2018年は大阪は地震のあとに台風が来た!しかし築50年超の長屋は案外大丈夫やったけど、空き家の火災保険は大丈夫? ~切り離された長屋と、火災保険に入っていない古家の怖い話~

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2018年の大阪は、本当に大変な年でした。

 

6月18日には大阪府北部を震源とする地震が発生。

 

そして、その約3か月後の9月4日には

台風21号が近畿地方を直撃しました。

 

地震で下から揺さぶられたと思ったら、

今度は台風で上から屋根を持っていかれる。

 

大阪の古い家にとっては、まさに踏んだり蹴ったりの一年でした。

 

 

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当時の台風を経験した人なら、

今でもあの日の光景を覚えているのではないでしょうか。

 

屋根瓦が飛ぶ。

カーポートの屋根が飛ぶ。

 

ベランダの波板が飛ぶ。

看板が飛ぶ。

 

どこから来たのか分からない物まで、

道路の上をコロコロと転がっていく。

 

「これ、外へ出たらあかんやつや……」

 

そう思いながら、

窓の外を見ていた人も多かったはずです。

 

私も不動産業界に長くおりますが、大阪の街であれほど

風の怖さを感じたことは、そう何度もありません。

 

そして、あの時に火災保険へ入っていなかった人は、

本当に大変やったと思います。

 

弊社も火災保険に助けられました。

 

保険は何も起きなければ、

「毎年、保険料ばっかり払っている」と感じます。

 

けれど、あのような災害が実際に起きた時には、

「入っててよかった……」

 

と心の底から思うものです。

 

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築50年超の長屋選手たちは、案外持ちこたえた

 

弊社では当時、築50年以上の

賃貸長屋を何軒か保有していました。

 

もちろん、現在の耐震基準で建てられた住宅ではありません。

 

昭和に建てられ、半世紀以上にわたって

風雨にさらされてきた長屋選手たちです。

 

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2018年6月、大阪府北部地震が発生した時には、

私も心配になりました。

 

「この古い長屋、大丈夫やろか?」

お客さんからも、よく聞かれます。

 

「長屋って、地震が来ても大丈夫なんですか?」

 

これに対して、「絶対に大丈夫です」と

答えることはできません。

 

同じ築50年の長屋でも、建物によって状態は全く違います。

 

これまでにどのような増改築をしたのか。

柱や壁を抜いていないか。

 

雨漏りやシロアリ被害はないか。

屋根や基礎の状態はどうなっているか。

 

耐震診断もせずに、

「長屋は隣とつながっているから、地震にも強いですよ!」

などと言うたらあきません。

 

そんな簡単な話ではないからです。

 

ただし、私が実際に経験したこととして言えば、

2018年の大阪府北部地震では、弊社が保有していた

築50年以上の長屋に大きな被害はありませんでした。

 

そして、その約3か月後にやって来た台風21号。

 

さすがに一部の長屋では屋根に被害が出ました。

それでも、建物そのものは大方無事でした。

 

正直に言います。

「君ら、案外大丈夫やったんやな……」

 

少し感心しました。

 

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長屋は、みんなで肩を組んでいる?

 

もちろん、これだけで「古い長屋は地震や台風に強い」

と言うつもりはありません。

 

あくまでも弊社が保有していた長屋については、

案外大丈夫やったという実体験です。

 

ただ、長屋は数軒の家が壁や屋根を連続させ、

一つの建物のようにつながっています。

 

そのため、何軒かが一緒になって支え合っている状態が、

結果的に建物を持ちこたえさせた可能性はあるのかもしれません。

 

数軒が横一列に並び、みんなで肩を組んで踏ん張る。

 

いわば、築50年超の長屋スクラムです。

新築住宅のような華やかさはありません。

 

最新の耐震設備もありません。

 

それでも、昭和から何度も地震や台風を経験しながら、

しぶとく残ってきた建物です。

 

「まだまだ若い者には負けへんで!」

 

長屋選手たちから、そんな声が聞こえてきそうです。

 

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私が心配するのは、切り離された長屋

 

ただし、同じ長屋でも私が心配になる建物があります。

 

それが、一部だけ解体され、

切り離し工事をした後に残された長屋です。

 

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長屋は、もともと数軒が一体となって建てられています。

 

ところが、そのうち一軒だけを解体すると、

それまで隣の建物に守られていた柱や壁が、

突然いちばん外側に出てきます。

 

