増築未登記あるある 〜長屋・連棟・古い家で本当に起きていること、売却や税金で困らないための全ポイント〜(増築未登記の授業でございます~)
みなさん、こんにちは。
今日は「増築未登記」について、
しっかりと授業していきますね。
増築未登記――難しそうに聞こえますが、実は大阪の古いお家や長屋、連棟住宅では “ほぼ当たり前にある問題” なんです。
まるで昔の宿題のプリントが机の奥にぐちゃっと残っていて、気がついたら提出してなかった……そんな感じに似ています。
「え?そんな大事なもの、なんで放置されてるの?」
「未登記って違法なんじゃないの?」
「売る時どうなるの?」
たくさんの疑問がありますよね。
でも大丈夫。今日はゆっくり噛み砕いてお話し
していきますので、一緒に理解していきましょう。

■ まず、未登記とは何でしょう?
未登記とは、簡単に言うと 工事で増やした部分が
登記されていない状態 のことを言います。
登記というのは“建物の身分証明書”みたいなもの
ですから、本来なら増築したら書き換えるべきなんです。
でもね、昭和の時代のお家って、「お父さんが日曜大工で少し部屋を増やした」「隣の家がやってるからウチも同じように屋根伸ばしてん」「台所だけ奥に出した」なんてことが、ほんっとうに多かったんです。
そして、それを“登記する必要がある”なんて
意識はほとんどありませんでした。
まして長屋や連棟のようにお隣と密着したお家では、「まあええやろ」「昔からこうやし」と、そのまま何十年も経ってしまうんです。
だから未登記部分があるというのは“悪いこと”というより、昔の時代背景と文化がそのまま残っているだけと言った方が正しいんですね。

■ 大阪市は未登記の把握が
比較的しっかりしている理由
ここで少し行政の実情をお話しましょう。
大阪市は、固定資産税の実地調査が
わりと丁寧なんです。
税務課の職員さんが定期的にエリアを巡回して、増築
されていそうな建物をチェックする仕組みがあります。
だから未登記を“完全に”とは言いませんが、
比較的把握できているほうなんです。
ところが――
大阪府内の他の市町村では、
それぞれ事情も財政も人員も違います。
実際には 昔の図面のまま、現地調査が
追いついていない自治体 もあるんですよ。
その結果、こんなことが起こります。
- 未登記のはずなのに固定資産税だけは上がっている
- 逆に、増築してるのに税金が安いまま
- 登記と税務が全く違う面積になっている
- 役所によって「知ってること」の差が激しい
- 売却時に初めて“未登記”と言われて驚く
どれも、今の現場で本当に起きていることです。
なので、「ウチの市ではどうかな?」と、
一度確認する価値は十分ありますよ。

■ “増築未登記あるある” を10個まとめてみましょう
このあたりは、実際に不動産の相談で
よく出てくる内容です。
あなたのお家も当てはまっているか、
ちょっと心の中でチェックしてみてくださいね。
- 台所だけ奥に増築してある
- トタン屋根を横に伸ばして物置代わりのスペースを作っている
- お父さんのDIYで知らないうちに“部屋扱い”の空間ができている
- 2階の一部だけ増築している
- 境界ギリギリまで壁を寄せている
- 隣の家と屋根がつながっている(長屋あるある)
- 本体は登記されているのに、増築部分だけ未登記
- 固定資産税は増築分で上がっているのに登記がそのまま
- 相続したら「登記と全然ちゃう!」ことが判明
- 売却前の査定で初めて未登記を指摘されて慌てる
どうですか?
ひとつは当てはまった方、多いのでは?
でも、心配しなくて大丈夫です。
これは珍しいことではなく、
長屋・連棟・昭和の古家の共通点なんです。

