🏠日本で大阪が一番長屋が多い?全国的な長屋の歴史を振り返る!
こんにちは!
今日は「日本で大阪が一番長屋が多い?」という、
ちょっと気になるテーマを一緒に探ってみましょう。
大阪の街を歩いていると、
道の奥にふと現れる古い木造の家並み。
「えっ、ここだけ昭和?」と思うような
風景に出会ったことはありませんか?
そう、それが“長屋”です。
今でこそタワーマンションが立ち並ぶ難波や天王寺のあたりにも、路地を一本入ると長屋がしっかり息づいています。
なぜ大阪にはこれほど長屋が多いのか?
そして、全国ではどういうふうに広がっていったのか?
街歩き気分で、歴史をタイムスリップしてみましょう!

🧱なぜ大阪には長屋が多いの?
数字と地理から見る「長屋王国」
まずはデータから。
総務省の住宅統計によると、大阪府は全国でも
長屋建て住宅の数が圧倒的に多い地域です。
特に大阪市内では、木造密集地帯(いわゆる“長屋街”)が
今も約10万戸ほど残っているといわれます。
どうしてこんなに多いのか?
理由は大きく3つ。
1️⃣ 土地が狭い&高い
大阪は昔から商業都市。
土地を細かく分けて、少しでも多くの人が住めるようにした結果、間口が狭くて奥に長い“うなぎの寝床”のような形が発達しました。
2️⃣ 商売と生活が一体化していた
「店は一階、住まいは二階」というスタイル。
これが江戸時代からずっと続き、いまの長屋の原型に。
3️⃣ “おすそわけ文化”が根づいていた
関西人の「ちょっとおかずできたで〜」というノリ。
壁が薄くても、人と人との距離が
近いから成立していたんです。
つまり、長屋は大阪の人情のかたちそのものなんですね。

🏮長屋のはじまり:江戸時代の「町人文化」との関係
長屋の原点は、江戸時代の“町人文化”にあります。
当時の大阪(大坂)は“天下の台所”と呼ばれ、
商人たちがひしめき合って暮らしていました。
土地を効率よく使うため、間口を2〜3間(3〜5m)ほどに
区切り、奥行きを長くとる“町家(まちや)”が登場。
それを細かく分けて複数の家族が並んで暮らすのが“長屋”です。
江戸では裏長屋、京都では
町家長屋、大阪では職住一体の長屋。
呼び名や造りは違えど、**庶民の生活を支える
「みんなで住む家」**という発想は共通していました。
ちなみに、時代劇でよく見る
「八つぁん、熊さん」が暮らしていたのも長屋。
あれは江戸の裏長屋で、火鉢を囲んで
井戸端会議をしていた風景そのものです。

🕰️明治〜昭和:長屋が日本中に広がった時代
明治に入ると、都市部に働く人が増え、
安価で建てられる長屋が全国に広がります。
東京では下町に、名古屋では商人街に、
福岡では港町に──。
中でも大阪の長屋は、独自の発展を見せました。
戦前・戦後を通じて、職人や商人、工場勤務の人たちが
長屋に集まり、地域の中で“助け合い”の文化を築いたのです。
戦後の復興期には、焼け残った長屋を修理して再利用。
“もったいない精神”も手伝って、「建て替えずに使い続ける」
大阪らしい暮らしが根づいていきました。

🏠大阪の長屋文化が続いた3つの理由
では、なぜ他の都市では減っていったのに、
大阪では今も長屋が残っているのでしょうか?
ポイントはこの3つです👇
① 細かく区切られた土地の構造
大阪の土地は、昔の商人たちが相続を繰り返す
うちに“細切れ”になっていきました。
「3間(約5m)×10間(約18m)」の細長い土地を共有し、
そこに長屋を建てて貸す。
土地の形そのものが、長屋にピッタリだったんです。
② 職住一体の商人文化
大阪では「仕事場と住まいを一緒に」が基本。
たとえば、一階で飴を売り、二階で寝る。
「住む」と「稼ぐ」がひとつになっていたから、
長屋の間取りがとても合理的だったんです。
③ 人との距離を楽しむ気質
「隣の音が聞こえるのが普通」
──これが大阪の長屋スタイル。
「おおきに」「ほな、またな」って声がすぐ届く距離。
孤独を感じにくい、温かい暮らし方なんです。

