東京の中古マンション平均1億円時代を、大阪のサラリーマンはどう見る?──誰が買えるのか、その現実
東京の中古マンション、平均1億円を超えたという衝撃
2025年9月。
東京の中古マンションの平均価格が
ついに「1億円」を超えました。
ニュースでその見出しを見た大阪のサラリーマンの多くが、思わず口にした言葉が「誰が買えるねん?」ではないでしょうか。
実際、不動産経済研究所の最新データによれば、東京都心6区(港・渋谷・千代田・中央・新宿・文京)の中古マンション平均価格は、1億円を突破。
もはや「億ション」は特別な存在ではなく、30〜40代の共働き世帯が検討する一般的な価格帯になりつつあります。
なぜここまで価格が上がっているのか。
その背景には3つの要因があります。

1️⃣ 建築費の高騰
鉄骨やコンクリートなどの資材価格はコロナ前より3〜4割上昇。
加えて人件費や物流コストも高騰しています。
2️⃣ 供給の減少
新築マンションの着工数は年々減少。都心の土地が限られており、希少性が高まっています。
3️⃣ 富裕層・投資マネーの流入
円安を背景に、海外投資家や国内の資産家による購入が増加。
現金一括購入も多く、価格を押し上げています。
つまり、東京の不動産市場は「実需」だけでなく、
「投資」と「希少性」で動いているのです。
1億円のマンション、住宅ローン返済額の現実
では、もし1億円の中古マンションを購入するとしたら、返済はいくらになるのでしょうか?
以下に、一般的なローンシミュレーションを
出してみましょう。
| 項目 | 条件 | 結果 |
|---|---|---|
| 物件価格 | 1億円 | |
| 頭金 | 1,000万円(1割) | |
| 借入額 | 9,000万円 | |
| 金利 | 1.2%(固定) | |
| 返済期間 | 35年 | |
| 月々返済額 | 約27万6,000円 | |
| 年間返済額 | 約331万円 | |
| 必要年収目安 | 約950〜1,000万円 |
※返済比率35%で算出
つまり、年収1,000万円の共働き世帯でようやく手が届くレベル。
東京都の平均年収は約620万円、大阪府は約570万円。
実に、その差は5万円ほどしかありません。
収入が変わらないのに、住宅価格は2倍近く──
これが今の“都市格差”の象徴です。

東京と大阪6区のマンション価格を比較してみる
では、大阪ではどのくらいの価格で
中古マンションが買えるのでしょうか。
2025年時点の大阪主要6区の平均価格を整理すると、次の通りです。
| エリア | 平均価格(㎡単価) | 想定70㎡価格 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 北区(梅田) | 約110万円 | 約7,700万円 | うめきた2期開発で上昇中 |
| 中央区(本町・堺筋本町) | 約90万円 | 約6,300万円 | オフィス併設再開発エリア |
| 西区(新町・堀江) | 約85万円 | 約5,950万円 | 若年層・DINKSに人気 |
| 福島区 | 約80万円 | 約5,600万円 | 駅近物件は堅調 |
| 天王寺区 | 約75万円 | 約5,250万円 | 教育エリア需要あり |
| 浪速区 | 約70万円 | 約4,900万円 | リノベ需要・投資中心 |
東京では1億円が“平均”ですが、
大阪の中心部ではまだ5,000万〜7,000万円台。
まさに「価格は半分、生活の質は同等」という構図です。
同じ年収でも「買える家」がまったく違う
たとえば、共働きで年収700万円ずつ、
世帯年収1,400万円の家庭を考えてみましょう。
| 都市 | 予算上限(返済比率35%想定) | 買えるマンション |
|---|---|---|
| 東京23区 | 約8,000万円 | 50㎡台・築20年・駅徒歩15分 |
| 大阪市内中心部 | 約8,000万円 | 70㎡台・築10年以内・駅徒歩10分 |
同じ年収でも、東京では“ワンサイズ小さい家”しか買えないというのが現実。
しかも東京は管理費・修繕積立金・固定資産税も高く、
生活コスト全体が重くのしかかります。

