フォローウィンドのどこよりもわかりやすい!相続登記義務化-2027年3月31日は何の期限?

フォローウィンドのどこよりもわかりやすい!相続登記義務化-2027年3月31日は何の期限?

 

 

「2027年3月31日までに相続登記を!」

 

最近、テレビやネットで

こんな言葉を目にする機会が増えてきました。

 

でも、不動産や登記に普段かかわらない方からすれば、

「相続登記って、そもそも何やねん?」

 

ここからではないでしょうか。

 

相続税の話?

銀行に残っていたお金を兄弟で分ける話?

それとも実家を売る話?

 

今回は難しい法律用語をできるだけ

普通の言葉に置き換えて、

**2027年3月31日とは何の期限なのか?

 

誰が何をすればいいのか?**を、

不動産屋の目線も交えながら説明してみます。

 

「はい!?うち、相続登記やってたっけ?」

 

 

 

お父さんが亡くなって、もう7年。

 

お父さんが住んでいた大阪市阿倍野区の実家は、

その後誰も住むことなく空き家になっていました。

 

旦那さんは定期的に阿倍野区の実家へ行き、

郵便物を確認したり、窓を開けて家に風を通したり、

庭の様子を見たり。

 

最初のうちは、「おとんの家やからな」

と思って通っていました。

 

それが1年、3年、5年……。気がつけば7年です。

 

旦那さん

「もう、おとんが亡くなって7年も経つんか……。

阿倍野の空き家もしょっちゅう行くの疲れてきたな。

そろそろ売ろかな?」

 

そんなことを言いながら何気なくテレビを見ていると、

相続登記義務化のニュースが流れてきました。

 

アナウンサー

「2024年4月1日から相続登記が義務化されています。

 

制度が始まる前に亡くなった方の不動産でも、

相続登記がされていない場合には対象となり、

一定の場合は2027年3月31日までに申請する必要があります」

 

旦那さん、テレビを二度見。

 

「…………はい!?」

 

そして奥さんを見る。

 

旦那さん

「うち……相続登記やってたっけ?」

 

奥さん

「相続登記も何も、あんた何にもせえへんがな」

 

旦那さん

「おい!あと半年くらいしかないみたいやぞ!」

 

奥さん

「知らんがな。私、相続人ちゃうし」

 

――ごもっとも。

でも、この旦那さんみたいな方。

 

案外いらっしゃるんじゃないでしょうか。

 

では「2027年3月31日」は、いったい何の期限なの?

 

 

相続登記が義務化されたのは、2024年4月1日です。

 

ここで今回の記事を読む必要がある人を、

ものすごく簡単に分けてみます。

 

親などが亡くなったあと、

不動産の相続登記まで終わっている人。

→ 今回の義務化を理由に、

もう一度同じ相続登記をする必要はありません。

 

一方、親などが亡くなって何年も経つけれど、

実家や土地が今も亡くなった人の名義になっている人。

→ こちらは確認してください。

 

2024年4月1日より前に相続によって不動産を取得したことを

知っていて、まだ相続登記をしていない場合、原則として

2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。

 

つまり、

 

「親父が亡くなったのは7年前やから関係ない」ではなく、

「親父が亡くなったあと、家の名義を変えたっけ?」

と考えた方が分かりやすいでしょう。

 

① そもそも相続登記って何?預金の相続が終わっていても不動産は別です

 

 

例えば、お父さんが亡くなったとします。

 

銀行の預金は兄弟で分けた。

生命保険の手続きもした。

相続税についても確認した。

 

「これで親父の相続は全部終わった!」

そう思っていた。

 

ところが、実家の登記簿を確認してみると、

所有者 お父さん。

亡くなったお父さんの名前がそのまま残っている。

 

今回のお話はここです。

 

相続登記とは、簡単に言えば、

亡くなった人が所有していた土地や建物について、

相続によって所有者が変わったことを

登記簿に反映させる手続きです。

 

銀行預金の相続手続きをしたからといって、

実家の名義まで自動的に変わるわけではありません。

 

だから最初に確認したいのは、

「うちの実家は今、誰の名義になってる?」

 

ここです。

 

相続登記義務化の詳しい制度については、

法務省でも案内されています。

法務省「相続登記の申請義務化について」

 

② 「親父が亡くなったん7年前やで?」実家がまだ親父名義なら確認してください

 

 

 

相続登記の義務化が始まったのは2024年4月1日。

 

すると、「うちの親父が亡くなったん2019年やで。

昔の話やから関係ないやろ?」と思う方もいるでしょう。

 

