ちょっと知りたい相続登記費用のお話・・そのお見積り高いですか?安いですか?中身をチェック!
「相続登記の費用ですが、だいたい20万円くらいですね」
「はい、分かりました。お願いします」
……。
ちょっと待って!
その20万円。
何に20万円か、ちゃんと聞きました?
相続登記なんて、普通の人なら
人生で何回も経験するものではありません。
司法書士の先生から、「20万円くらいですね」
と言われたら、
「先生が言うんやから、そんなもんなんやろな……」
と思って、
そのままお願いする人も多いんちゃうかなと思います。
でも、その20万円。
高いのか?
安いのか?
実は合計金額だけでは分かりません。
長年、不動産の仕事を長くしてきた私が、
「ちょっと知っておきたい相続登記費用の中身」を
覗いてみたいと思います。
そもそも「相続登記費用」って全部司法書士さんの報酬ちゃいますよ

まず、ここです。
相続登記にかかるお金は、大きく分けると、
①登録免許税
②戸籍や証明書などの実費
③司法書士へ依頼した場合の報酬
などがあります。
このうち、
登録免許税は司法書士さんの報酬ではありません。
国へ納める税金です。
たとえば固定資産税評価額が500万円で、
税率0.4%として計算するケースなら、
500万円 × 0.4% = 2万円。
つまり、「相続登記20万円です」
と言われても、
「登録免許税はいくら?」
「戸籍などの実費はいくら?」
「司法書士報酬はいくら?」
ここを分けて見なあかんわけです。
※実際の登録免許税は不動産や相続の内容、
適用できる免税措置などによって異なる場合があります。
大阪の古い長屋なら、登録免許税がそれほど高くないケースも

弊社がよく取り扱う大阪の古い長屋。
築50年。
築60年。
中には、
「これ築何年なんやろ?」
という長屋まであります(笑)。
こうした古い長屋では、
固定資産税評価額がそれほど高くない物件もあります。
そこで、こんな相続を想像してみてください。
戸籍?
依頼者がほとんど集めました。
遺産分割協議書?
もう作りました。
相続人?
それほど複雑ではありません。
不動産?
古い長屋一軒です。
そして司法書士事務所から出てきた見積りが――。
相続登記費用 20万円
……。
私なら一回聞きます。
「先生、これ何にいくら掛かってるん?」
ケンカ売ってるんちゃいますよ(笑)。
ただ単に、
内訳を知りたいだけです。
エアコン3,000円差は調べるのに、司法書士は一発!?

今の若い世代は、ほんまによく調べます。
引っ越しする。
「相見積り取ろ!」
リフォームする。
「3社くらい聞こ!」
エアコンを買う。
「こっち3,000円安いやん!」
スマホ料金なんか、
「月780円違うで!」
細かい細かい(笑)。
ところが――。
司法書士事務所。
ここへ来た途端、なぜか空気が変わります。
「司法書士 ○○先生」
先生……。
なんとなく敷居が高い。
電話するのもちょっと緊張する。
そこで、
「相続登記は20万円くらいになります」
と言われると、「はい……お願いします」
いやいやいや!
さっきエアコンの3,000円差を
30分調べとったやないかい!(笑)
もちろん、
「一番安い司法書士を探しましょう!」
という話ではありません。
大切なのは、
何をお願いして、何にいくら払うのか。
ここなんです。
実は私、自分の相続登記は自分でしました

ここからは私自身の話です。
私も実家を相続した経験があります。
家族で話し合い、最終的に
私が不動産を相続することになりました。
そして私――。
相続登記、自分でしました。
遺産分割協議書も自分で作りました。
最初は、「こんなん自分でできるんか?」
と思いましたよ。
でもネットで調べてみると、
私の場合は思っていたより分かりやすかった。
戸籍も自分で集めました。
「次はどの戸籍が要るんやろ?」
分からなかったら役所で聞く。
私のときは、役所の方も親切に教えてくれました。
相続登記では相続の形によって必要書類が変わります。
遺産分割協議による相続なら、被相続人の出生から
死亡までの戸籍や相続人の戸籍、遺産分割協議書などが
必要になるのが基本です。(日本司法書士会連合会)
必要書類をそろえて、
遺産分割協議書を作って、登記申請。
そして――。できたがな。
もちろん私は長年、不動産の仕事をしています。
確かに一般の方より登記関係の書類を見慣れている。
そこは差し引いてください。
でも、
「相続登記は絶対に司法書士へ頼まないとできない」
というものではありません。
大阪法務局も、自分で申請する方法と
司法書士等へ依頼する方法の両方を案内しています。(法務局)
ほんなら司法書士なんか頼まんでええの?

