相続した家が「思ったより安い」と言われる本当の理由 〜不動産屋が本当は声をひそめて言いたい話〜
相続した家を売ろうとして、不動産屋に
こう言われた経験、ありませんか。
「……思ってたより、値段つかないですね」

この一言。
正直、めちゃくちゃショックです。
心の中ではこう思ってるはずです。
- 「いやいや、ここ大阪市内やで?」
- 「駅も一応徒歩圏内やし」
- 「親が一生懸命建てた家やのに」
- 「土地やって、タダちゃうやろ?」
せやのに出てきた金額は、
ネットで見た相場の半分以下。
「え、冗談でしょ?」
「どっか他に頼んだ方がええんちゃう?」
──ほぼ全員、ここ通ります。

でも先に言います。
これ、不動産屋がボッてるケースより、
“家そのものが値段落ちる条件を全部持ってる”
ケースの方が圧倒的に多いです。
この記事では、相続した家が「思ったより安い」と
言われる本当の理由を、順番に、正直に解説します。

まず大前提:相続人の「思ったより高い」は、だいたい思い込み
これは厳しいけど事実です。
相続した家の価格イメージって、
だいたいこうやって作られてます。
- 親が「この家はええ場所や」と言ってた
- 近所でマンションが高く売れてた
- 固定資産税の評価額を見て想像
- ネットの相場をなんとなく検索
これ、全部“実際の売却価格”とはズレます。
特に一戸建て・古家・長屋は、ネット相場が
ほぼ参考になりません。

理由①:建物が「価値ゼロ」どころかマイナスになる
まず一番多い原因。
築年数、想像以上にシビア
不動産の世界では、
- 木造:築20〜25年
- 鉄骨:築30年
- RC:築40年
これを超えると、建物の価値はほぼゼロです。
「まだ住める」「昔は立派やった」
これは売却価格とは一切関係ありません。
むしろ、
- 老朽化
- 雨漏り
- シロアリ
- 解体費がかかる
となると、マイナス評価になります。
不動産屋の頭の中では、土地価格 − 解体費 =
売値のベースこうなってることも普通です。

理由②:土地が「使いにくい」だけで一気に安くなる
次に多いのがこれ。
道が細い
大阪、特に多いです。
- 前面道路2m台
- 軽トラしか入らん
- そもそも車入らん
この時点で、買う人は一気に減ります。
なぜか。👉 建て替えできるか分からんから

セットバックが必要
「セットバック?なにそれ?」
ここで価格がガクッと落ちます。
- 建て替えたら土地が減る
- 思ってた家が建たない
- 駐車場取れない
これ、買う側からすると不安の塊です。
結果、「じゃあ安くないと無理ですね」になります。

理由③:隅切り・角地なのに“得してない”
これも相続あるある。
「角地やから高いやろ?」
…と思ったら、
- 隅切りが必要
- 実質使えない土地が多い
- 建ぺい率が思ったより使えない
角地=高いではありません。
角地+制限多め=ただの使いにくい土地
になることも普通にあります。

理由④:「再建築不可」の疑いがあるだけで激安になる
ここ、めちゃくちゃ重要です。
不動産屋がちょっと言葉を濁したら要注意。
「再建築、グレーですね…」
この瞬間、値段は一気に下限方向へ行きます。
なぜか。
- 買った人が建て替えできないかもしれない
- 金融機関がローン出さない
- 将来、売れなくなる
つまり、
👉 次に困るリスクを全部、価格に織り込まれる
ということです。

理由⑤:長屋・連棟というだけで敬遠される
これも大阪あるある。
- 見た目は普通
- でも壁くっついてる
- 境界あいまい
長屋・連棟は、
- 解体が難しい
- 隣と揉めやすい
- 単独建て替え不可
こう思われがちです。
結果、「安かったら検討します」の世界になります。

理由⑥:「相続人側の事情」は価格に一切関係ない
これ、地味に刺さります。
- 「兄弟で分けなあかん」
- 「早く現金化したい」
- 「固定資産税しんどい」
これ、市場価格には一切反映されません。
むしろ買う側からすると、「急いでるなら、
安くいけるな」と思われることすらあります。

理由⑦:「思い出」は1円にもならない(悲しいけど)
これは一番つらい。
- 親との思い出
- 子どもの頃の記憶
- 家族の歴史
これ、売却価格には一切乗りません。
買う人から見たら、
- 古い家
- 条件多い土地
- リスクあり
それだけです。

じゃあ、どうしたらええん?
ここまで読んで、
「もう安く売るしかないんか…」
と思った方。
ちょっと待ってください。
ポイントは3つだけ
1️⃣ なぜ安いかを正確に知る
2️⃣ “安い理由”を整理する
3️⃣ 売り方を間違えない
これだけで、数百万円変わるケースも普通にあります。

まとめ:安い=ダメな不動産、ではない
相続した家が「思ったより安い」と言われるのは、
- 家が悪い
- あなたが悪い
わけではありません。
ただ、
👉 今のルールで見ると、条件が厳しい
それだけです。
ちゃんと理由を理解すれば、
- 売り急がない判断
- 直さない選択
- 現状のまま売る決断
全部、戦略になります。

最後に一言
相続不動産で一番もったいないのは、
「なんとなく安いから、まあええか」
で手放すことです。
理由を知るだけで、選択肢は増えます。