ところが、制度開始前に亡くなった方の不動産でも、

相続登記が終わっていなければ義務化の対象になります。

 

ですから、

「いつ亡くなった?」だけではなく「今、誰の名義?」

こちらを確認してください。

 

先ほどの旦那さんなら、

お父さんが亡くなったのは7年前。

 

それでも阿倍野区の実家が今なおお父さん名義なら、

確認が必要です。

 

逆に7年前の時点できちんと相続登記をして、

すでに相続した方の名義になっているのであれば、

今回の義務化で慌てて登記をやり直す必要はありません。

 

③ 2027年3月31日を過ぎたら10万円?誰から通知が来て誰が決めるの?

 

 

 

ここ、一般の方なら気になるところでしょう。

 

ニュースでは、

「正当な理由なく相続登記をしなければ10万円以下の過料」

と聞きます。

 

すると、

「4月1日になったら10万円の請求書が届くん?」

「法務局へ10万円払うん?」

「そもそも誰が10万円って決めるん?」となりますよね。

 

まず、

2027年3月31日を1日過ぎたら、

自動的に10万円の請求書が届くわけではありません。

 

法務省が示している手続きでは、

登記官が相続登記の義務違反を把握した場合、

まず義務を果たすよう催告します。

 

「催告」も難しい言葉ですね。

 

簡単に言えば、「相続登記してください」

という連絡です。

 

そこで相続登記をすれば、登記官は裁判所へ

過料事件として通知しない扱いになっています。

 

一方、催告を受けても正当な理由なく

相続登記をしなかった場合には、

登記官から管轄の地方裁判所へ通知されます。

 

そして最終的に過料を科すかどうか、

いくらにするのかを判断するのは裁判所です。

 

金額も一律10万円ではなく、10万円以下です。

 

つまり、「3月31日終了!」

「4月1日、はい10万円!」ではありません。

 

過料や催告についての詳しいQ&Aはこちらです。

法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」

 

「まだ相続登記できへん!」そんな人のための制度もあります

 

④ 「兄弟で誰が実家をもらうか決まってへん!」そんな時の相続人申告登記とは?

 

 

 

ここから急に漢字が増えます。

 

相続人申告登記。

 

名前だけ聞いたら、

「また難しいの出てきたな……」となります(笑)。

 

例えば、お父さんが亡くなった。

相続人は長男、次男、長女の3人。

 

ところが、「実家は兄貴がもらう?」

「いや、売って3人で分けようや」

「まだ決められへん」話がまとまらない。

 

でも期限は近づいてくる。

 

そんなときに利用できる

制度の一つが相続人申告登記です。

 

ものすごく簡単に言えば、

 

「まだこの家を誰が取得するか決まっていません。

でも私は亡くなった所有者の相続人です」

と法務局へ申し出る制度です。

 

これによって、申出をした相続人については

相続登記の申請義務を簡易に果たすことができます。

 

ただし、

相続人申告登記をした=その人の名義へ変更された

ではありません。

 

ここは大事です。

 

その後、遺産分割で誰が不動産を

取得するのか決まった場合には、

その内容に応じた相続登記が必要になります。

 

「相続人申告登記って結局どうするん?」という方はこちら。

法務省「相続人申告登記について」

 

⑤ 「親父、ほかにも不動産持ってなかった?」所有不動産記録証明制度で何が分かる?

 

 

さらに長い名前です。

 

所有不動産記録証明制度。

2026年2月2日から始まった制度です。

 

これも普通の言葉にしましょう。

「実家は知ってる」

「田舎にも土地があったような……」

 

「親父、昔なんか買った言うてたな」

「……どこやったっけ?」

 

相続登記しようにも、そもそも亡くなった人が

どんな不動産を持っていたのか分からない。

 

そんな場合があります。

 

所有不動産記録証明制度は、

亡くなった親などが登記簿上の所有者として

記録されている不動産を登記官が検索し、

一覧にして証明書として交付してもらえる制度です。

 

相続人も請求できます。

 

ただし、

「これを取れば親父の不動産が絶対100%全部出てくる!」

という魔法の検索ではありません。

 

登記記録に記録されている氏名や住所などを

検索条件にするため、条件によっては検索結果に

含まれない不動産が生じる可能性があります。

 

それでも、

「そもそも何を持っていたか分からへん」

という相続では、知っておきたい制度です。

 

制度の詳しい内容はこちら。

法務省「所有不動産記録証明制度について」

 

不動産屋として気になるのは「10万円の過料」だけではありません

 

⑥ 「相続登記せなあかんのは分かった!」ほんで何を用意して、どこへ行けばいい?