誰が1億円の中古マンションを買っているのか?
購入者層を見ていくと、もはや「普通のサラリーマン」ではありません。
- 共働き高年収層(年収1,500万円以上)
金融・医療・IT業界など、ダブルインカムでローンを組める層。 - 富裕層・相続資金層
親世代の資産を引き継ぎ、頭金数千万円を入れて購入。 - 現金購入の投資家・外国人層
円安で海外資金が東京不動産へ流入。投資・節税・安全資産の意味合いが強い。
つまり“住宅”というよりも“金融商品”として
買われているのが東京の1億円マンションです。

大阪サラリーマンが感じる“住宅格差”のリアル
大阪で年収600〜700万円のサラリーマンなら、「70㎡・3LDK・駅徒歩10分以内・築10年」のマンションが現実的に購入可能。
東京ではその価格で「50㎡・2LDK・築20年・郊外」。
通勤は片道1時間超、駐車場代も別途3万円。
「同じ仕事をしてるのに、東京では“ワンルーム暮らし”しかできない」──そんな声が増えているのも当然です。
一方で、大阪は生活コストのバランスが良く、「家族と暮らす」「趣味に時間を使う」など、生活の豊かさを維持しやすいエリア。
まさに“無理をしない都市型ライフ”が成り立つ場所です。

今後の中古マンション価格はどうなる?
では、この高騰はいつまで続くのか。
不動産専門家の見解をまとめると、次のようになります。
■ 東京:高止まり+二極化へ
- 都心部は再開発(麻布台・高輪ゲートウェイ)などで高値維持
- 外資・富裕層の需要が続き、価格は下がりにくい
- ただし、郊外・築古物件は値下がり傾向。選別化が進行
■ 大阪:緩やかな上昇
- うめきた2期、万博、IR開業などの再開発で人気エリアは上昇
- 市全体としてはバブル的な過熱は少なく、安定推移
- 利回り重視の投資層が支えとなり、堅調な市場が続く見込み
結論:東京は高止まり、大阪は実需安定。
ただし、いずれの都市でも「金利上昇」には注意が必要です。

「買わない」も合理的な選択肢に
家を持つことが“ゴール”だった時代は終わりました。
東京で1億円のローンを背負うより、賃貸+資産運用で流動性を保つ方が合理的なケースも増えています。
大阪はその中間。
実需+資産形成のバランスが取れる
「買っても無理がない都市」。
マイホームを“住むため”だけでなく、
“守るための資産”として考える価値があります。
まとめ|「1億円マンション時代」に問われる、暮らしの優先順位
東京の中古マンションが平均1億円を超える時代。
大阪のサラリーマンから見れば、それはまるで別世界。
でも、嘆くよりも“知る”ことが大切です。
住宅価格は変えられませんが、「どこに住むか」「どう資産を持つか」は自分で選べます。
無理して東京に家を買うより、
自分に合った都市で堅実に暮らす。
それがこれからの時代の“豊かさ”なのかもしれません。

大阪から見る「東京の家事情」は、資産を考えるヒントになる
東京の1億円マンションを他人事にせず、「なぜ価格が動くのか」「大阪ではどうなるのか」を理解することが、
あなたの資産を守る第一歩です。
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不動産売買・資産形成でよくある質問(FAQ)
Q1:東京と大阪の住宅ローン返済負担率は?
A:東京は平均40〜50%、大阪は30%前後。生活余力が大きく違います。
Q2:東京の中古マンションは今後下がらない?
A:金利や需給次第で一部調整はありますが、都心部は高止まりが続く見通しです。
Q3:大阪のマンション価格は上昇しますか?
A:再開発エリア中心に上昇傾向。ただし東京のような“過熱”は限定的です。
Q4:サラリーマンでも東京で買う方法は?
A:共働きローン・築古リノベ物件・郊外検討で可能。ただし無理なローンは禁物です。

