5年前に4,000万円で買った難波のマンションが今なら6,000万円!?その38歳ご主人が最近夢見ていること

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高校の同級生だった38歳のご夫婦。

 

二人とも奈良県の同じ公立高校に通い、

その後それぞれ大学へ進学。

 

社会人になってから結婚しました。

 

現在は共働き。

ご主人の勤務先は天王寺、奥さんは本町です。

 

そして5年前、二人はペアローンを組み、

大阪・難波の中古マンションを約4,000万円で購入。

 

難波なら二人とも通勤しやすい。

買い物にも困らない。

 

外食する店なんて、それこそ選び放題。

 

ところが最近、このマンションについて

気になる話を聞きました。

 

「今売ったら、6,000万円くらいになるらしいで……」

 

5年前に4,000万円。

 

それが今なら6,000万円。

 

ご主人38歳。

 

最近、あることを夢見るようになりました。

 

「このマンション、売らへん?」

 

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ある日のこと。

 

ご主人が奥さんに言いました。

 

「なあ。このマンション、今

やったら6,000万円くらいで売れるらしいで」

 

「へえ~。2,000万円も上がったん?」

 

奥さんもまんざらではなさそう。

 

ところが、ご主人が続けます。

「売って田舎に一戸建て買わへん?」

 

「…………なんで?」

「俺、畑が欲しいねん」

 

奥さん、しばらく無言。

そらそうです。

 

難波のマンションを売却する話から、

わずか数秒で畑の話になりました(笑)。

 


ご主人には忘れられない景色がある

 

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実はご主人、大学時代に

ニュージーランドへ短期留学した経験があります。

 

滞在したのはそれほど長い期間ではありません。

 

それでも、あのとき見た景色が今も忘れられない。

 

広い空。緑の大地。土。

ゆっくり流れる時間。

 

当時のご主人は、

「いつか、こんなところで暮らせたらええなぁ……」

と思ったそうです。

 

それから十数年。

 

仕事をして、結婚して、住宅ローンを組んで、

難波にマンションを買いました。

 

生活は便利です。

何の不満もありません。

 

でも38歳になった今、ふと思う。

「俺、このままずっと難波に住むんかな?」


一方、奥さんは難波生活を絶賛満喫中!

 

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ところが奥さんには、そんな迷いはありません。

 

難波、大好き。

勤務先は本町。

 

買い物便利。

食事も便利。

 

交通も便利。

そして奥さんは旅行好き。

 

特に韓国が好きで、

友達としょっちゅう遊びに行っています。

 

ご主人が、

「週末、畑やろうや」と言えば、

 

奥さんは、

「私、韓国行ってくるわ」

 

全然かみ合いません(笑)。


それでもご主人、理想の家を探し始める

 

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まず向かったのは京都府京田辺市。

 

新築か中古か。    駅徒歩何分か。

 

そんなことより、ご主人が気になるのは――土。

 

「ここ、トマトできます?」

「はあ……まあ、できると思いますけど」

 

「ナスは?」

「たぶん……」

 

「枝豆は?」

不動産会社の営業マンも困ります。

 

家を見てください(笑)。

 

ところがご主人は家より畑。

 

「ええなぁ……京田辺」

頭の中では、すでにトマトが赤くなっています。


やっぱり奈良もええなぁ……

 

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次に向かったのは橿原市。

 

もともと二人は奈良県の公立高校の同級生です。

 

ご主人にとって奈良の景色は、どこか懐かしい。

 

遠くには山。

目の前には畑。

 

空も広い。

「やっぱり奈良、ええなぁ……」

 

難波なら60㎡ほどのマンション。

ここなら土地付き一戸建て。

 

探せば家庭菜園ができそうな家もある。

 

ご主人の妄想は、どんどん膨らみます。


そして、なぜか三田まで行ってしまった

 

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次の週末。

 

ご主人は兵庫県三田市にいました。

 

もう完全に本気です(笑)。

 

広い土地。畑。大きな一戸建て。

縁側まである。

 

ご主人、目を輝かせます。

「これや!」

 

朝起きたら畑へ。トマトに水をやる。

ナスを収穫する。キュウリも採る。

夏になったら枝豆。

 

夕方には自分で育てた野菜をつまみにビール。

 

「これが俺の求めていた生活や……」

 

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天王寺までどうやって通勤するのか?

知りません。

 

冬の畑はどうする?

知りません。

 

虫は?

今は考えません(笑)。

 


気がつけば、あのニュージーランドへ

 

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畑に立っていると、

不思議なことに景色が変わっていきます。

 

三田だったはずなのに。

 

遠くには大きな山。

どこまでも続く緑。

広い空。

 

大学時代に見た、あのニュージーランドです。

 

ご主人は泥だらけの手を見る。

手には採れたてのトマト。

 

風が気持ちいい。

「そうや……俺、こういう暮らしがしたかったんや」

 

仕事をして。

 

結婚して。

ペアローンを組んで。

 

難波にマンションを買った。

 

便利な生活を手に入れた。

でも――

 

便利な暮らしと、

自分がしたかった暮らしは同じなんやろか?

 

38歳のご主人。

 

畑の真ん中で、人生について考え始めます。

ふと横を見る。

 

奥さんが……いない。

「あれ?嫁どこ行った?」

 

電話してみます。

「もしもし?今どこ?」

 

奥さんが答えます。「韓国」

 

「え?」

「あんた畑やろ?私、韓国」

 

……。

まあ、ええか(笑)。

 

ご主人は畑の真ん中に座りました。

冷たいビールを一本開ける。

 

広い空。緑。自分で育てた野菜。

最高や。

 

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ご主人は満足そうに目を閉じます。


「あんた!起きや!仕事やで!」

 

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「…………ん?」

 

ご主人が目を開ける。

ニュージーランドの青い空が消えました。

 

畑もない。

トマトもない。

三田の一戸建てもない。

 

目の前にいるのは――

奥さん。

 

「いつまで寝てんの!遅刻するで!」

奥さんに叩き起こされました。

 

「…………夢?」

そう。

 

全部、夢でした。

 

難波のマンションは売っていません。

6,000万円も入っていません。

 

京田辺にも行っていない。

橿原にも行っていない。

三田にも行っていない。

 

もちろんニュージーランドにも戻っていません。

 

ご主人はボーッとしたまま起き上がります。

 

そしてカーテンを開けました。


畑ではなく――人、人、人……

 

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ご主人はバルコニーへ。

 

目の前に広がっていたのは――

畑ではありません。

 

山もない。広い空もない。

羊もいない。あるのはビル。車。

 

そして朝から行き交う、

人、人、人……。

 

難波や。

 

ご主人はしばらく黙って、その人込みを見つめます。

そして足元を見る。

 

そこには小さなプランター。

 

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トマト。大葉。

そして、まだ実の付いていないナス。

 

ご主人は何も言わず、ジョウロに水を入れました。

 

チョロチョロチョロ……。

畑とは呼べません。

 

どう頑張っても畑ではありません。

 

その後ろから奥さんの声が飛んできます。

「水やり終わったら、はよ着替えや~!」

 

「はいはい……」

 

ご主人はもう一度、

バルコニーから難波の人込みを見つめました。

 

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そして小さなプランターに、

もう少しだけ水をやります。

 

いつの日か、

本物の畑を手に入れることを今日も夢見ながら――。

筆者松本 親幸
  • 不動産キャリア29年
  • 株式会社フォローウィンドコーポレーション代表取締役
  • 宅地建物取引士
個人的には今までの不動産業経歴において1,500件超のお取引に関わっております。
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若い時にはリフォームの仕事も経験済。
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