中古マンションの相場観を養えるフォローウィンド講座!その3|大阪メトロ中央線、10年前と今を比べてみました!

 

今回は大阪メトロ中央線です。

 

いきなりですが問題です。

コスモスクエア・弁天町・阿波座・森ノ宮・長田。

 

この5駅の中古マンション。

 

10年前と比べて、

どこが一番値上がりしていると思いますか?

 

今回は私自身の相場観も確認してみたいと思います。

そもそも「相場観」って何でしょう?

 

 

不動産屋を長くやっていると、

「この辺で、この築年数で、

この広さやったらこれくらいやろ」

 

という感覚が身についてきます。

 

これが相場観です。

 

ただし、一度覚えたら一生使えるものではありません。

 

特に大阪の中古マンションは、

この10年間でかなり価格が動きました。

 

昔の価格が頭に残っている不動産屋ほど、

「えっ!今そんな値段するん?」となることがあります。

 

私もあります。

 

だから今回は2016年頃と2026年現在を見比べながら、

皆さんと一緒に相場観を更新してみましょう。

 

なお、特定のマンションについて「高い」「安い」と

評価する記事ではありませんので、

マンション名は伏せます。

 


①コスモスクエア|ここだけ少し新しいマンション

 

 

まずはコスモスクエア。

 

ここだけは2009年前後築のマンションをモデルにしました。

 

理由は簡単。

古いマンションがあまりないからです。

2016年の公開されている取引情報を見ると、
85~90㎡前後で2,100万~3,000万円程度の
事例が確認できます。

一方、2026年現在の売出物件を見ると、

73㎡台で3,000万円台半ば、

 

85~86㎡台になると3,000万円台後半から

4,000万円台という物件も見られます。

 

ただし注意してください。

 

前者は取引情報、後者は売出価格です。

 

これをそのまま「10年間で○%上がった!」

と計算したらダメです。

 

これも相場観を養ううえでは大事なところです。

 


②弁天町|あのタワーマンションです

 

 

次は弁天町。

 

1993年築。

当時、一世を風靡したと言ってもいい

駅前の大規模タワーマンションをモデルにします。

2016年には約73㎡・27階の2LDKが
3,580万円で売りに出された履歴があります。

そして現在。

 

同じマンションでは70㎡台の住戸でも、

階数や向きによって4,000万円台から5,000万円台まで

見られるようになっています。

 

タワーマンションは特に階数と向きで値段が違います。

 

ですから単純比較はできません。

 

それでも10年前の価格帯と現在の売出価格帯を見比べれば、

弁天町、上がったなあ……。

 

という感覚は持てます。

 

 

駅前には温泉もあります。

ロピアもあります。

 

ちなみにロピアの肉売り場は見ているだけでも楽しいです。

 

……マンションに戻りましょう。


③阿波座|マンションはいっぱい。でも売物件は?

 

 

 

次は阿波座。

 

ここはマンションが多い。

選び放題や!

 

……と思ったら、

条件に合う売物件、そんなにないやん。

これも中古マンション相場を見るポイントです。

マンションの棟数が多いことと、

現在市場に出ている売物件が多いことは

同じではありません。

 

今回参考にした1995年築のマンションでは、

2016~2020年の売出履歴の平均坪単価が約138万円。

 

近年の売出事例では60㎡台で4,000万円前後、

坪単価200万円前後の事例も確認できます。

 

ここでもかなり水準が変わっています。

阿波座は西区。

 

本町にも近い。

中央線だけでなく千日前線も使える。

 

「昔から便利やった場所」が、

この10年間でさらに価格面でも評価された。

 

そんな見方もできます。

 


④森ノ宮|これからの「ヒガシ」や!

 

 

おお!森ノ宮。

今回ここは1997年築、

70㎡前後の3LDKをモデルにしました。

2016年の売出履歴を見ると、

同じ70.56㎡で1,680万円から2,298万円。

 

ところが2026年。

 

同じ70㎡前後の3LDKが

4,000万円台半ばで売りに出されています。

 

もちろん現在の物件には

リフォーム済みのものもあります。

階数も違います。

 

ですから、

「10年間でちょうど2倍になった!」

と単純に言うつもりはありません。

 

でも水準が大きく変わったことは分かります。

 

JR大阪環状線。大阪メトロ。

大阪城公園。大きな病院。そして大学。

 

大阪といえば長いこと

「キタ」と「ミナミ」と言われてきましたが……

 

これからの「ヒガシ」や!

と私は勝手に思っています。

 

街そのものの変化を見ることも、

マンション相場を見るうえでは大切です。

 


⑤長田|中央大通!

 

 

最後は長田。

 

大阪市を出て東大阪市です。

中央大通!

そして長田の次、
荒本からは近鉄けいはんな線になります。

そのまま電車は走っていきますが、

運賃体系は変わります。

 

今回モデルにしたのは1996年築、

65~70㎡前後のファミリーマンション。

 

直近の公開された売出履歴では、

2021~2023年に65~70㎡前後で

1,800万~2,100万円台の事例が確認できます。

 

現在の参考相場も、約69㎡で2,000万円前後。

 

大阪市中心部のような急激な上昇とは、

少し動き方が違います。

 

ここが面白い。

 

同じ中央線に乗っていても、

全部同じように上がるわけではないんです。


5駅を一覧にすると、こんな感じです

 

 

 

ここまで一駅ずつ見てきましたが、

文章だけでは分かりにくいので一度並べてみましょう。

 

コスモスクエア|10年前と今

 

比較時期 中古マンション価格の目安
2016年頃 約2,100万~3,000万円
2026年頃 3,000万円台半ば~4,000万円台
10年間の変化 価格帯が一段上へ

 

