お住まいのマンションの管理会社ってご存じですか?管理を買えと言われるが管理会社って何するの?
マンションにお住まいの皆さん。
いきなりですが質問です。
マンションの管理人さんの顔、知っていますか?
「知ってるで!朝いつも
掃除してくれてるおっちゃんやろ!」
では、もう一問。
そのマンションの管理会社の名前、ご存じですか?
「…………。」
「え~っと……。」
「なんかカタカナ入ってたような……。」
意外とこんな人、多いんちゃいますかね(笑)。
管理人さんは毎日のように
顔を合わせるので覚えている。
ところが、その後ろにいる
管理会社はメチャクチャ地味な存在です。
でも中古マンションの世界では昔から、
「マンションは管理を買え」なんて言われます。
それほど管理が大事なら、その管理に
深く関わっている管理会社って一体何をしてるん?
今回は20歳代で初めて中古マンションを買う人でも
分かるように、できるだけ簡単に見ていきましょう!
■まず「管理人さん」と「管理会社」は違います!
マンションのエントランスを
掃除してくれている管理人さん。
ゴミ置場を確認したり、共用部分を見回ったり、
「おはようございます!」と毎朝挨拶してくれる。
住民にとっては、この人こそ
**「マンション管理の顔」**でしょう。
でも管理人さん一人でマンション全部を
管理しているわけではありません。
その後ろで、いろいろな業務をしているのが管理会社です。
国土交通省の標準管理委託契約書でも、
マンションの管理組合が管理会社へ
業務を委託する形になっています。
管理対象には廊下や階段、屋上、エレベーター設備、
給排水設備、消防・防災設備など
幅広い共用部分・設備が含まれます。(国土交通省)
簡単に言えば、
管理組合
「マンション全部を自分らだけで管理するの大変や~!」
↓
管理会社
「ほんなら専門的なところ、お手伝いしますわ!」
という関係です。
■そもそも「管理組合」って何や?
ここも初めてマンションを買う人には
分かりにくいところ。
マンションを買ったら、
区分所有者として管理組合の構成員になります。
別に会社みたいなところへ
就職するわけではありません(笑)。
マンションには自分の部屋だけではなく、
エントランス。廊下。階段。屋上。
エレベーター。駐輪場。
など、みんなで管理して
いかなければならない場所があります。
そこで、「このマンション、みんなでちゃんと
維持していきましょう!」と活動するのが管理組合。
そして実際の会計事務や清掃、設備管理、総会・理事会の
サポートなどを管理会社へお願いするわけです。
イメージとしては、
マンション管理の主役=管理組合。
そのお手伝いをするプロ=管理会社。
これくらい覚えておけば十分です。
■管理会社って具体的に何してるの?
契約内容によって違いますが、
ざっくり言えば結構いろいろやっています。
管理費などに関する会計事務。
管理員業務。清掃。建物や設備の点検。
理事会や総会のサポート。各種業者とのやり取り。
住民へのお知らせ。
マンションの掲示板に、
「○月○日 消防設備点検」
「排水管清掃のお知らせ」
「エレベーター点検のお知らせ」
なんて紙が貼ってありますよね。
ああいうマンションの
日常の裏側にも管理会社が関わっています。
考えてみたら……結構働いてます。
地味やけど(笑)。
■ところが最近、ちょっと気になるニュースが……
最近、国土交通省の地方整備局から
マンション管理会社への行政処分が相次いで公表されました。
その中には、元従業員による管理組合財産の着服などを
理由に含むものもあります。実際に2026年7月31日と
8月6日にも別々のマンション管理業者への
指示処分が公表されています。(国土交通省)
今回は会社名を書きません。
特定の会社をどうこう言いたい記事ではありませんし、
一人の元従業員が問題を起こしたからといって、
その会社が管理するマンション全部が
悪いと決めつけるのも違います。
でも私はこのニュースを見て思いました。
「そういやマンションに住んでる人って、
自分の管理会社をどれくらい気にしてるんやろ?」
修繕積立金なんて、
マンション全体では結構な金額になります。
例えば100戸のマンションで、
各戸が月1万5,000円積み立てるとします。
単純計算すると、1か月150万円。
1年間1,800万円。
10年間なら……1億8,000万円!
もちろん実際には途中で修繕に使いますし、
積立額もマンションによって違います。
それでも、「マンションのみんなで
積み立てるお金って、結構大きいんや!」
というイメージはできます。
そら管理、大事ですわ。
■ところで、その管理会社は誰が決めたん?
これも知らない人、多いと思います。
新築マンションでは、分譲時から一定の
管理体制が用意されてスタートすることが一般的です。
だから系列の管理会社が
長く管理しているマンションもあります。
でも、その管理会社と
一生添い遂げなアカンわけではありません。
結婚ちゃいますから(笑)。
管理組合と管理会社はあくまで
管理委託契約を結んでいる関係です。
国交省も標準的な管理委託契約書を公表しています。
(国土交通省)
だから管理組合で話し合って、
「今の管理会社、このままでええんかな?」
となれば、契約内容を見直したり、
別の管理会社への変更を検討したりすることもあります。
■なんで管理会社を変えるの?
