不可でも、「現状のまま」
買い取る専門業者が存在します。
こうした業者は、修繕・再生・解体を自社で完結できるため、
一般的な不動産会社よりリスクを抑えて取引できます。
② “再建築不可”でも再利用ルートがある
近年では、
- シェアハウスや簡易宿泊施設への改装
- 古民家カフェや町家リノベーションなど“再建築しない活用”が広がっています。
このため「再建築不可=価値ゼロ」ではなく、
再利用ルートを持つ業者にとっては十分に商材価値があります。
③ 地域密着型の業者に依頼する
大阪市内の長屋市場は、地域によって事情が異なります。
例えば生野区や東成区では、連棟住宅の取り扱い経験がある地元業者が多く、「他社では断られたが、ここでは買い取ってもらえた」というケースも珍しくありません。

■ 4. 実際に「何社にも断られた長屋」が売れた事例
● 事例①:大阪市住之江区A様(ボヤ跡あり・登記前)
祖母名義の長屋を相続後、登記前に売却を希望。
火災跡が残っており、数社に断られたものの、現状のまま買取に成功。
「0円提示」から数十万円の買取に転じたケースです。
● 事例②:大阪市此花区K様(1年放置の空き家)
相続後、空き家のまま1年以上経過。
「確実に引き取ってくれる業者」を優先し、現状のまま売却。
老朽化していたが、解体を前提にした買取でスムーズに取引完了。
● 事例③:大阪市生野区U様(再建築不可長屋)
3軒連棟の真ん中部分。
通常は扱えない条件でしたが、
解体・再利用の計画を持つ専門業者が買取を実施。

■ 5. 買取を成功させるための3つのポイント
① 登記・相続状況を整理しておく
相続登記が未了の場合、買取契約までに時間がかかります。
ただし、**「登記前でも相談可」**の業者も
ありますので、早めの相談が得策です。
② 無理にリフォームしない
老朽長屋の場合、リフォーム費用が
売却額を上回ることが多いです。
**“現状のまま査定”**を基本にするのがコツ。
③ 「0円」と言われても諦めない
業者によって査定基準が全く異なります。
他社で「0円」と言われても、別の業者では
数十万円の査定になることも。
これは「買取後の活用ノウハウ」の有無による差です。

■ 6. 「長屋だから売れない」と思い込まないでください
長屋は確かに扱いが難しい不動産です。
しかし、近年は空き家対策・地域再生の流れの中で、**「再利用」や「土地再整備」**の観点から価値を見直す動きも進んでいます。
行政・地域・民間が連携して、「住めない家」ではなく
「活かせる資産」に変える時代へ。
だからこそ、今「断られたまま放置する」
のはもったいないのです。
■ 7. まずは“相談だけ”でもOK。
現状のまま長屋の買取可能性を確認しましょう
- 他社で断られた場合でも問題ありません。
- 状況や場所を確認するだけで、可能性が見えることがあります。
- 無料査定・無料相談で、まずは“判断材料”を集めてみましょう。
放置しても資産価値は上がりません。
動き出すタイミングは「諦めかけた今」がベストです。

■ 不動産売買等でのよくある質問(Q&A)
Q1. 査定や相談は無料ですか?
→ 多くの業者が無料で実施しています。
電話やLINE相談も増えています。
Q2. 長屋や連棟住宅でも本当に売れますか?
→ はい。再建築不可や連棟でも、
専門業者なら“現状買取”できるケースがあります。
Q3. 相続登記が終わっていなくても相談できますか?
→ 状況によりますが、登記前でも事前相談は可能です。
手続きサポートを行う業者もあります。
Q4. 火災や雨漏りがある長屋でも売れますか?
→ 修繕不要で買取できるケースがあります。
査定時に正直に伝えましょう。
Q5. 他社で「0円」と言われましたが、
依頼する価値はありますか?
→ あります。業者ごとに買取後の活用方針が
異なるため、査定額も大きく変わります。

💬 まとめ
- 「長屋だから無理」と言われても、売却できる道はあります。
- 大阪市内では長屋の老朽化が進み、行政・民間が再生に動いています。
- 諦める前に、『現状のまま』相談してみることが第一歩。