■ 未登記部分があると起こる“困りごと”を知っておきましょう
「じゃあ未登記でも放っておいていいの?」
というと、そうでもありません。
特に売却をする時、次の3つの問題はよく出てきます。
- 売買契約で「登記面積と現況面積が違いますよ」と突っ込まれる
- 買主さんの住宅ローン審査が通らないことがある
- 固定資産税の評価がズレている可能性がある
つまり、未登記は放置しておくと、売る時に
困りやすいということですね。
でも対処方法はありますので、安心してくださいね。
■ 未登記部分がある場合の対処方法
未登記が見つかった時の選択肢は、大まかに3つあります。
- 費用をかけて増築部分を登記する
- 未登記のまま“現況有姿(げんきょうありすがた)”で売る
- 一部を撤去して登記内容と一致させる
どれが正解かは、本当にケースバイケースです。
築年数、売却価格、長屋かどうか、
越境の有無などによって選択が変わります。
先生としてはこう考えます。
無理に全部を整える必要はないけれど、
売却前に状況を把握しておくのは絶対に大事
ということです。
なぜなら、知らずに売るとトラブルになるからです。

■ 行政の評価ズレで起きる“税金の話”も大事です
未登記部分があると、税金(固定資産税)
にも影響が出やすいんです。
例えばこんなケースがあります。
- 登記は昔の面積のまま
- 現況は増築されている
- 税務課は現況を把握して固定資産税を上げている
- でも法務局の登記はそのまま
つまり、「税金だけ増築分がカウントされている」
という状態ですね。
逆に、増築しているのに税金が安いままのケースもあり、これは“得してる”状態ですが売却しようとすると、そこで初めて話がややこしくなります。
このあたり、自治体の調査精度に
よって本当に差があります。
大阪市は比較的整っていますが、
他の行政は古い情報を持っている場合が多いです。

■ 増築未登記のチェック方法
これは難しそうですが、実は素人でも簡単にできます。
・登記事項証明書の面積を見る
・固定資産税の納税通知書の面積を見る
・現地を見て「この部分だけ新しい?」と気づく
・近隣の長屋と比べて“形が違う”ところを探す
案外、この“見比べる”だけで分かることが多いんですよ。
■ 未登記でも大丈夫なケース/ダメなケース
未登記だからと言って全部がダメではありません。
例えば、
・古家扱いで売却する
・買主さんが建て替え前提
こういったケースでは未登記が問題になりません。
逆に、
・買主さんが住宅ローンを使う
・増築部分が隣に越境している
こんな時は、未登記を整理しないと売却が進みません。

■ 増築未登記は“歴史”であって“失敗”じゃありません
ここまで聞いて、「なんやウチ問題だらけやん…」
と落ち込まないでくださいね。
増築未登記というのは、昭和の住宅文化の名残であり、
昔の暮らしの知恵でもあるんです。
だからあなたが悪いわけでも、
お家がダメなわけでもありません。
大切なのは、今の時代に合わせて
適切に扱うことこれだけです。
そして、分からないことがあれば
専門家に相談すればいいんです。
学校の先生でも、全部の教科を
完璧に知っているわけではありません。
でも分からないところは分かる人に聞けば、
必ず道は開けます。

■ まとめ:増築未登記は珍しくありません。まずは状況を知ることから。
今日の授業で大事なポイントは次のとおりです。
・増築未登記は長屋・連棟では“ほぼあるある”
・大阪市は比較的把握しているが、他行政は精度に差がある
・未登記があると売却やローンに影響することもある
・対処方法は複数あるから慌てる必要はない
・まずは現況と登記と税金を照らし合わせて確認する
そして一番伝えたいことは――
知らないまま進めるのが一番もったいない
ということです。
早めに状況を把握し、必要な部分だけ整えれば、
後でトラブルになることは避けられます。
今日この文章を読んでくださったあなたは、
もうすでに一歩前に進んでいますよ。
困った時は“先生”に相談するように、
不動産の専門家にも気軽に相談してみてくださいね。
みなさんの不安が少しでも軽くなって、
安心して前に進めるよう応援しています。