理由はいろいろあります。
サービスへの不満。対応の遅さ。
そして管理委託費。
今は人件費をはじめ、いろんな費用が上がっています。
管理会社から、「すみません。来年度から
管理委託費を上げさせてもらいたいんですが……」
管理組合、
「えっ!?また値上げ!?」
「ほんなら他の管理会社にも見積もり取ってみよか!」
こうして管理会社変更を検討することもあります。
ところが今は、管理組合だけが
管理会社を選ぶ時代とも限りません。
条件が合わなければ、管理会社側が
契約を継続しないということだって考えられます。
昔のイメージなら、管理組合「管理会社変えるで!」
管理会社「そんなこと言わんとお願いします!」
だったのが……
管理組合
「変えるで!」
管理会社
「分かりました」
管理組合
「…………止めへんの?」(笑)
管理員さんや清掃員さんも人間です。
人が集まらない。人件費も上がる。
採算も考えなければならない。
管理会社だって商売ですからね。
■ここで出ました!「マンションは管理を買え」
さて。
20歳代のご夫婦が初めて
中古マンションを見学したとしましょう。
玄関を開ける。
奥さん、
「うわ~!めっちゃ綺麗!」
ご主人、
「LDK広いやん!」
キッチンを見る。
「食洗機付いてる!」
お風呂を見る。
「浴室乾燥機もある!」
バルコニーへ出る。
「眺望ええや~ん!」
テンションMAX。
そこで不動産営業マン。
「ちなみに管理組合の長期修繕計画ですが……」
夫婦、「…………。」
急にテンション下がった(笑)。
分かります。
初めて家を買う20歳代の人が、
「修繕積立金会計の状況を確認したいです!」
なんて言い出したら、逆に私は、
「お若いのによう勉強してますな!」となります(笑)。
でも中古マンションでは、部屋と同じくらい
マンション全体を見ることが大切なんです。
■だって外壁は自分一人では直せません
一戸建てなら自分の家の屋根が傷んだ。
「そろそろ直そか」
基本的には自分で考えられます。
でもマンションは違います。
外壁。屋上。エレベーター。
共用廊下。給排水設備。
こうした共用部分を、
「501号室の私だけで直します!」
とはいきません(笑)。
マンション全体で計画して、
お金を貯めて、必要な時期に修繕していく。
だから管理が大事なんです。
国の「マンション管理計画認定制度」でも、
現在の認定基準には、総会を年1回以上開催していること、
管理費と修繕積立金等を区分経理していること、
30年以上の長期修繕計画などが含まれています。
(国土交通省)
つまり、「管理を買え」
=有名な管理会社が入っているマンションを買え!
という意味ではありません。
ここは結構大事です。
■中古マンションを見に行ったら共用部分も見てください
難しい書類を見る前に、
まず現地で簡単にできることがあります。
共用部分を見る。
エントランスは綺麗?廊下はどう?
ゴミが散乱してない?駐輪場が無茶苦茶になってない?
掲示板のお知らせは整理されてる?
こういうところです。
築40年でも、「ここ綺麗にしてるなぁ」
というマンションはあります。
反対に比較的新しくても、「ん?」
と感じるマンションもあります。
築年数だけでは分からないんですよね。
だから私は中古マンションを見るなら、
室内だけ見て、「リフォーム綺麗!ここ買います!」
ではなく、
帰りにちょっと共用部分も見てほしい。
そして購入を具体的に検討する段階になったら、
不動産会社に確認してみる。
管理費はいくら?修繕積立金はいくら?
積立状況は?滞納は?大規模修繕はいつやった?
長期修繕計画は?最近の総会では何を話し合った?
難しいことを全部自分で調べなくても大丈夫です。
「このマンション、管理状態どうですか?」
まず不動産会社に一言聞くだけでも違います。
■実は掲示板も結構面白いですよ
マンション内覧のとき、私は掲示板も結構見ます。
そこには、
「消防設備点検のお知らせ」
「排水管清掃のお知らせ」
「○月○日総会開催」
など、いろんな情報があります。
ときには、
「夜間の騒音にご注意ください」
「廊下に私物を置かないでください」
なんて紙もある。
おっ。このマンション、なんかあったな(笑)。
もちろん注意書きがあるだけで
悪いマンションとは限りません。
むしろ問題があれば住民へ
きちんと知らせている、と見ることもできます。
掲示板って地味なんですが、
意外とそのマンションの日常が見える場所なんです。
■有名な管理会社なら絶対安心?
これは違います。
大手だから絶対大丈夫。
聞いたことない会社だからアカン。
そんな単純な話ではありません。
最近のニュースがあったからといって、
管理会社の看板だけ見て
マンションを判断するのも違うでしょう。
私が中古マンションで一番見てほしいのは、
「このマンションそのものが、
ちゃんと管理されているか?」です。
管理組合が機能している。
必要なお金を積み立てている。
計画的に修繕している。
共用部分が綺麗。
問題が起きたらちゃんと話し合っている。
管理会社は、それを支える重要な存在です。
でも、管理会社=マンション管理のすべて
ではありません。
■筆者の独り言
マンションにお住まいの皆さん。
今晩帰ったら、
一度エントランスの掲示板を見てみてください。
管理会社の名前が書いてあるかもしれません。
そして翌朝。
いつもの管理人のおっちゃんが、
「おはようございます!」
「おはようございます!」
……。
やっぱり管理会社より、
このおっちゃんの方が存在感あるな(笑)。
でも、その管理人さんの後ろで管理会社が動き、
その中心には住民の皆さんで構成する管理組合があります。
中古マンションを買うときは、
キッチン!お風呂!眺望!駅徒歩!
もちろん全部大事です。
でも一つだけ追加してください。
「このマンション、ちゃんと管理されてる?」
昔から言われる、
「マンションは管理を買え」
20歳代で初めて中古マンションを買う人には、
最初はピンと来ない言葉かもしれません。
でも10年、20年、30年と住むことを考えたら……
案外、一番地味なところが一番大事なのかもしれませんよ。
- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
- 宅地建物取引士
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