長屋からすれば、

「ちょっと待て!急に手ぇ離すなや!」

という状態かもしれません。

 

もちろん、適切な切り離し工事や補強工事が

行われていれば、必要以上に怖がることはありません。

 

問題は、どのような工事をしたのか分からない場合です。

 

外から新しい外壁材を張れば、

見た目はきれいになります。

 

しかし、その中で柱や梁がどのように

処理されているのかは見えません。

 

屋根の境目や新しく外壁になった部分の

雨仕舞いが悪ければ、後から雨漏りが始まる可能性もあります。

 

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切り離された長屋が、すべて弱いとは断定できません。

 

ただ、何軒かで支え合っていた状態から建物の条件が

変わっている以上、残された側については、

より慎重に確認したほうがよいと私は思います。

 

長屋を購入するときや査定するときには、

築年数だけを見ても分かりません。

 

隣家が解体されたことはないか。

切り離し工事はいつ行われたのか。

 

外壁や屋根は、どのように処理されたのか。

室内に傾きや雨漏りの跡はないか。

 

やはり、実際に現地を見なければ

分からないことが多いのです。

 

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空き家を所有している人の何割が火災保険に入っている?

 

2018年の台風21号を思い出すたびに、

私が気になることがあります。

 

それが、空き家の火災保険です。

 

私の感覚では、空き家を所有している人のうち、

現在もきちんと火災保険へ加入している人は、

半分くらいではないでしょうか。

 

もちろん、これは統計を調べた数字ではなく、

これまで空き家の相談を受けてきた中で感じる私の印象です。

 

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親から相続した実家に誰も住んでいない。

売却するのか、残すのか、まだ決めていない。

 

以前の火災保険が切れたけれど、そのままになっている。

年に数回しか行かない家に保険料を払うのは、もったいない。

 

そのような理由で、無保険のまま

放置されている空き家は少なくないと思います。

 

けれど、誰も住んでいない家ほど、

台風による被害の発見が遅れます。

 

瓦がずれても分からない。

屋根の一部が飛んでも分からない。

 

窓ガラスが割れても分からない。

そこから雨が吹き込んでも分からない。

 

しばらくして近所の人から、

「お宅の屋根、飛んでますよ」

 

と電話が入り、慌てて見に行った時には、

室内まで雨が回っているかもしれません。

 

屋根の一部を直すだけで済んだはずが、

天井や壁、床まで修理しなければならなくなる。

 

空き家は誰も住んでいないから安心なのではありません。

 

誰も住んでいないからこそ、

発見が遅れて被害が大きくなる可能性があるのです。

 

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火災保険は「火事だけの保険」ではない

 

火災保険という名前から、

火事の時だけ使える保険だと思っている人もいます。

 

しかし、契約内容によっては、

台風や強風による風災なども補償の対象になります。

 

例えば、台風で屋根瓦が飛んだ、強風で雨樋が壊れた、

飛来物で外壁や窓が破損したといった被害です。

 

ただし、どのような被害でも

保険金が支払われるわけではありません。

 

補償の範囲や免責金額は、契約によって異なります。

 

また、地震による損害は、

原則として火災保険だけでは補償されません。

 

地震保険の加入状況や契約内容を確認する必要があります。

 

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古い家だからといって、傷んでいる部分を

すべて保険で直せるわけでもありません。

 

長年の経年劣化や、以前から発生していた雨漏りまで、

「今回の台風で壊れました!」

と言っても、そのまま認められるとは限りません。

 

特に空き家は、一般的な居住中の住宅と

同じ条件で加入できるとは限りません。

 

建物の使用状況、管理状態、今後の利用目的などによって、

加入条件や保険料が変わる場合があります。

 

「昔から入っているから大丈夫」と思い込まず、

空き家になったことを保険会社や代理店に伝え、

現在の契約が有効なのか確認しておく必要があります。

 

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売る予定の空き家でも、売れるまでは自分の家

 

「近いうちに売る予定やから、もう保険はいらんやろ」

そう考える人もいます。

 

ところが、不動産は売りに出したからといって、

すぐに売れるとは限りません。

 

3か月で売れるかもしれません。

半年かかるかもしれません。

 

条件によっては、一年以上かかることもあります。

 

その間に台風が来ないという保証はありません。

 