いやいや。
それも違います。
私の場合は比較的分かりやすい相続でした。
ところが、
相続人が10人いる。
兄弟姉妹がすでに亡くなっている。
さらにその子供たちが相続人になっている。
何十年も相続登記されていない。
数次相続になっている。
古い戸籍を大量に追い掛けないといけない。
不動産が何筆もある。
こんなんなったら――。


「先生!お願いします!」
私でもそうします(笑)。
相続登記では、法定相続人を確認するため、
被相続人の出生から死亡までの戸除籍謄本などの
収集が必要になることがあります。
相続関係が複雑になれば、
その確認作業も当然増えてきます。
そんな案件を、戸籍集めからやってもらう。
相続関係を全部整理してもらう。
必要書類も作ってもらう。
登記申請まで全部お願いする。
それで、「20万円です」
だったら、
「先生、それでやってくれるん?助かりますわ!」
となるケースだってあるでしょう。
つまり――。
同じ20万円でも
「高い20万円」と「安い20万円」がある。
ここなんです。
見積書をもらったら、この4つだけ見てみよう!

全部詳しくなる必要なんかありません。
登録免許税はいくら?
戸籍・証明書などの実費はいくら?
司法書士報酬はいくら?
そして、
その報酬でどこまでやってくれるの?
この4つだけでも確認してみてください。
戸籍収集から全部お願いする20万円と、
「戸籍ほとんど集めました」
「遺産分割協議書も作りました」
「相続関係も単純です」
「古い長屋一軒です」
「先生、登記申請お願いします」
という20万円。
同じ金額でも中身は全然違います。
だから私は、「20万円は高い!」とも、
「20万円なら安い!」とも言いません。
まず中身を見ましょう。
ということです。
相続登記費用についてよくあるQ&A

Q.相続登記は自分でもできますか?
できます。
法務省・法務局も本人申請向けの
手続案内や申請書様式を公開しています。(法務省)
Q.登録免許税は司法書士報酬ですか?
違います。
登録免許税は国へ納める税金です。
司法書士へ支払う報酬とは別物です。
Q.戸籍は自分でも集められますか?
できます。
ただし必要な戸籍は相続関係によって異なります。
分からない場合には、市区町村役場へ
問い合わせる方法も法務省から案内されています。(法務省)
Q.相続登記20万円なら高いですか?
20万円という数字だけでは判断できません。
登録免許税、実費、司法書士報酬、
そして依頼する仕事内容。
これを分けて見ることが大切です。
筆者の独り言

相続登記なんて、
普通の人なら一生のうち何回するでしょう。
そら相場なんか分からんと思います。
私みたいに自分でやってみるのも一つ。
司法書士さんに全部お願いするのも一つ。
どちらでもええんです。
ただ、「何にいくら払っているのか」
くらいは知っておいて損はありません。
引っ越し代は3社比較。
エアコンはネットで最安値検索。
スマホ料金は月780円の差までチェック。
スーパーでは、
「卵、こっちの方が20円安いやん!」
ところが司法書士事務所へ入った瞬間――。
「先生、全部お任せします!」
なんで急に財布のひも緩むんや~!(笑)
相続登記の見積書をもらったら、
一番下の合計金額だけを見るのではなく、
一度その中身を覗いてみてください。
その20万円。
高いですか?
安いですか?
答えは――。
見積書の中に書いてあるかもしれませんよ。
制度を自分でも確認したい人向けには、
法務省「不動産を相続した方へ」 が一番まとまってます。

- 不動産キャリア29年
- 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
- 宅地建物取引士
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