不動産相続で兄弟が揉める典型パターン5選|豊中市の実家をめぐり“仲が悪い兄弟”が陥りやすい落とし穴と解決策
なぜ兄弟間の不動産相続は揉めるのか?
豊中市の実家ケースを前提に解説
「実家をどうするか」の話は、
人生で何度も起こるものではありません。
しかし、ひとたび相続が発生すると、兄弟間の関係性が
そのまま“相続トラブルの火種”になってしまいます。
特に大阪府豊中市は、
- 古い戸建てが多い
- 再建築の可否が分かれる地域がある
- 私道(※個人所有の道路)や接道の問題が物件価値を揺らしやすい
- 土地の形状が不整形(細長い・旗竿地など)も多い
という特徴的な住宅地が多いエリアです。
つまり 「分けにくい不動産」 が多い地域でもあり、
兄弟仲が悪いと余計にこじれやすい土壌があります。
さらに、相続は
- お金
- 思い出
- 役割の偏り
- 兄弟間の昔の感情
がすべて一気に噴き出す場面です。
「兄は昔から親に頼られっぱなしで損している」
「妹は遠方に住んでるのに口だけ出す」
「弟が協力してくれない」
こうした不満は“不動産”という「分割しづらい財産」を
前にすると、一気に表面化します。
今回は、豊中市に実家を持つ長男のケースをベースに、兄弟仲が悪い家庭で実際に起こりやすい不動産相続トラブル5選を、専門的な観点とリアルな事例を交えながら深掘りします。
最後には、
「揉める前にできる予防策」
「すでに揉めてしまった時の最低限の解決方法」
も詳しく解説します。

兄弟間トラブル①|不動産の「評価額」でもめる
相続トラブルの最初の引き金は、ほぼ例外なく
「家の値段っていくらなん?」問題 です。
特に兄弟仲が悪いと、
- 「安すぎる」
- 「そんなはずない」
- 「不動産屋の言いなりになってるだけやろ」
と、根拠のない反発が起きがちです。
● 固定資産税評価と実勢価格の違いが理解されない
兄弟の中に不動産の知識がある人がいないと、「固定資産税に書いてる評価が家の値段」と思い込んでしまう人が出てきます。
しかし実際は、固定資産税評価額 = 実勢価格の7割以下
が一般的。
つまり、それを基準に分割すると全く正しい相続になりません。
● 豊中市は“価格差が出やすい”地域
豊中市は、場所によって相場がガラッと変わります。
- 庄内エリア(比較的相場が低め)
- 服部天神エリア(中間層)
- 豊中駅・岡町駅周辺(相場が高め)
兄弟が地元に住んでいない場合、「豊中の家なんて普通に高い
はず」という“イメージ価格”で話をしてくることも。
● 再建築不可・私道などの影響を兄弟が理解しない
豊中には古い住宅地も多く、
- 接道が狭い
- 私道に面している
- 再建築不可の可能性
が普通にあります。
こうした“価格を下げる要因”を兄弟に説明しても、「業者の言い訳ちゃうの?」と疑われることが多いのが現実です。

兄弟間トラブル②|実家を“誰が相続するか”で対立する
兄弟仲が悪いと、「誰が実家を相続するのか」
が爆発ポイントになります。
長男のよくある本音は、「俺は別にいらん」です。
しかし他の兄弟が、「長男が相続するのが普通やろ」
と責任を押し付けてくるケースは珍しくありません。
● 長男だけが管理を押し付けられる問題
親の通院、介護、書類、名義変更……
長男が親の世話や管理を一手に担ってきた家庭ほど、
相続でも“当然の流れ”として押し付けられることがあります。
「いやいや、住まんし、払えんし、維持もできん」と
いうのが長男の本心ですが、兄弟がそれを理解しない。
● 遠方兄弟は口だけ参加
兄弟仲が悪い家庭では、遠方の兄弟ほど
「文句だけ言う」傾向があります。
「それ売るんは反対や」
「もうちょい高く売れるはずやろ」
「解体費なんて出したくない」
しかし、
- 現地確認
- 書類集め
- 名義調整
など面倒な部分はやらない。
結果、長男だけが疲弊していきます。

兄弟間トラブル③|維持費・管理費の押し付け合い
不動産は持っているだけでコストがかかります。
- 固定資産税
- 火災保険
- 草刈り
- 老朽化の補修
- 空き家の巡回
実際には年間10〜20万円ほどの負担が出ることも。
しかし兄弟仲が悪い家庭では、
この負担を誰も払おうとしません。
● 長男が「払って当然」扱いされる
親の面倒を見てきた=お前が払えという謎ロジック。
● 越境・老朽化は豊中市で特に多い
豊中の古い住宅地は、
- 塀の越境
- 木の越境
- 隣家との距離が狭いが多く、空き家のまま放置すると近隣から苦情が来やすい傾向があります。
それでも兄弟は動かない。
結果、長男が全部支払わされる。