売買契約を締結した後でも、買主への引渡しが終わるまでは、

まだ売主が所有している建物です。

 

引渡し直前に屋根が飛んだら、

「もう売った家やから知りません」

では済みません。

 

売却予定の空き家ほど、引渡しが完了するまで

保険を切らさないよう注意したほうがよいでしょう。

 

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台風は「空き家やから」と遠慮してくれへん

 

空き家に毎年保険料を払うのは、

確かにもったいなく感じます。

 

売るかもしれない家です。

解体するかもしれない家です。

 

年に数回しか見に行かない家です。

 

「そのうち処分するから、もう保険はええやろ」

そう思う気持ちも分かります。

 

けれど、台風は所有者の事情など知りません。

 

「この家は空き家みたいやから、今日は屋根を飛ばすのやめとこ」

とは言うてくれません。

 

むしろ、長期間点検されていない古い空き家ほど、

屋根や外壁が傷んでいる可能性があります。

 

屋根材や波板が飛び、隣の家や車を傷つけるかもしれません。

通行人に当たる可能性もゼロではありません。

 

法的な責任がどう判断されるかは、

建物の管理状態や被害の状況によって異なります。

 

しかし、近所の人から、

「お宅の屋根が飛んできたんですけど!」

と言われるだけでも、かなり大変です。

 

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2018年を経験した大阪の空き家所有者へ

 

2018年の大阪では、6月に地震があり、

その約3か月後に台風21号が来ました。

 

弊社が保有していた築50年以上の長屋選手たちは、

一部に屋根の被害が出たものの、

大方は案外持ちこたえてくれました。

 

しかし、次の地震や台風でも同じ結果になる保証はありません。

 

特に、長期間放置している空き家や、

切り離し工事後の長屋を所有している人は、

台風シーズンの前に一度確認してほしいと思います。

 

屋根や外壁は傷んでいないか。

室内に雨漏りの形跡はないか。

 

隣の家が解体され、建物の状態が変わっていないか。

そして、火災保険は現在も有効なのか。

 

保険料がもったいないのか。

 

それとも、屋根が飛んでから修理代を

全額支払うほうがもったいないのか。

 

その答えは、次の台風が来てからでは遅いのです。

 

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よくあるご質問

 

Q.古い長屋は地震に強いのでしょうか?

 

長屋だから強い、古いから必ず弱いとは一概にいえません。

 

弊社が保有していた築50年以上の長屋は、

2018年の大阪府北部地震で大きな被害を受けませんでしたが、

あくまでも個別の実体験です。

 

建物の劣化状態や増改築、シロアリ被害、

柱や壁の状態などによって異なります。

 

Q.切り離された長屋は危険ですか?

 

切り離されたという理由だけで危険とは断定できません。

 

ただし、数軒が一体だった状態から建物の条件が

変わっているため、切り離し部分の補強、外壁、屋根、

雨仕舞いなどを慎重に確認する必要があります。

 

Q.台風で屋根が壊れたら火災保険で直せますか?

 

風災補償が付いている契約であれば、対象になる可能性があります。

 

ただし、契約内容や免責金額、損害の原因によって異なります。

経年劣化による損傷は、台風による被害とは別に判断されます。

 

Q.誰も住んでいない空き家でも火災保険に入れますか?

 

加入できる場合はありますが、建物の使用状況や管理状態によって、

一般の住宅とは条件や保険料が異なることがあります。

 

保険会社や代理店への確認が必要です。

 

Q.売却する予定の空き家にも保険は必要ですか?

 

売却予定であっても、

買主への引渡しが完了するまでは売主の所有物です。

 

売却までの期間が読めない場合は、

無保険の期間をつくらないよう注意したほうがよいでしょう。

 

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筆者の独り言

 

築50年以上の長屋選手たち。

 

地震にも耐え、台風にも踏ん張り、

今も人が住んでくれています。

 

「古い、危ない、もうあかん」

 

見た目だけで、そう決めつけたらあきません。

 

ただし、いつまでも現役で働かせるのなら、

保険と点検くらいはオーナーが用意してあげなあかん。

 

人間でも建物でも、

ベテラン選手ほど日頃のケアが大事なんです。

 

筆者松本 親幸
  • 不動産キャリア29年
  • 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
個人的には今までの不動産業経歴において1,500件超のお取引に関わっております。
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