 

 

ここまで読んで、

「なるほど。うちは相続登記してへんわ」となった。

 

ほんなら次です。

 

「で、どうしたらええの?」

 

相続登記は、自分ですることもできます。

 

必要書類は相続の内容によって変わります。

 

例えば遺産分割によって誰が不動産を取得するか

決めた一般的なケースなら、戸籍関係の書類を集めたり、

遺産分割協議書を用意したり、登記申請書を作ったりして、

不動産を管轄する法務局へ申請します。

 

「自分でやってみよか」という方には、

法務局がハンドブックや申請書の記載例を公開しています。

 

一方、

「相続人が多い」

「何代も前から名義が変わってへん」

 

「戸籍見ても誰が誰やら分からへん」

「もう書類見ただけで頭痛い」

 

そんな場合は司法書士へ相談する方法もあります。

 

そして不動産屋として気になるのが、

「そろそろ実家を売ろかな」と思ってから、

初めて名義を調べるケース。

 

冒頭の旦那さんもそうです。

 

阿倍野区の空き家を、「そろそろ売ろかな」と思った。

 

ところが確認すると、まだお父さん名義。

 

さらに相続関係が複雑なら、書類を集めたり

相続人同士で話し合ったりする時間も必要になります。

 

相続登記は、「10万円取られたら嫌やからやる」

だけではありません。

 

将来その不動産を売る、貸す、次の世代へ渡す。

そんなときに慌てないためにも、

現在の名義を確認しておく。

 

不動産屋としては、こちらもかなり大事やと思っています。

 

相続登記義務化について「あとこれだけ聞きたい!」Q&A

 

 

Q.相続登記が終わっているかどうか、どうやって確認するの?

 

土地や建物の登記事項証明書などを取得すれば、

現在の登記名義人を確認できます。

 

「親父名義やったかな?自分に変えたかな?」

記憶が曖昧なら、まず確認してみましょう。

 

Q.2027年3月31日を1日過ぎたら、すぐ過料ですか?

 

すぐ自動的に過料となる仕組みではありません。

 

登記官が義務違反を把握した場合には催告が行われ、

それでも正当な理由なく対応しなかった場合には

地方裁判所へ通知され、

裁判所が過料について判断する流れです。

 

Q.相続登記は自分でもできますか?

 

できます。

 

法務局には自分で相続登記をする方に向けての

ハンドブックや申請書の記載例があります。

 

相続関係が複雑な場合などは、

司法書士へ相談する方法もあります。

 

Q.相続登記にはお金がかかるの?

 

原則として登録免許税が必要になります。

 

また司法書士へ依頼する場合には別途報酬が必要です。

 

一定の条件を満たす土地については

登録免許税の免税措置もありますので、

実際の不動産について確認してください。

 

Q.実家を売りたいけど、相続登記と売却相談はどっちが先?

 

まず現在の登記名義を確認しておくと話が早いです。

 

売却価格や売り方は不動産会社へ相談できますが、

亡くなった方の名義のままなら、

売却に向けて相続登記の手続きも進める必要があります。

 

さて、冒頭の旦那さんはどうなった?

 

旦那さん

「なるほどな~。よう分かったわ!」

 

奥さん

「珍しいな。ちゃんと聞いとったん?」

 

旦那さん

「当たり前や!親父の家やぞ!」

 

奥さん

「ほな早よしたら?」

 

旦那さん「…………」

奥さん「何?」

 

旦那さん「いや……その……」

奥さん「何やねん」

 

旦那さん、

「ほんで……相続登記ってどうやってやるんや!?」

 

奥さん、

「知らんがな。私、相続人ちゃうし」

 

――結局そこかい。

 

でも、この記事を読んで同じことを思った方

まず、「実家の名義、誰になってたっけ?」

そこから確認してください。

 

相続登記の具体的な申請方法や必要書類については、

法務省・法務局が詳しい手引きを公開しています。

法務局「相続登記・遺贈の登記の登記手続ハンドブック」

 

2027年3月31日になってから、

「はい!?今日までなん!」とならないように。

 

まだ時間のある今のうちに、

一度確認してみてはいかがでしょうか?

 

筆者松本 親幸
  • 不動産キャリア29年
  • 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
  • 宅地建物取引士
個人的には今までの不動産業経歴において1,500件超のお取引に関わっております。
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若い時にはリフォームの仕事も経験済。
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