🗾全国の長屋文化を比較してみよう
実は長屋は大阪だけでなく、
全国にいろんな形で存在していました。
| 地域 | 特徴 |
|---|---|
| 東京 | “裏長屋”文化。職人や庶民の共同住宅。人情ドラマの舞台。 |
| 京都 | “町家型長屋”。格式と美観を保ちつつ、保存活動が盛ん。 |
| 名古屋 | “路地型長屋”。商人街や製造業の職人が住んだ。 |
| 福岡 | 戦後に広がった“簡易長屋”。庶民の仮設住宅から発展。 |
| 大阪 | “商人+人情”の融合型。今も現役で使われている数が最多。 |
大阪の長屋は、全国的に見ても**「生きた文化遺産」**。
それが今でも現役なのは、本当に珍しいことなんです。

🧰長屋の再評価:リノベーションと地域再生の最前線
最近は若い世代のあいだでも
「長屋リノベーション」が人気!
築70年以上の長屋をおしゃれにリノベして、カフェ・アトリエ
・ゲストハウスとして再生する動きが広がっています。
例えば──
・大阪市生野区の「生野コレクティブハウス」
・北区中崎町の古民家カフェ群
・空堀(からほり)エリアの“再生長屋ストリート”
どこも、古い木の香りと新しい暮らしが共存していて、
「時間が混ざる街」という感じがとっても素敵なんです。
長屋は単なる住宅ではなく、地域をつなぐコミュニティの器。
再生の現場では、若者と地元の高齢者が
一緒にDIYをしたり、マルシェを開いたり。
“人が集まる力”をいまだに持っているんですね。

💬長屋が教えてくれる、
日本人の「つながり」の原点
長屋と聞くと、「古くてボロい」という
イメージを持つ人もいるかもしれません。
でも、そこにあったのは“人と人とのつながり”という、
今の時代に一番足りないものかもしれません。
壁一枚の向こうから聞こえる「ただいま」「おかえり」。
夜になると、どこかの家からカレーの匂いが漂ってくる。
お正月にはお餅を分け合って、夏には路地で子どもが花火。
長屋の暮らしは、「助け合い」と
「おすそわけ」でできていました。
そして今、そうしたコミュニティをもう一度つくろうという動きが、リノベーションやまちづくりの中で再び始まっています。

🏡未来の長屋:古いけど、これからの暮らしに合ってるかも?
現代の暮らしは便利になったけど、
その分、近所づきあいが減りました。
でも、長屋みたいに“ゆるやかにつながる”暮らし方、実は
これからの時代にピッタリなんじゃないかと思うんです。
- 光熱費をシェアできる
- 空き家をリノベして再利用できる
- 孤独にならず、支え合える
「古い=不便」ではなく、「古い=人間らしい」。
そんな価値観が、いま改めて
注目されているのが“長屋文化”なんですね。

📖まとめ:大阪は“長屋のふるさと”。
そして日本人の心のふるさと
大阪の街を歩けば、どこかで必ず出会う長屋。
それは単なる古い建物ではなく、日本人が長年大切に
してきた「人との距離感」や「助け合い」そのもの。
確かに、建物としての寿命はあるかもしれません。
でも、長屋の精神──「人を大切にする暮らし方」は、
これからも受け継がれていくはずです。
次に難波や天王寺あたりを歩くときは、
ぜひ路地の奥に目を向けてみてください。
そこに、昭和から令和を生き抜く
“長屋の物語”が息づいています。

❓不動産売買等でのよくある質問
長屋とアパートの違いは?
構造と所有形態が違います。
長屋は「壁を共有する隣家型の一戸建て」、
アパートは「一棟を区切った集合住宅」です。
大阪で長屋を購入・再生することはできる?
できます。老朽化が進んでいる物件もありますが、行政の空き家対策やリノベーション支援制度を活用すれば再生可能です。
長屋の耐震性は大丈夫?
築年数が古いものは補強が必要です。
耐震リフォームを行えば、十分安全に暮らせます。
長屋リノベのメリットは?
土地が安く、個性的なデザインにできる点が魅力。
古材を活かした「味のある暮らし」が楽しめます。

