大阪の長屋相続で「売れない」「引き取れない」と言われる本当の理由 ──実は多くの人が“途中で止まっているだけ”という現実

はじめに|大阪の長屋相続は「詰んでいる」のではない
「相続した長屋、売れないって言われました」
「名義変更できへんらしくて…」
大阪で長屋を相続した人から、
こうした声を聞くことは珍しくありません。
特に 大阪市 を中心とした下町エリアでは、築年数が古く
権利関係が複雑な長屋が今も数多く残っています。
ただ、最初に結論を言ってしまうと、
「大阪の長屋は相続できない・売れない」
という話の多くは“誤解”です。
正確に言えば、相続や売却が「不可能」なのではなく、
途中の整理ができていない状態で止まっている
このケースが圧倒的に多いのが実情です。
この記事では、大阪の長屋相続でよくある
「売れない」「無理や」と言われる理由を、
実務の流れに沿って丁寧に解説していきます。
読み終えた頃には、「何が問題で、どこから
手を付けるべきか」が自然と見えてくるはずです。

大前提|長屋でも相続そのものは可能
まず勘違いされやすいポイントですが、
長屋だから相続できないという法律は存在しません。
戸建てであろうが、マンションであろうが、長屋であろうが、「被相続人(亡くなった方)が所有していた財産」であれば、相続の対象になります。
それにもかかわらず、
- 相続できない
- 名義変更が無理
- 売れないから放置するしかない
と話が進まなくなるのは、長屋特有の
“つまずきポイント”が複数重なりやすいからです。
ここからは、その代表的な理由を順番に見ていきましょう。

理由①|登記名義が古すぎる・そもそも違う
大阪の長屋相続で、一番多い原因がこれです。
よくある状況
- 名義が祖父・曾祖父のまま
- 昔の売買で登記を変えていない
- 未登記建物になっている
この状態では、「今亡くなった人の相続」として
手続きを始めることができません。
なぜなら、相続登記は“亡くなった人が
名義人であること”が前提だからです。
そのため、
- 古い名義の相続をやり直す
- 場合によっては数世代分さかのぼる
という作業が必要になり、ここで「無理」「ややこしい」
と止まってしまう人が非常に多いのです。

理由②|相続人が多く、話がまとまらない
長屋は同じ家に何十年も住み続けてきたケースが多く、
その結果、相続人の数が増えがちです。
実際によくあるケース
- 相続人が8人、10人以上
- 連絡が取れない人がいる
- 1人だけ反対している
不動産の相続・売却は、
相続人全員の合意が原則になります。
つまり、たった1人でも同意しなければ、
手続きは前に進みません。
この段階で「もう無理やな…」と諦めてしまう人も
少なくありませんが、実際には整理の順番を
間違えているだけ、というケースも多いです。

理由③|再建築不可=価値がないと思い込んでいる
大阪の長屋には、**再建築不可(さいけんちくふか)**
の物件が非常に多く存在します。
再建築不可とは、今ある建物を壊すと、
新しく建て直すことができない土地のことです。
この言葉を聞いた瞬間に、
- 価値がゼロ
- 売れない
- 相続する意味がない
と考えてしまう人が多いのですが、これは大きな誤解です。
再建築不可でも、
- 立地
- 使用状況
- 権利関係
によっては、実際に取引されている
ケースは数多く存在します。
「建て替えできない=何もできない」
ではない、という点を知らないまま
止まってしまう人が非常に多いのです。

理由④|長屋特有の共有関係が整理されていない
長屋は、構造上どうしても
隣家との共有部分が発生します。
- 壁を共有している
- 屋根や排水がつながっている
- 境界が曖昧
こうした状態が長年放置されていると、
- 登記と現況が合わない
- 責任範囲が不明確
- トラブルを懸念される
といった理由で、「扱いづらい物件」
と判断されがちです。
ただしこれも、即アウトという話ではありません。
現状を把握し、説明できる状態にするだけで、
評価が大きく変わることもあります。

理由⑤|増築・改修の履歴が不明確
大阪の長屋では、昔に行われた増築や改修について、
- 記録が残っていない
- 建築確認がない
- 登記面積と違う
といったケースが非常に多く見られます。
これを聞くと「違法やから無理なんちゃうか」
と不安になりますが、これも誤解されがちな点です。
重要なのは、現状を正しく把握し、
説明できるかどうか。
それができないまま「よく分からない家」
という扱いになると、話が止まりやすくなります。

理由⑥|相続放棄と“放置”を混同している
「どうせ売れないし…」「手間かかるだけやし…」
そう考えて、正式な相続放棄をしないまま
放置してしまう人も多いです。
しかし、これは非常に危険です。
放置するとどうなるか
- 固定資産税の請求は続く
- 管理責任が残る
- 老朽化による近隣トラブル
結果として、「何もしていないのに負担だけ増える」
という状態に陥ってしまいます。

理由⑦|最初に断られた言葉を信じ切ってしまう
最後に多いのが、これです。
- 不動産会社に断られた
- 0円と言われた
- 扱えないと言われた
ただしこれは、その会社の基準では難しかったと
いうだけの話であることも多いです。
長屋は、
- 扱う側の経験
- 見るポイント
- 出口の考え方
によって、判断が大きく分かれます。
一度の否定で「もう終わりや」と決めつけてしまうのは、
非常にもったいないケースが多いのです。

まとめ|大阪の長屋相続は「理由の言語化」から始まる
大阪の長屋相続で大切なのは、
感情やイメージではなく、
- 何が原因で止まっているのか
- どこまで整理できているのか
- 次に何を判断すべきか
を一つずつ言語化することです。
「相続できない」「売れない」と悩んでいる多くの人は、
実はスタート地点で立ち止まっているだけ
というケースが少なくありません。
もし今、長屋相続で不安や行き詰まりを感じているなら、
まずは状況を整理するところから始めてみてください。
それだけで、見える景色が大きく変わることも、
決して珍しくありません。

不動産売買等でのよくある質問
長屋の相続登記は必ず必要ですか?
はい。
2024年以降、相続登記は義務化されています。
放置すると過料の対象になる可能性があるため、
早めの対応が安心です。
再建築不可の長屋でも売却できますか?
可能です。
ただし一般的な戸建てとは評価方法が異なるため、
状況を理解した上で判断する必要があります。
相続人が多くても進められますか?
進められますが、全員の合意形成が前提です。
整理の順番を誤らないことが重要です。
空き家のまま放置するとどうなりますか?
固定資産税や管理責任が続き、
老朽化によるリスクが高まります。
早めに方向性を決めることが大切です。

