路地の奥に眠る相続物件たち|大阪市“空き家相続ゾーン”ランキングと街の記憶
はじめに|なぜ大阪市に「相続空き家ゾーン」が生まれるのか?
大阪市は、東京とは違う。
戦前から続く長屋文化、戦後の住宅難、
密集地の形成、商人町の名残。
そして今。
その多くが、
- 子ども世代は郊外へ
- 親世代が高齢化
- 相続はしたが使わない
という構図になっています。
相続空き家が多い区には、歴史的理由があります。
本記事では、
- 相続空き家が多い区ランキング
- 各区の特徴的物件種別
- なぜその街に多いのか
- 逆に少ない区はどこか
を深掘りします。
🏆 第1位:大阪市生野区
― 路地と長屋が残る“戦前住宅地の記憶”

なぜ多い?
- 戦前からの住宅地
- 木造密集地が広範囲
- 戦後も長屋供給が多い
生野区は、昭和初期の長屋が現役で残るエリア。
多い物件種別
- 土地10〜20坪の長屋
- 再建築不可長屋
- 共有壁切り離し未実施物件
- 境界未確定物件
特に「接道2m未満」問題が多い。
歴史背景
戦前、大阪は日本最大の工業都市。
労働者向け住宅として長屋が大量供給されました。
その名残が今も残ります。
🥈 第2位:大阪市西成区
― 下町と再生のはざまで止まる相続

特徴
- 古い長屋比率高い
- 小規模宅地多い
- 投資家需要もある
多い物件
- 10坪以下狭小長屋
- 老朽化著しい木造
- 再建築不可率高め

歴史背景
戦後の日雇い労働市場と住宅密集地形成。
高度経済成長の裏側で形成された街並み。
🥉 第3位:大阪市平野区
― 広いようで古い、昭和郊外の盲点
平野区は広い。
しかし、昭和40年代の戸建てが大量供給。
築50年以上物件が相続期に入っています。
多い物件
- 15〜20坪長屋
- 連棟住宅
- 再建築条件付き戸建て
第4位:大阪市東住吉区
― 昭和ベッドタウンの相続波

昭和後期の戸建て団地エリア。
相続発生世代が集中。
第5位:大阪市住之江区
― 港湾と住宅の混在エリア


工業地帯近接エリアに長屋残存。
逆に“相続空き家が少ない区”
大阪市中央区
大阪市北区

理由:
- マンション比率高い
- 土地分筆少ない
- 相続=売却が早い
- 資産性高い
大阪市の歴史が相続空き家を生んだ
大阪は
- 商人の町
- 工業都市
- 戦災と復興
- 高度経済成長
という波を経て、長屋文化が根付きました。
今その建物群が相続期に突入。

相続空き家の共通点
- 接道問題
- 再建築不可
- 共有壁
- 名義未整理
- 境界未確定

まとめ|ランキングの本質
相続空き家が多い区は、歴史が濃い区。
少ない区は、再開発が進んだ区。
大阪の街の記憶が、
そのまま相続問題になっているのです。

追記①|大阪市“再建築不可物件”の割合傾向
まず前提です。
再建築不可(※建築基準法上の接道義務を満たして
いない物件)は大阪市全体で公式統計はありません。
しかし、現場感覚とエリア特性から見ると、
木造密集地=再建築不可率が高い傾向があります。
🔥 再建築不可傾向が高い区
🥇 大阪市生野区
- 路地奥物件が多い
- 接道2m未満事例が散見
- 昭和初期長屋が密集
体感割合傾向:高め
(エリアによっては3割前後が再建築困難)
🥈 大阪市西成区
- 細街路エリア多い
- 長屋連棟構造多数
- 境界未確定物件あり
体感傾向:やや高い

🥉 大阪市平野区
- 戦後住宅地
- 昭和戸建て群
- 接道不足区画あり
体感傾向:エリア差大
⚖ 再建築不可が比較的少ない区
大阪市中央区
大阪市北区
- マンション中心
- 区画整理済
- 再開発エリア多い
再建築不可という概念自体が少ない

👂 専門家の天の声
「再建築不可は“売れない”ではなく
“買主が限定される”という意味です。」
追記②|専門家から見る“相続空き家”おすすめ売却法
物件タイプ別に整理します。
🏚 ① 再建築不可長屋
おすすめ戦略:
✔ 仲介で投資家向け販売
✔ 再生業者への直接買取
✔ 隣地所有者への打診
再建築不可でも、
- 賃貸再生
- 倉庫利用
- 隣地拡張
の需要はあります。

🏘 ② 20坪前後の長屋(再建築可)
おすすめ戦略:
✔ 仲介中心
✔ 更地想定価格も確認
✔ 切り離し可否確認
切り離しが可能なら価格上振れ余地あり。
🏠 ③ 戦前長屋(築70年以上)
注意点:
- アスベスト
- 傾き
- 境界未確定
おすすめ:✔ 買取含め比較
✔ 解体費試算を必ず取る

🧾 ④ 名義未整理物件
まず売却よりも:✔ 相続登記✔ 共有整理
✔ 遺産分割協議書作成
ここを怠ると売却は止まります。
相続空き家売却で失敗しない3原則
① 価格だけで会社を選ばない
② 物件特性を理解する
③ 売却期限を決める

よくある質問【見やすく整理版】
Q1|再建築不可って本当に売れるの?
A:売れます。ただし買主層が限定されます。
- 一般住宅購入層 → 難しい
- 投資家・再生業者 → 需要あり
価格は通常より下がりますが、ゼロではありません。
Q2|長屋は解体してから売る方がいい?
A:ケースバイケースです。
長屋は共有壁構造のため、
- 単独解体不可
- 隣家承諾必要
の場合があります。事前確認必須です。
Q3|査定は何社が適正?
A:3〜5社が現実的です。
10社以上は情報過多で判断困難になります。
Q4|相続登記していないと売れない?
A:売却前に登記が必要です。
2024年以降は相続登記義務化。放置はリスク。
Q5|どの区でも空き家は増えている?
A:歴史的住宅地ほど増加傾向。
特に生野区・西成区など長屋文化圏。
Q6|買取は損ですか?
A:価格は抑えめですが、スピードと確実性があります。
時間や精神的コストも含めて判断します。

最終まとめ|大阪の空き家は“歴史の残像”
大阪市の相続空き家は、
- 長屋文化
- 戦前住宅
- 高度経済成長期の供給
という歴史の積み重ね。
再建築不可が多い区は、それだけ街の記憶が濃い。
そして重要なのは、
物件の弱点を理解した上で戦略を立てること。
価格だけでなく、出口まで設計する。
それが相続空き家売却の本質です。