兄弟間トラブル④|売却か残すかで意見が割れる
兄弟仲が悪いほど、売る派 vs 残したい派が対立します。
売る派(長男に多い)
- 管理できない
- 維持費が無駄
- 価値が下がる前に動きたい
残す派(次男・長女に多い)
- 思い出だから残したい
- 子どもが使うかもしれない
- 実家を手放したくない
残す派の兄弟は、「感情」ベースで
反対することが多いのが特徴です。
しかし残したいと言っても、
- 住まない
- 整備しない
- 税金も払わない
ことがほとんどで、長男だけが負担し続ける結果になります。

兄弟間トラブル⑤|相続登記が進まない(署名を拒否するケース)
兄弟仲が悪い家庭で最も深刻なのが、
「名義変更のための書類に判を押さない兄弟」の存在です。
- 書類を返さない
- 連絡に応じない
- 内容を理解しようとしない
- とにかく協力しない
この状態だと、売却も、管理も、何も進みません。
● 2024年から相続登記は義務化
相続して3年以内に登記しないと、10万円の過料(罰金)
の対象になります。
それでも兄弟関係が悪いと動かない人は動きません。

【事例】豊中市で実際にあった
“兄弟仲が悪い相続トラブル”
以下は実際の空き家相談を元に構成した、実際によくあるケースです。
● 事例1:長男にだけ管理が集中して限界に
親が施設入居すると同時に空き家に。
兄弟間の仲が悪く、兄「売ろう」、弟「残したい」と対立。
しかし弟は管理もせず、費用も出さず、書類にも協力しない。
長年放置され、家が傾き始め、解体費まで長男負担に。
● 事例2:放置されたまま価値が激減
相続の話し合いがまとまらず10年放置。
豊中市の古家は老朽化が早く、
査定額が当初より数百万円下落。
兄弟全員が損をする結果に。
● 事例3:署名拒否で売却契約が白紙に
買い手が決まり契約直前になって次男が猛反対。
「俺は知らん」「ハンコ押さんで」と言って売却不可に。
長男は精神的にも体力的にも大ダメージ。

【相続前からの対策】
兄弟仲が悪い家庭こそ“事前準備”が必須
兄弟仲が悪い家庭に限って、相続が発生してから動き始めます。
しかし本来は相続前の準備こそが最重要です。
① 親名義・評価額・相続人を一覧化
最低限、
- 名義
- 固定資産税の納税通知書
- 不動産の評価額
- 相続人
はまとめておきましょう。
② 実家の現状確認
老朽化や越境があると後々揉めます。
③ 兄弟間で方向性だけは共有
売るか残すか、ざっくり共有しておくだけで全然違います。
④ 遺言書があると揉めにくい
親御さんが元気なうちに意向を聞くのも非常に効果的です。

【揉めてしまった後でも解決できる方法】
兄弟仲が悪い家庭でも、実は手段はあります。
① 中立の専門家を入れる
不動産業者・司法書士・行政書士など。
第三者がいるだけで兄弟が冷静になります。
② 分割方法を複数提示する
- 売って現金にして分ける
- 実家を誰かが相続して他の兄弟に代償金を払う(代償分割)
- 賃貸に出す
この3つを整理して伝えるだけでも進みます。
③ 動かない兄弟がいてもできる手続きから進める
相続放棄・書類の取得・評価額調査など、
「できること」から進めれば全体が前に進みます。

【まとめ】兄弟仲が悪いほど“先延ばし”が最大のリスクになる
豊中市のように
- 古い戸建てが多い
- 再建築の可否で価格差が出る
- 老朽化スピードが早い
地域では、放置は絶対にNG。
兄弟仲が悪い家庭こそ、早めの情報整理と現状把握が
最大のリスクヘッジになります。
豊中市の相続不動産は、
まず現状把握から始めよう
- 今どうなっているのか
- どれくらいの価値があるのか
- 売れるのか、残せるのか
- 解体したほうがいいのか
こうした“最初の一歩”が分かれば、
兄弟間の議論も整理できます。
「まずは状況を知らないと始まらない」
これが相続の大原則です。
気軽に専門家へ相談して、
未来のトラブルを最小限に抑えましょう。

不動産売買等でのよくある質問(FAQ)
Q1:相続の相談は無料ですか?
一般的には無料相談が多いですが、
事務所によって異なります。
事前に確認すると安心です。
Q2:兄弟の1人が書類に協力しない場合はどうすれば?
まずは中立の専門家を挟むのが効果的です。
必要書類の取得や代償分割など、
進められるルートがあります。
Q3:古い家でも売れますか?
売却は可能ですが、豊中市はエリア差が大きいため、
正確な査定が重要になります。
Q4:実家を残したい兄弟がいても売れますか?
全員の同意が必要です。
ただし話し合いがまとまらない場合は
選択肢がありますので要相談です。
Q5:相続登記が終わっていなくても売却できますか?
売却自体は可能ですが、引き渡しまでに登記は必須です。
まずは相続人の確認から始めるとスムーズです。