※専有面積・階数・向きなどによって価格差があります。

 

現在も70㎡換算の売出相場は

約3,987万円というデータがあります。

 

マンション価格情報サイト|マンションレビュー

 

弁天町|10年前と今

 

比較時期 中古マンション価格の目安
2016年頃 約3,580万円
2026年頃 4,000万~5,000万円台
10年間の変化 上昇

 

※住戸条件が異なるため、

同一住戸の単純比較ではありません。

 

阿波座|10年前と今

 

比較時期 坪単価の目安
2016年頃 約138万円/坪
2026年頃 約200万円/坪前後
10年間の変化 約+60万円/坪

 

※阿波座はマンション数が多く、築年数・駅距離・規模

による価格差も大きいエリアです。

 

2021~2026年の実取引データでも

坪単価中央値207万円という集計があります。

 

Homy Estate

 

森ノ宮|10年前と今

 

比較時期 中古マンション価格の目安
2016年頃 約1,680万~2,298万円
2026年頃 4,000万円台半ば
10年間の変化 大きく上昇

 

※階数・室内状態・築年数など条件差があります。

 

2026年の実取引集計では、取引された物件の

平均築年数が前年より若くなっており、

単純な前年比較には注意が必要です。

 

ウチノカチ

 

長田|10年前と今

 

比較時期 65~70㎡前後の価格目安
2016年頃 約1,500万円前後
2026年頃 約2,200万~2,500万円前後
10年間の変化 +700万~1,000万円程度

 

※長田は同一マンションの比較ではなく、

周辺の中古マンション相場を参考にした目安です。

 

また2026年の駅平均は築浅・小面積の取引が増えた影響を

強く受けているため、その平均単価をそのまま70㎡へ

掛ける比較は避けました。

 

ウチノカチ

 

ほんなら5駅を並べてみましょう!

 

駅 2016年頃 2026年頃 変化
コスモスクエア 約2,100万~3,000万円 3,000万円台半ば~4,000万円台 ↑
弁天町 約3,580万円 4,000万~5,000万円台 ↑
阿波座 約138万円/坪 約200万円/坪前後 ↑
森ノ宮 約1,680万~2,298万円 4,000万円台半ば ↑↑
長田 約1,500万円前後 約2,200万~2,500万円前後 ↑

 

※あくまで相場観を養うための比較です。

 

売出価格・成約価格、専有面積、築年数、階数、

向きなど条件が異なるため、同一条件での

価格上昇率を示したものではありません。

 

また、公開情報には売出価格・取引情報・参考相場など

性格の異なるデータが含まれるため、すべてを同一条件の

「成約価格」として比較したものではありません。

 

この表を見て「森ノ宮が1位!」で終わったらあきません

 

 

 

パッと見ると森ノ宮の上昇がかなり目立ちます。

 

でも今回やりたいのは、

「森ノ宮が優勝!」

というランキングではありません。

 

むしろ見てほしいのは、同じ大阪メトロ中央線でも

これだけ動き方が違うことです。

 

そしてもう一つ。

 

コスモスクエアのように過去と現在で拾える

データの種類が違ったり、弁天町のように

同じマンションでも階数によって

価格が大きく変わったりします。

 

だから中古マンションの相場を見るときは、

「昔2,000万円、今4,000万円。はい2倍!」

ではあかんのです。

 

条件を揃える。

何の価格なのか確認する。

 

そのうえで全体の価格帯を見る。

 

これも相場観です。

 


ここでもう一つ「なるほど!」と思ってほしい

 

現在価格が高いから、

一番値上がりしたとは限りません。

 

例えば、

2,000万円から3,000万円なら、

+1,000万円、上昇率50%。

 

3,500万円から4,700万円なら、

+1,200万円、上昇率約34%。

 

値上がり額なら後者。

上昇率なら前者です。

 

さらに中古マンションでは、

階数・向き・専有面積・角部屋・リフォーム・

眺望・管理状態などでも価格が変わります。

 

だからネットで一件だけ4,500万円の物件を見つけて、

「このマンションの相場は4,500万円や!」

とは言えません。

 

何件か見る。過去も見る。

坪単価も見る。

 

そして街そのものがどう変わったのかも見る。

 

これを繰り返していくと、

少しずつ相場観が身についてきます。

 


相場観とは「価格を暗記すること」ではありません

 

私は長く不動産の仕事をしていますが、

それでも昔の価格が頭に残っていることがあります。

 

だから現在の価格を見て、「高っ!」

と思うこともあります。

 

でも、昔は安かったから、今が高すぎる。

とも限りません。

 

その10年間に何があったのか。

 

交通はどうなった?街はどう変わった?

新しい施設はできた?

 

中古マンションの売物件は多い?少ない?

買いたい人は増えた?

 

そこまで見て初めて、

「なるほど。だから今この価格なんやな」

となるんです。

 

これが中古マンションの相場観やと思います。

さて、中央線沿線で中古マンションをお探しのあなた!

 

 

コスモスクエア。弁天町。

阿波座。森ノ宮。そして長田。

 

 

同じ大阪メトロ中央線でも、

価格帯も違えば、この10年間の動き方も違います。

 

高いから良い。

安いからお買い得。

そんな単純な話でもありません。

 

現在を見る。

過去を見る。

 

そして街を見る。

 

最後はもちろん、

「自分ならここに住みたいな」

これも大事です。

 

少し相場観を養ったところで――

 

さて、中央線沿線で中古マンションをお探しのあなた!

どの駅にしましょうかね?

 

 

筆者松本 親幸
  • 不動産キャリア29年
  • 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
  • 宅地建物取引士
個人的には今までの不動産業経歴において1,500件超のお取引に関わっております。
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若い時にはリフォームの仕事も経験済。
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